下意上達(かいじょうたつ)
→ 下の者の意思や考えが上の者に伝わること。
世の中には、常に新しい商品やサービスが登場する。
自分も考えたことがあったという商品やサービスが出てきたという経験はないだろうか。
そんな商品やサービスを見て、自分も考えたことがあったのにと主張する人がいる。
残念だが、その一連のやり取りにはなんの価値もない。
そう、自分が考えたアイディアを世界中で自分1人しか考えていないなど、おこがましい話なのである。
つまり、アイディアに価値はない。
アイディアを実現させること、荒削りでもいいから、実際に行動することがなによりも大切なのである。
そして、組織化するためには、下の者の意思や考え方が上の者にもしっかり伝わっていくことも重要である。
日本でも浸透し始めたPinterestとは?
また1つ、海外のサービスが日本国内でも浸透し始めている。
Pinterest(ピンタレスト)というサービスである。
そんなPinterestは、画像および動画共有サービスとして認知されつつある。
2021年にMAU(月間利用者数)は870万人に達したという。
一見、SNSの1つとして括られがちな同サービスだが、実は画像検索としての利用が消費を生み出している。
それから、いよいよ2022年を前に、日本でも本格的にサービスの浸透を狙っていくそうだ。
Pinterestは、インターネット上から気に入った画像や動画を収集して、自分のデジタル上のピンボードに集めていくスクラップブックを作り、他の利用者と共有するSNSとして始まった。
簡単にいうと、自分の気に入った画像や動画を集めておいて共有するというサービスだ。
そんなお気に入りのコンテンツを利用者間で自分のボードにコピーして流通させる仕組みで、SNSとしての位置づけにされがちなのは、その背景によるものだ。
登場した当時は、TwitterやFacebookも人気を集めており、写真や動画に特化した次世代のSNSとして注目された経緯がある。
また、日本では2013年に法人を設立して本格参入を開始すると、楽天が出資するなど多くの注目を集めていた。
日本国内でのPinterestの苦悩
ところが、日本国内では他のSNSに比べてサービスは伸び悩む。
ライバル視されたInstagramがビジュアル特化型のSNSとして爆発的な人気で、写真や動画のSNSといえばという絶対的な地位を確立したことが大きな要因だ。
それをきっかけに、Pinterestは話題に上がることが少なくなり、存在感は薄れていったかのように思えた。
ただ、実際はビジネスモデルを変えながら、地道に利用者を獲得していったという。
Pinterestの戦略
まず、現在のPinterestをSNSと捉えることは間違いだといっていい。
どちらかといえば、画像や動画に特化した検索サービスだと考えるべきだ。
例えば、自分の家が8畳の間取りだったとしよう。
「8畳 インテリア」といったワードで検索すれば、たくさんの写真や動画が出てくる。
その中にあるインテリアを参考にして、自分の家のインテリアとして購入すると行った具合だ。
Googleの画像検索とは違い、直感的に参考になる情報を探せるというのがポイントだ。
また、見つけた写真の中から欲しい商品だけにフォーカスして、類似商品を次々に探せるといった機能はPinterestならではといえる。
そんなサービスが、徐々に浸透し始めており、先述したが、2021年にはMAU(月間利用者数)が870万人を超えた。
そこでアクセルを踏んでいこうという意思が表れているのは、日本国内初のテレビCMを放映するというところにも見て取れる。
インスタ映えやTikTok売れといった、新たな消費のトレンドが生まれていく中で、Pinterest検索という新たな消費行動を生み出し始めている。
広告事業の本格化に乗り出すことで、検索サービスとして定着する可能性もある。
Pinterestの具体的な機能
Pinterestは生活に役立つアイディアを画像や動画で発見できる、ビジュアル探索ツールと位置づけていることは、改めて強調したい。
つまり、個人のつながりを中心としたSNSとは利用目的が異なるということだ。
特に人気のカテゴリは、フード、インテリア、ファッション、ビューティーだ。
昨今はDIYブームもあり自分で創作することへの興味や、忙しい人の時短のハウツー、ファッションやコスメのハウツーなどのアイディアを欲している人が増えた。
その答えが、Pinterestにあるということで、多くの人がリピーターとなり検索しに戻ってくるというフローだ。
機能面でいえば、機械学習(AI)とコンピュータビジョンに強みがある。
コンピュータビジョンを活用した機能が、Pinterestレンズで、好きな写真から類似した画像を探せる機能だ。
自分の欲しい商品や生活のヒントになる情報を探しながら、次々とアイディアを広げていくことができる。
具体的には、気になるファッション写真を読み込ませると、Pinterest上に投稿されている近しいファッション写真が表示される。
さらに、そのファッション写真でTシャツに焦点を合わせると、類似したデザインのTシャツを探せる。
画像から画像へ数珠つなぎで情報を得ることができる機能がユーザの評価が高いポイントだ。
また、ユーザ数を増やすだけではなく、Pinterestでの検索用途に合ったコンテンツを増やすことにも力を入れている。
ユーザが投稿したコンテンツもあれば、企業を中心とするビジネスユーザが投稿しているコンテンツもある。
それから、クリエータと関係性をつくり、Pinterestへのコンテンツの投稿を後押ししてきたという。
質の高いコンテンツが十分になければ、ユーザの満足度は得られないので、広告ビジネスを展開するボリュームも確保できない。
ということで、日本の利用者に関連性の高いコンテンツの拡充や、企業のビジネスアカウントのサポートなどに力を入れてきた。
まとめ
Pinterest(ピンタレスト)が日本展開を始めて8年という月日が流れた。
その8年の間にビジネスモデルをピボットして地道にファンを獲得してきたことが、まさに花開こうとしている。
男性ユーザは1.5倍に増え、Z世代の利用も急増しているとのことだ。
競合や出てきて一気に自分たちの商品やサービスが追いやられたときに、いかにしてサービスをピボットさせて新たな地位を確立していくのか。
なにかを生み出そうとしている人にはとても参考になる、Pinterestの今後に注目したい。
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