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2022年2月10日 投稿:ueda

精神科学の分野で3つの邪悪な人格特性とは?

奸智術数(かんちじゅっすう)
→ よこしまな知恵と計略で、悪だくみのこと。

よこしまとは、邪まと漢字にするとわかるが、邪道とか邪悪という熟語を連想するだろう。

そのとおりで、行いや考えが人の道を外した、よくないものであるさまを邪ま(よこしま)という。

ダークな部分という言い方の方が一般的かもしれない。

否定的な部分といて捉えがちだが、果たしてそんな部分がない人などいるのだろうか。

ということで、人間の邪まな、ダークな部分に迫ってみようと思う。

ダークなパーソナリティは9つあるという研究結果

デンマークのコペンハーゲン大学、ドイツのウルム大学とコブレンツ・ランダウ大学のチームがジャーナル、サイコロジカル・レビューに発表した研究結果がある。

その発表によると、ダークなパーソナリティとしては9つを特定することができるという。

そして、それらは全て互いに関連し合っていると考えられる。

つまり、下記に定義されるパーソナリティの中に1つでも該当するものがあるとすると、その人はその他の邪悪さも併せて持っている可能性が高いということだ。

では、その9つを順に紹介していこう。

1)エゴイズム

自分が成果を残すことが最大の関心事であり、他人を犠牲にするのがエゴイズムというパーソナリティ。

2)マキャベリズム

他者を巧みに操る冷淡な態度を取り、手段は結果によって正当化されると考えるのが、マキャベリズムというパーソナリティ。

3)道徳離脱

罪悪感を持つことなく、非道徳的な行動を取るのが、道徳離脱というパーソナリティ。

4)ナルシシズム

自己とその優位性に過度に執着し、極端に他者の関心を求めるのが、ナルシシズムというパーソナリティ。

5)心理的特権意識

自分は他者よりも優れていると考えるのが、心理的特権意識というパーソナリティ。

6)サイコパシー

他者に共感することができず、自制心に欠け衝動的であるのが、サイコパシーというパーソナリティ。

7)サディズム

自分自身の快楽や利益のために、他者に精神的または身体的な害を与えたいという欲求を持つのが、サディズムというパーソナリティ。

8)私欲

自分自身の社会的、経済的地位を高めることや、それらを強調したいという欲求を持つのが私欲というパーソナリティ。

9)悪意

自分自身を傷つけることになっても、他者に報復したいとか、危害を加えたいという欲求を持つのが悪意というパーソナリティ。

9つのパーソナリティに伴う調査

論文の著者たちは、上記の9つのパーソナリティに伴う調査を2,500人に対して行っている。

  • 成功するには様々なところで工程を端折る必要がある
  • 他人にふさわしい罰を受けさせるためには、場合によっては自分が少々の不快さに耐えてもいい
  • みながそういうのだから、私は特別なのだ

