砂上楼閣(さじょうのろうかく)
→ 実現不可能な計画のこと、長続きしないこと。
実現不可能な計画や長続きしない計画を立てることほど無駄なものはない。
計画というのは達成できることを前提に立てるべきだということは誰しもがわかっているはずだ。
小学校の夏休みを思い浮かべて欲しい。
1ヶ月以上ある休みに浮かれてしまい、当初は完璧だと思える計画を立てたにも関わらず、全くそのとおりにいかなかったといった経験があるという人も多いだろう。
計画が大切なことはわかっていても、なぜそんなことになってしまうのだろうか。
ということで、計画を立てることとビジネスを結びつけて書いていこうと思う。
なぜ計画を立てるのか?
冒頭にも書いたとおり、計画を立てるということは、なにか達成したいことがあるからだ。
つまり、目標や目的といった、やりたいことや成し遂げないことがあるというのが大前提にあるから計画を立てるのである。
ということは、計画を立ててもそのとおりにいかないことが多いという人は、そもそものところのやりたいことや成し遂げたいと思っている部分が弱いと言い切っていいだろう。
こちらも上述したが、小学校の夏休みの計画を立てても、そのとおりにならなかったという経験がある人は、そもそも夏休みを計画どおりに過ごそうという気持ちが弱すぎたからである。
ということは、計画を立てることが目標や目的になっては本末転倒だということにも気づかされるはずだ。
となると、そもそも達成できない計画などあってはいけないということになる。
けれども、世の中の計画のほとんどは未達に終わる。
端から不可能な計画だったりするものも世の中には溢れており、なかったものにされるものも多くある。
くり返しになるが、そんな計画が登場するのは、計画を立てることが目標や目的になっているからである。
ただ、不可能な計画の中には意図的に不可能がわかっているものもあるが、夢や希望が詰まっていることだってある。
だから計画というものは複雑なのである。
経営者のつくる事業計画とは?
私はstak, Inc. のCEO、つまり経営者の立場だ。
ということで、当然事業計画をつくったことなど、いくらでもある。
けれども、事業計画をつくったことがないという人が世の中の大半を占めると思う。
事業計画とはビジネスにおける計画だ。
なにかビジネスを始めるにおいて、どういった売上が立って、どんな経費がかかって、どれくらい利益が残ってと鉛筆をナメナメするのが事業計画だ。
ただ、正直、綿密な事業計画をつくる必要はないと思っている側面もあることは先に述べておきたい。
けれども、やはり事業計画をつくることの重要性は理解している。
経営者のつくる事業計画には、不可能が意図的に含まれていることもあるが、夢や希望が詰まった不可能な事業計画になっている場合も多々ある。
その理由を書いていこう。
1)自分自身の頭の中を整理するため
なにかを始めるときに頭の中に描いたものを本能のまま実行していくという方法も悪くないと思う。
けれども、よっぽど天才的な人でなければ、一度整理をするという意味でも事業計画を立てた方がいい。
思いついた状態のまま突っ走りたいという気持ちも十分に理解できるのだが、やはり冷静になる部分、立ち止まってこのままで大丈夫なのかを考える時間は必要だと思っている。
となると、まずはザックリ1年のなんとなくのイメージ、それから3年後くらいまではなんとなく数字に落とし込むということを私はやるようにしている。
もちろん、未来予測などできるはずもないし、数字の遊びになってしまう部分は大いにある。
大切なことは事業計画をつくることではなく、事業計画どおりになど物事が進むはずはないというマインドを持つことなのだ。
まずは頭の中を整理するために売上や経費の部分の数字を事業計画に落とし込む。
そして、実行していく中での実際の数字を入れていくことで、アップデートや修正をしていくイメージだ。
上手くいくことの方が圧倒的に少ないので、止める部分、いわゆる損切りするところの想定も重要で、ここまでやり切るという指標となるのが事業計画だと思えばいいだろう。
2)ミッションとビジョンを明確にするため
個人でやるレベルのことで事業計画を立てるということは、はっきり言って無意味というか時間の無駄なので必要ないと思っている。
もちろん、1)で述べたように頭の中を整理することは必要だと思うが、そもそも1人の個人事業主でやるレベルのことであれば、個人で完結すればいい。
