形名参同(けいめいさんどう)
→ 言うことと実際の行為を一致させること。
有言実行という言葉と同じ意味だと捉えていいだろう。
この言ったことを実際にやり続けるということ、継続していくことはやはり簡単ではない。
私自身もそうだが、どうしても人はサボってしまうし、楽な方に逃げてしまうという傾向にある。
ただ、どこかでこのままではいけないと思う瞬間があるのもまた事実だろう。
そんなとき、歴史に名を残した偉人たちの言葉が少しでも支えになるよう紹介していこう。
歴史に名を残した人たちの名言集
びっくりさせる、バカであること。
他の人がバカにするようなアイデアや、びっくりさせるようなアイデアを製品化することにこだわった人物がいる。
2022年1人1台は持っているといっても過言ではないスマートフォン。
iPhoneという商品がそのきっかけをつくったわけだが、その生みの親がスティーブ・ジョブズだ。
スティーブ・ジョブズのことについては、何度もいろいろと書いてきているが、本当に多くの名言や逸話を残している人物の1人だ。
そして、必ず賛否両論があるが、個人的にはやはりカリスマ性があって注目せざるを得ない憧れに近い感情を抱いてしまう。
今や世界中で多くのファンがいて、日々の生活に完全に溶け込んでいるアップル製品。
数々のヒット商品を生み出してきたが、特にiPhoneの販売がなかったら、テクノロジーの進化は10年単位で遅れていただろう。
スティーブ・ジョブズと同様に、誰もが驚くようなアイデアや突拍子もない提案を初めて具現化する人の多くは、他人からバカにされた経験を持っているものだ。
これこそが個性ということなのだが、その個性を潰す傾向にあるのは本当に良くない。
スティーブ・ジョブズは周りの冷ややかな視線など気にせず、ただ世界に驚きを与えるというマインドで数々のひらめきを製品化してきたからこそ、今のアップルがある。
まさに、驚きを与える素晴らしい発想とそれを気にしないバカになることを有言実行してきた、スティーブ・ジョブズだからこそ生まれた名言といえるだろう。
真摯さはごまかせない。
この言葉を残したのは、経営学の父とかマネジメントの権威として名を残している、ピーター・ドラッカーだ。
実はこの言葉はニュアンスを変えて多くの偉人が残している。
仕事に対して真摯に取り組むこと、仕事に対して、人に対して誠実であることの大切さを説いているわけだ。
数々の名言に何事にも真摯であれというニュアンスがどこかに含まれているように感じることができる。
ピーター・ドラッカーは、トップリーダーに求められるのは、信頼できる発言と有言実行できる力であり、カリスマ性は邪魔になるだけだと説いている。
このあたりは私の考え方と少々異なり、カリスマ性は重要だと思っているのだが、シンプルでありながら行動に移すのは難しい言葉として、有言実行があることは十分に理解できる。
リーダーに求められる資質として間違いなく必要な要素だ。
自由闊達にして愉快なる理想工場
この言葉はSONYの創業者である、盛田昭夫が残した言葉である。
自由闊達は、じゆうかったつと読み、心が広く伸び伸びとして物事にこだわらないさまをいう。
そして、この言葉はSONY設立の頃に掲げられた、設立趣意書の一番最初に書かれた一節の中の一文なのである。
つまり、盛田昭夫が最も言いたいこととしてという捉え方もできるだろう。
仕事に取り組む社員たちにとって、これ以上なく心強い言葉で、自由闊達そして愉快というキーワードはSONYの魂として今でも浸透している。
自由で面白い発想を活かすというマインドで、SONYが生み出してきたのが、トランジスタラジオやウォークマンだ。
現在ではPlayStation(プレイステーション)が代表格だろう。
SONYは、凡人の想像をはるかに超える楽しい製品を形にすることで、日本の家電製品に大きな進歩と発展をもたらした憧れの企業の1つだ。
企業なので浮き沈みは当然あるのだが、2022年現在のSONYは完全復活を果たしている状況だ。
これも創業者であるの盛田昭夫の熱い想いが引き継がれているからかもしれない。
これからの経営者にとって大事なことは人柄
ビジネスマンでなくても社会人であれば、経営の神様という言葉を聞けば、松下幸之助だとパッと頭に出てくる人がほとんどだろう。
