テスラに真っ向勝負を挑むルーシッド・モーターズとは?

2021-11-30 投稿: 植田 振一郎

花顔柳腰(かがんりゅうよう)
→ 花のように美しい顔と柳のようにしなやかな腰つきで、美人の形容。

美しさを求めて、競争が激化している業界がある。

美しさとは単純に見た目だけではなく、ビジネスモデル全体も含まれていると考えて欲しい。

そんな激しさを日に日に増している業界の1つは、間違いなく電気自動車(EV)業界だろう。

時間のある人は、まずこちらの記事を一読して欲しい。

元テスラの「天才エンジニア」が作った車のヤバさ

(出典:東洋経済オンライン)

テスラに真っ向勝負を挑むルーシッドとは?

新興電気自動車(EV)メーカーである、ルーシッド・モーターズが記念すべき第1号モデルの製造を開始したのは約2ヶ月前の2021年9月の話だ。

そして、ようやく納車が始まったところにすぎないにも関わらず、大変な注目を浴びている。

デビューモデルとなったのは、セダンのルーシッド・エア・ドリームエディションというモデルで、販売価格は16万9,000ドル(約1,900万円)となっている。

最大の特徴ともいえるのは、その完成度の高さと1回の充電で520マイル(約837km)走行できるという航続距離性能の高さだ。

アメリカの自動車雑誌であるモータートレンドは、このモデルを2021年のカー・オブ・ザ・イヤーに選出した。

そんな影響もあってか、ルーシッドの株価は急上昇し、時価総額でフォードを抜く場面も出てきた。

高い評価を得ているのは、CEOであるピーター・ローリンソンの手腕によるところも大きい。

ローリンソンは、テスラが本格的な自動車メーカーの地位を手にするきっかけとなった、モデルSの開発を手がけた自動車業界のベテランである。

そんなローリンソンは今まさに、モデルSがテスラ飛躍のきっかけとなったように、エアによってルーシッドを本格的な自動車メーカーの座に押し上げようとしているのである。

ルーシッドの株価は2021年7月の上場以後、数ヶ月に渡って低迷が続いていたが、2021年10月に株価が上昇し始めた。

そのきっかけは、アメリカの自動車雑誌である、ロード&トラックが、ルーシッドのエアはテスラに冷や汗をかかせるほど素晴らしいとの評価を下したことがきっかけだ。

イーロン・マスクとの確執

ルーシッドのCEOであるローリンソンは、投資家からの信頼が厚い。

というのも、彼はジャガーとイギリスのスポーツカーメーカー、ロータスでそれぞれ主幹エンジニアとチーフエンジニアを務めたという経歴がある。

また、バッテリーなどの技術で数十件の特許を取得してもいる。

とはいえ、自動車の大量生産は、別次元の挑戦となる。

ルーシッドのエアは最安モデルでも、テスラのモデルSの最強グレードであるプラッドの価格を3万5,000ドル(約385万円)近く上回る。

企業として継続していくためには、当然だが利益を出さなければならず、そうなると超富裕層だけでなく客層を拡げていくことも欠かせない。

ルーシッドが利益を出すようになるには、まだまだ時間がかかるという目論見書には記されている。

そんなルーシッドを率いるローリンソンは、Tesla(テスラ)のCEOであるイーロン・マスクとの確執があったとされる。

気まぐれなテスラのCEOであるイーロン・マスクに我慢ならなくなったことで、ルーシッドはテスラを去ったという。

2012年にテスラを辞めたのは、主にウェールズに住む病気の母親を介護するためだったとしながらも、ローリンソンはマスクから不当な扱いを受けていたと明かしている。

ルーシッド・モーターズの挑戦

ピーター・ローリンソンは、2007年にアティエヴァという名のバッテリーメーカーとして出発した。

ところが、同社は何度も倒産の危機に見舞われてきたという経緯がある。

2014年には事業内容をEV製造にシフトし、その2年後に社名をルーシッドに変更した。

自動車製造は資本集約的な事業であるため資金調達の苦労は続いたが、2018年にサウジアラビア公共投資基金からの10億ドルの出資に助けられて今日に至っている。

同基金は現在でも過半数を握る大株主となっている。

そんなルーシッド・モーターズのCEOであるローリンソンの言葉が心に響いた。

誰もが『スタートアップ企業にとって難しいのは量産化だ』と言う。私に言わせれば、倒産しないように資金を集めることの方が、ずっと大変だ。

 

そして、ルーシッドは生産台数を520台に限定した、エア・ドリームエディションの納車を10月下旬から開始した。

間もなく、エアの別の3モデルの生産と納車にも着手する予定となっている。

すでに完売したドリームエディションのパフォーマンスバージョンは1,111馬力を誇り、先述したが、航続距離を重視したバージョンは1回で520マイル(約837km)の走行が可能となっている。

これはアメリカ環境保護庁(EPA)がテストした車種の中で最長の航続距離を誇る。

この評価を手にした2021年9月に、ルーシッドはEPAのバッテリー航続距離ランキングの上位6位をすべてルーシッド車で塗り替え、テスラを首位から引きずり下ろしている。

まとめ

電気自動車(EV)市場は、なにもテスラとルーシッドだけの戦いではない。

新興のメーカーがたくさん出てきている中で、既存の自動車メーカーもこぞってEVシフトを開始している。

喫緊では、テスラが頭1つ抜けているように見えるけれども、まだまだ盤石とはいい難い。

電気自動車と自動運転のことを混合している人も多々いるけれども、これは全く別のレイヤーだと思った方がいい。

ガソリン車からのEVシフトは環境問題を鑑みても世界中で避けられない。

実際に多くの国でガソリン車の生産を終えるという方向に舵を切っている。

そんな中、新たなEV車が出てきては淘汰されるということが行われるだろう。

現行で進んでいるメーカーはもちろん、新たなメーカーがどんな形で今後出てくるのかについても注目していきたいと思う。

 

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