ただ、人の力を借りてレバレッジをかけるような事業になってくるとそうはいかない。
なぜなら、共感するミッションとビジョンがなければ仲間は集まってこないからである。
特にスタートアップ、ベンチャーと呼ばれる間は、トップの考え方や意識は重要になるので、事業計画をつくることから導き出すことに繋がることもある。
その共有というものが重要で、熱量がないビジネスは大きくならないというのは経験を持って知っている。
大きく成長するスタートアップ、ベンチャーには狂気じみた熱量があって、そこ根幹にはミッションとビジョンが必要なのである。
3)バリュー(価値)を出すため
大きくビジネスを成功させたければ、企業のバリュー、つまり価値を上げていく必要がある。
そのときどきのトレンドもあるので、一概にバリュー(企業価値)を上げる方法というのはないというのが結論だが、事業計画の中には短期的な目線と長期的な目線が入っている。
短期的なところは実績を取りに行くところで、長期的なところがまさにバリューとなっていく部分のイメージだ。
大きくバリューがつくのは、やはりその企業にしか持っていないといった技術や商品があるといったところになるが、そう簡単なことではない。
けれども、大きくビジネスを成功させるためには、どういったバリューを出していくのか、事業計画にこのタイミングでこのサービスや商品をリリースしてと落とし込んでいくのである。
自分たちでしかできないという価値を見つけていくためにも事業計画を立てていくのはセオリーだと思っている。
4)資金調達を行うため
テクニカルなことになっていくのだが、事業を存続させていくためには、純粋にお金がいる。
なにかを始めるときには先行してお金が出ていくことはイメージできると思うが、それ以外にも人を雇用すれば給与を払わなければいけないし、オフィスを借りれば賃料がかかる。
こういったイニシャルコストとかランニングコストといったものが、どれくらいかかるのかも事業計画を立てることで一目瞭然になる。
そして、金融機関や投資家から資金調達を行うことを考えるのであれば、事業計画はマストだ。
あなたがお金を出す側に立ってイメージしてもらいたい。
ただただ、口頭でペラペラ話すだけの人にお金を出そうと思うだろうか。
出したお金は少なからず回収したいと思うだろうし、あわよくば増やしたいというのがお金を出す側の心理だ。
となると、根拠が必要になるし、根拠とはと言われたら数字を見ることが手っ取りばやいと思わないだろうか。
そういう意味でも、事業計画を立てるということは重要で、資金調達をしてみればわかるが、あなたのつくった事業計画に対して、お金を出す側は様々な質問をしてくるのである。
5)営業活動を行うため
4)の資金調達にも繋がる部分ではあるが、広報やPRも含めた営業活動をする上でも事業計画は役に立つ。
つくった事業計画を公にする必要は全くないが、実はこういった事業を考えていて、こんな感じで大きくしようとしているんだという営業活動の資料の一環として使えるということだ。
なにもそれは営業だけでなく、広報やPRの側面でも役に立つということは、なんとなく理解してもらえると思う。
例えば、あの人がこんなことを始めようと思っているらしいよと伝播することで協力者も増えるだろうし、採用に繋がったりもするわけだ。
SNSが全盛の時代の営業というものは、広報やPRを含めたブランディングやマーケティングが重要になる。
事業計画は営業活動の資料となるということも覚えておくといいだろう。
まとめ
とまあ、偉そうなことを書いてきているが、事業計画といっても、最初からそんなに緻密につくっていく必要はないことは上述したとおりだ。
もちろん、事業が大きくなるにつれて複雑になっていくことは必至なのだが、まずは最低限のところからで問題ない。
そこから少しずつアップデートできるようになればいいのである。
stak, Inc. では事業計画をつくらせてみて、それを実際にやってみるといったOJT的なことも実際にやっている。
やはり実践がなによりも力につくというのは明らかで、そんな環境で働いて見たいという人は大歓迎だ。
いつでも連絡をいただければ、私の経験をすべてさらけ出させていただくので、是非行動を起こしてもらいたい。
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