こういった考え方に同意ができるのかという投げかけを行った調査である。

その後、それぞれのパーソナリティに分類された人たちの回答に重複する部分がどの程度あるかについて分析を行った。

すると、明らかに重複するという傾向があることを確認したのである。

そして、こうしたダークなパーソナリティの根源となるものを導き出している。

邪悪な特性の根底にあるのは、ほぼ全ての場合において、他者より自分を優先し、そうした行動を幾つもの理由によってそれを正当化する考え方だということである。

こうした特性を生む要因を、Dファクターと呼んでいる。

Dファクターは、公共の場や社内でも、暴力、規則違反、嘘、策略といった具合いに日常的に見られる。

なので、個人のDファクターを認識しておくことは、その人がさらに罪を犯したり、より有害な行動に出たりする可能性を判断する上で有用なツールとなると結論づけている。

3つの邪悪な人格特性

精神科学の分野で、3つの邪悪な人格特性とされるパーソナリティがある。

上記の9の中にあるものと重複するが、マキャベリズム、ナルシシズム、サイコパシーの3つである。

ただ、この3つは必ずしもネガティブに捉えられるパーソナリティではない。

高い職位と経済的成功を得た人々の間で、これらの特性がより顕著に見られるというのである。

すべてのサイコパスが刑務所にいるわけではない。一部は取締役会にもいる。

これは犯罪心理学者のロバート・ヘアが講義中に述べた、有名な言葉である。

まず、3つの特性は、臨床的に診断される人格特性とは異なり、人口全体で正規分布していることに留意すべきである。

つまり、誰もがこの3つの傾向を、低、平均、高の程度はあれども持っているが、それでもまったく正常でいられる。

その特性が顕著でも、それだけでは仕事や私生活において問題があることにはならないという点に注意が必要だ。

それから、邪悪な3大特性が反社会性を示唆する一方で、キャリア上では様々なメリットももたらすことが、最近の研究でわかってきたというのである。

 

サイコパシーには、一般に不正直、自己中心的、無謀、非情といった傾向が見られる。

また、マキャベリズムは、うわべだけの魅力、愛嬌の良さや話上手さなど、人心操作、偽り、冷酷さ、衝動性と関連している。

マキャベリズムの特性が高い人は倫理観に乏しく、目的は手段を正当化すると考えたり、人より先んじるためには多少のごまかしは必要だという考えに賛同することが多い。

最後に、ナルシシズムは、誇大妄想、過大な自尊心、他者を思いやらない利己的な特権意識などと関連している。

その語源であるナルキッソスの神話が示すとおり、ナルシストは非常にわがままで自己愛に溺れやすく、そうなると他者を思いやることが難しくなる。

ただ、ナルシストには魅力的な人も多く、カリスマ性と呼ばれるものはナルシシズムが持つ対人的に望ましい側面でもある。

こうやって書いていくと、ネガティブな印象を与えがちな邪悪な3大特性だが、15年間もの継続的調査によって次のことが判明している。

くり返しになるが、サイコパシーやナルシシズムの特性を持つ人は組織階層の上位に多く見られ、経済的な成功度も高いのである。

ある推定によると、臨床レベルでサイコパシーと判断される人々が企業の取締役会に存在する割合は、全人口に占める割合より3倍も高いというのだ。

また、サイコパスのビジネスマンは勤勉に働き、しごく正常に見えるという。

ただ、不倫、他者への冷酷さ、暴飲、過度のリスクテイクが周期的に見られるという側面も否定できない。

なぜ邪悪な3大特性を持った人が成功するのか?

その一因は、邪悪な3大特性を持つ暗黒面には、明らかにポジティブな部分もあるからだという。

正と負の両面を併せ持つ性格について調べたある研究によると、外向性、新しい体験への積極性、好奇心、自己肯定感などは、一般に邪悪な3大特性を持つ人のほうが圧倒的に高いそうだ。

また、邪悪な3大特性は競争力を高める傾向もあるという。

さらに、別の研究では、サイコパシーとマキャベリズムは、威嚇と誘惑という2つの手段を助長することが示された。

こうした戦術で潜在的なライバルを怯えさせ、他者や上司を魅了するのだ。

これらの特性の持ち主になぜ演技がうまい人が多いのか、そして短期的な性的関係に成功しやすいかの理由にもなる。

まとめ

邪悪な3大特性について書いてきたが、重要なのは、邪悪な特性による個人的成功が、集団の犠牲によって成り立つということだ。

邪悪な3大特性を持っていても成功者が多いのだから、気にすることはないと短絡的に考えてはいけないということだ。

邪悪な3大特性には確かに、適応力を高める効果がある。

けれども、その成功には代償が伴い、代償を払うのは組織であるということだ。

邪悪な3大特性と職場でのいじめの相関を示す研究は数多いし、邪悪な特性と窃盗、常習的欠勤、離職、破壊行為といったマイナスの職務行動の間に強い関連が示されている。

また別の研究によれば、架空投資詐欺、インターネット詐欺、横領、インサイダー取引、汚職、不正行為は、すべて邪悪な3大特性と関連しているそうだ。

本当に優秀なリーダーは、ナルシシズムのポジティブな面を示しながら、邪悪な3大特性の悪しき面を抑えているということである。

 

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植田 振一郎 Twitter

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