荒唐無稽(こうとうむけい)
→ とりとめがなく、考えに根拠のないこと。
多くの人はなにも考えていない。
このことが紛れもない事実だということは人生を少しでも長く生きていると明確にわかる事実だ。
いや失礼。
ただただ生きていても意味がなくて、少しでも人生を豊かに過ごそうという意識が伴っていなければ、歳を重ねるだけだ。
少しでもまずは自分の人生を豊かにしたい、そして周りの人の人生も豊かにしたいという言動が伴っている必要がある。
話題沸騰中のとある記事
ということで、四の五の言わずに、まずはこちらの話題沸騰中の記事を読んで欲しい。
(出典:DIAMOND online)
タイトルがいかにも釣りになっているところは否めないが、まあアクセスが集まるように考えた結果だろう。
給料1.7倍とか天国のような環境とか、このあたりは本当にイヤらしいというか、バズらせようとしている意図が全面に出ているので気に入らないが、内容は読んでいいかなと思う記事だ。
少々長文なので、簡単にストーリーを紹介すると、韓国のSAMSUNG(サムスン)に引き抜かれた日本人研究者の10年間を振り返るというものだ。
時間のある人は是非、全文を読んでもらいたいのだが、私の感想と考え方を述べていこうと思う。
日本企業の衰退
日本では、しばしば失われた10年から失われた30年になっているということが話題になる。
つまり、30年間に渡り経済成長が低迷していて、その要因はもちろん1つではなく様々なことが挙げられる。
そんな中の1つに優秀な人材の海外流出も含まれており、今回紹介した記事はまさにこの部分がリンクするといっていいだろう。
私のキャリアの中には、2010年12月中旬頃〜2013年5月上旬あたりまで、上海で過ごしたというものがある。
もう10年以上も前になるのだが、そのときにもチラホラと同様の話を聞くことがあった。
日本の大手電機メーカーに勤めている人が、記事と同様に韓国のSAMSUNGやLGからヘッドハンティングがあるという話題だ。
この記事の時系列も2010年を起算としているので、時期的にもちょうど合うというのもあって興味深く読ませてもらった。
2011年に上海で聞いた話
記事の内容を紹介していく前に、私が上海でチラホラ聞いていた話はこんな感じだった。
韓国のSAMSUNGやLG、中国のHaier、台湾の鴻海といった企業からのヘッドハンティングの話だ。
- 給与は今の1.5〜2倍
- 給与に加えて成果報酬でのインセンティブ設定
- 家族全員の生活保証
- 1年に3〜4回は日本に短期滞在可能
- 入社後の1〜2年は海外の好きなところで仕事が可能
記事の内容と照らし合わせていくと、若干盛られている印象もあるが、書き出した条件を提示されている人がいても特段不思議はないなという印象である。
日本企業にはあまり馴染みのない福利厚生が外資系企業にはあるというところが、大手日本企業しか知らないプロパー社員には特に魅力的に映るのだろう。
社食が無償で充実していたり、社内イベントがあったり、家族全員の健康診断が約束されていたり、なによりも労働時間が少ないことは天国に感じられれるというわけだ。
かくいう私も、その昔、Google本社がまだ渋谷のセルリアンタワーにあった頃に何度か招待されたことがある。
噂には聞いていたけれども、無料の社食があったり、卓球台が本当に置いてある社内の様子に羨ましさを覚えた頃が懐かしい。
いずれにせよ、こういった形で日本の優秀な人材が10年以上前に少なからず引き抜かれていた事実は知っておくといいだろう。
韓国社会と日本社会の比較
紹介した記事は韓国社会と日本社会の比較をすることで、後半の有料記事に促すという座組になっている。
(出典:DIAMOND online)
タイトルから後半の有料記事ではSAMSUNGの社内情勢からクビになる日本人と生き残る日本人について書かれているようだ。
私自身、冒頭の無料で読める部分のみ読んでそれ以上は読む意味がないと判断したのだが、興味のある人は有料会員になって続きを読むといいだろう。
