アメリカで起きているコロナ禍で訪れた移住ブーム

2021-12-30 投稿: 植田 振一郎

禍福倚伏(かふくいふく)
→ 禍(わざわい)と福は代わる代わるやってくるということ。

2021年の年の瀬にちょうどいいテーマだ。

禍という言葉を聞くと、コロナ禍というワードが真っ先に思い浮かぶ人も多いはずだ。

新型コロナウイルスが世界中で騒がれるようになってから、2年の月日が経とうとしているのに相変わらずニュースになっている。

日本国内は緊急事態宣言が明けたことにより、ようやく少しずつではあるが日常が取り戻されつつあるように感じている。

一方で、今後の新たなパンデミックに備えるということも意識しなければいけないというマインドも生まれつつある。

人々の生活はそう簡単に変えることはできない。

ただ、新型コロナウイルスのような大きな外的要因があった場合には、人の行動に自然と変化が起きる。

コロナ禍で変わりつつある住環境

コロナ禍で、日本国内でも都心から地方へと移住が進んでいる一定層が生まれている。

この動きはなにも日本だけでなく、アメリカでも進んでいるということで、しっかりと世界情勢にも目を向けた2021年の年末にしておこう。

コロナ禍で訪れた移住ブーム 検討する人が知るべきこと

(出典:Forbes)

記事によると、コロナ禍以前のアメリカでは、移住することが落ち着いていたという。

経済的な機会を求めて、つまり賃料の高騰といった要因で移住するというケースが多かったのが、2006年以降は州をまたいで引っ越す人が減っていたという。

日本の感覚でいうと、都道府県を越えて引っ越すというところだろうが、なにせ国土が日本の約25倍という広さだ。

それだけ考えても引っ越すこと、移住することは少々ハードルが高いのはなんとなくイメージできる気がする。

また、アメリカといえば自由の国という印象も強く、積極的に動き回る国民性があるように思っている人も多いが、決してそんなことはない。

地方へ行けば行くほどに保守的な人も多くなる傾向は、日本と同様とさえいえるのである。

実際、アメリカの有力シンクタンクのブルッキングス研究所によるアメリカ合衆国国勢調査局の分析データがある。

そのデータによると、2019年までに1年間に住居を変えたアメリカ人は人口の10%に満たないことが明らかになっている。

これは、アメリカ合衆国国勢調査局が統計を取り始めて以来、最低値だという。

コロナ禍で訪れた移住ブーム

そんなアメリカ人の衣食住の住の部分に大きな変化が訪れている。

とりわけ、ここ1年間での動きが大きく、新型コロナウイルス感染症による初期のロックダウンから2021年の夏にかけ、移住と遠隔勤務は密接に関連している。

一時的な住所変更依頼は、2020年の最初の半年で27%近く増えていることにも注目したい。

それから2020年末に向け、恒久的な住所変更依頼がより多く出されるようになっている。

2020年に記録されたアメリカ人の国をまたいだ恒久的な移住は、2019年と比べて7%増えている。

このトレンドは2020年の秋に加速しており、増加幅は前年と比べて10%以上で、2020年12月には28%になってピークを迎えた。

では、移住した人々は一体どこへ向かっているのか。

また、引っ越しを考えている場合にどのような選択肢があり、トレンドと移住の傾向を紹介していこう。

都市部からの人口流出が本格化

長年アメリカでは、大半の都市で人口が減ってきた傾向がある。

住民の数は移民のおかげで安定していたものの、2020年には多くの都市が住民数の実質的な低下を経験しているのである。

ニューヨークのマンハッタンでは流出数3人につき流入数はわずか1人というデータが出ている。

参考までに、2019年は流出数2人につき流入数は1人だった。

ニューヨーク市だけでも10万人を超える住民が流出したと試算されている。

また、ロサンゼルスでは、2020年の住民数の減少が最終的には前年から58%増え、かつての人気都市であるシアトルやポートランドも人口が減少している。

その原因は、なんといっても生活費の高さだろう。

ニューヨークで2部屋あるアパートの賃料中央値は2019年に3,500ドル(約40万円)となっている。

これはアメリカ全土の中央値1,480ドル(約17万円)の2倍以上という賃料だ。

また、ロサンゼルスやサンフランシスコなどの都市も生活費の高さでは負けていない。

オレゴン州ポートランドはかつて比較的生活費が手頃な場所だったが、コメディー番組のポートランディアが人気になった頃から状況が変わった。

ポートランドは、もはや若い人が引退目的で移住する場所ではない。

新型コロナウイルスが引き起こしたパンデミック前は、街全体がまるで24時間営業のテーマパークのようだった。

そんな状況であれば、少々生活費が高くても住みたいという人も多くいたはずだ。

それが今や定期的にロックダウンされ、リモートワークが中心になると魅力が半減どころか、そもそもの住環境について考えてしまうのも納得がいく。

そして、移住が最も多かったのが、ミレニアル世代とZ世代となっているのも特徴的だ。

25歳未満の3分の1以上が、新型コロナウイルス感染症の流行中に移住、転居している。

若い世代から都市部を離れている傾向があることは、しっかりと認識しておいた方がいいだろう。

アメリカで人気の移住先

転居先として人気なのは、ニューヨークからニュージャージー州やサンフランシスコからサクラメントといったあたりだ。

また、移住者が特に多かったのはアイダホ州だそうだ。

アイダホ州といえば、アメリカの西側でかつ北側にあり、ロッキー山脈のある州だ。

そんな人気になりつつあるアイダホ州の最大の街である、ボイシの住宅価格にも変化が起きている。

ボイシ大都市圏の売却価格中央値は2021年7月には48万8,000ドル(約5,500万円)となっており、2020年から32%上昇しているという。

他にも、住宅価格が価値に見合わず高い移住地は、テネシー州のマーフリーズボロ、フロリダ州のナッソー郡、サウスカロライナ州のバークレー郡など準郊外がある。

それから、オクラホマ州第2の都市であるトゥルサは、同市に移住するリモート勤務者に対し最大1万ドル(約110万円)を提供すると共に、コワーキングスペースの作業場所など追加の報酬を与えている。

完全リモート勤務が可能な人は、ボイシよりもウェストバージニア州のモーガンタウンのような場所に住めば、経済的にも楽になるはずだ。

まとめ

2021年もまだまだ新型コロナウイルスに影響された年になったのは間違いない。

一方で、新型コロナウイルスがもたらした人々の行動の変化については、しっかり分析しておいた方がいい。

いつどれくらいの規模で起こるかはわからないが、パンデミックはまたどこかで必ず訪れることは間違いないだろう。

そうなったときに勝ち残っていくヒントが隠されているはずだ。

 

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