言わずもがなだが、松下電器産業、現在のPanasonicの創業者だ。
大企業を一代で築き上げた松下幸之助は、若い頃から商才に優れていた。
商売の世界で大きな成功を勝ち取った松下幸之助だが、社内外から足を引っ張られることも少なくなかった。
そんなときにこそ、松下幸之助は経営者にとって大事なことは人柄だと感じていたという。
誰かに嫌な仕事や責任を押し付けて自分は楽をするのがリーダーではない。
部下やチームのミスはリーダーである私のミスだと受け止めて、心配するなと堂々としていることが大切だと切実に語っている。
つまり、この人のために一生懸命働きたいと思わせる人柄こそがリーダーに求められることなのである。
リーダーシップを発揮したいのに上手くいかないというビジネスマンには耳が痛い言葉ではないだろうか。
とはいえ、簡単に人柄が一番といっても、複雑なビジネスの世界で実行していくことは非常に難しいということは十分に理解できる。
人徳が大切だということが理解できない、否定的だという人も少ないだろう。
そんなときは、松下幸之助が残した、経営者に大事なことは人柄だという言葉を頭の片隅に置いておくといいかもしれない。
やりたいことをやって生きる
本田宗一郎という名前も知らない人は少ないだろう。
ホンダの創業者で自分が好きなこと、得意なことをして生きてきた人物だ。
このマイペースな発言は、ある意味で自分本位と捉えられがちだが、自分が好きなことには徹底的に追及する姿勢があったからこそ、世界に誇るオートバイや車が生まれたのだ。
本田宗一郎は、自分がやりたいことや好きなことに生涯を費やすことに微塵も疑問を感じず、さらに全てやりきったらそれには執着せずに手放せる身軽さがあったという。
協調性や空気を読むことばかり考えている間は、大きなビジネスチャンスを掴むことはできないというわけだ。
手放す勇気ではなく、手放す身軽さが本田宗一郎の魅力でもあった。
ビジネスの世界で大成する見本のような生き方を有言実行した人物が、本田宗一郎でそのマインドを引き継いでいるのがホンダという企業なのである。
よりよく遊ぶ者は、よく仕事をする
竹鶴政孝という人物の名前を聞いてピンとくる人はウイスキーが好きな人ではないだろうか。
ニッカウヰスキーの設立者で、マッサンと呼ばれた竹鶴政孝は、仕事にも遊びにも一生懸命な人物として有名だ。
実際に、竹鶴政孝は休日になると仲間と囲碁や麻雀を楽しみ、スキーや釣りにもよく出かけていたという。
つまり、プライベートが充実している人は、仕事も一生懸命に取り組んでくれることを実体験として知っていたというわけだ。
当然のように竹鶴政孝の下で働いていた社員たちにも、仕事が終わったらすぐに帰って家族と夕食を楽しむように促していた。
自分の身を持って知ったことを社員にも提案するという、まさに有言実行だったのである。
なんでも時代のせいにしてれば、そりゃ楽だ。
紀伊國屋書店創業者である、田辺茂一の言葉である。
この言葉はなぜかスッと入ってきたというか、初めて知ったときから自然と覚えている言葉である。
そして、実はこの田辺茂一の発言はラジオのインタビューで何気なく発せられた一言なのである。
モノが売れないのは時代のせいで環境が悪いんだと、誰かのせいにしてはいないかということを考えさせられる言葉だ。
時代のせいだから仕方ないと片付けるのは簡単で誰にでもできることだ。
時代の流れに順応することの大切さ、目の前の問題に対して真摯に向き合うことの大切さを教えてくれる言葉ではないだろうか。
本屋でありながら画廊や喫茶店を併設し、更には紀伊國屋ホールという劇場を作った田辺茂一は、時代を味方につけて先駆けた、まさに有言実行の人だったのである。
まとめ
定期的にこの名言集をアップしているのは、継続して読んでくれている人から結構人気だからというのはある。
それだけメンタルを保つことは難しいという裏返しなのかもしれない。
一方で、こういった言葉を目にしたり耳にすることでモチベーションが上がるという人がいるということは、今なお語り継がれている名言には力があるという証明でもある。
今日も今日という1日しかない貴重な時間だ。
さあ、働こう。
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