なぜ私が読む必要のないという判断をしたのかには明確な理由があって、こういった有料版に飛ばす系の記事の後半は必ずといっていいほどに価値がない。
というのも、韓国社会と日本社会の社会比較や韓国SAMSUNGの社内情勢や日本人比較はとても無意味な比較だからである。
その理由は至って簡単で、サンプルが圧倒的に少ないからである。
内容が記事を書いた人の主観やインタビューをした人の主観に依存する部分が大きく、自分の目で見ると全く違って見えることが多々あるからだ。
これは、海外で働いたことがある人であれば理解してもらえると思う。
誤解してもらいたいくないが、なにも記事を書いた人やインタビューを受けた人を攻撃しているわけでも否定しているわけでもない。
自分の立場や時代によって大きく受取り方が異なり、実現可能性があるかどうかということには全く繋がらないということだ。
海外において、日本人の敵は日本人であることは私も全く同感だ。
ただ、クビになる日本人と生き残る日本人という表現こそが、もはやネガティブというか負けを意識した生き方であることが、とても残念なのである。
つまり、失われた30年とかそういった部分を否定することを目的としているはずの記事が、失われた40年に加担するような書き方がされているというわけだ。
ここに気づかないことが、本質的に間違っている部分だという主張をしておこうと思う。
海外へ出ることについて
海外に一度も行ったことがないという人がしばしばいる。
批判を受けてもいいので、声を大にして言いたいのだが、そういう人はすぐにでも海外へ出るべきだ。
行ってみたい国の1つくらいはあるはずなので、目的はなんでもいいから、とにかく海外へ行くべきだ。
当たり前が当たり前でない場所で、自分がどういった感情を抱き、どういった行動をとるのか経験を積むことは非常に重要だ。
幸運にも私は20代のうちに海外で働いておきたいというザックリのイメージを実現することができた。
ここで学んだことについては、すでにいくつか紹介しているし、今後も改めて紹介していこうと思うが、とにかく自分の目で見ること、自分の脚で歩くこと、自分の耳で聞くこと、自分の舌で味わうことだ。
そうやって見えてくる世界と、他人から聞いた情報では価値が全く異なる。
恐怖心が勝るという人もいるかもしれないが、私もそうだった。
偉そうに語っているが、私が初めて海外へ行ったのは22歳とか23歳のときで、かなり遅いタイミングだったし初めての海外は不安しかなかった。
そんな私でも、今や海外へ行くことになんの不安もないどころか、ワクワクしかない。
本当になんとかなるし、放っておいても誰も動いてくれないので自分でなんとかする。
ましてや、今やスマホという世界中で繋がる便利なモノがある。
なにも恐れることはない。
まとめ
20代前半は自己啓発本を読み漁っていた時期がある。
上昇志向はあるのだけれど、なにをしていいのかよくわからず、世間一般的に成功者と呼ばれる人たちから、なにかを学ぼうとしていたからである。
けれども、とあるときに気づいたことがある。
その人たちの成功秘話は私には再現できないことだ。
時代背景が違うことや環境が全く異なるので、読んだ瞬間は私自身もやってやろうという気合いのようなものが身体中を駆け巡る。
ただ、その情熱は長くは続かない。
海外へ行って帰るとこの心境に近いものを感じる人も多いはずだ。
海外で感じた経験を日本に戻ってきたら必ず活かして成長しようといった感覚である。
ところが、この感覚も長くは続かない場合がほとんどだ。
結局、私を含めて人間は迎合する生き物で楽な方に流れてしまうのである。
とどのつまり、思考停止した状態は自分自身をなにも変えることができず、周りの人を巻き込んでなにかを成し遂げようとすることもできないということだ。
SAMSUNG(サムスン)に引き抜かれた日本人研究者の記事を参考に考えさせられた人もいるはずだ。
さあ、あなたはどう動く?
【Twitterのフォローをお願いします】