温柔敦厚(おんじゅうとんこう)
→ 人情深く優しく穏やかなこと。
私の10代や20代のころを考えると、人情は深く優しかったけれども、穏やかではなかったと思う。
何度か書いているが、広島で生まれ育ったけれども、広島の閉塞感に嫌気が差していたため、東京へ行くことにした。
ただ、なにもなく東京へ行っても仕方がないので、大学へ行くという選択をした。
正直、東京の大学ならどこでも良かったし、なによりも4年間という時間が使えることが魅力だった。
そんな大学へ入学したのも、もはや20年以上前のことになる。
そのころに比べると、随分穏やかになったと思うが、最近の大学事情が気になったので調べてみることにした。
2021年度の日本の大学数と内訳
(出典:旺文社 教育情報センター)
このデータによると、2021年度の日本の大学数は788校となっている。
資料によって 集計対象の違いで数値が異なるとのことで、例えば、2020年度の大学数は文部科学省の令和2年度 学校基本調査では、795校となっている。
なぜ、788校よりも微増となっているのかというと、学生募集を停止していても在籍者がいる大学、大学院のみの大学などが含まれているからである。
一方で、2020年度の入学者を募集した大学は781大学だという。
この数値には、当該年度の学生募集停止の大学は含まないが、文部科学省所管外の大学校で学士の学位が取れる防衛医科大学校などを、大学と同様の扱いとして含んでいる。
大学の多寡や増減を述べる場合は、学士課程の学生募集を実施している大学数を見るのが妥当ということで、冒頭に挙げた記事内では、考2021年度の日本の大学数を788大学と示している。
そして、788校の約75%を私立大学が占めており、その数は592校となっている。
また、国立大学は82校で10.4%、公立大学は93校で11.8%という内訳になっている。
学部および学科数においても、私立大学が全体の約75%を占めている。
大学数では10%前後を占める程度の国公立大学は、国立大学が学部数および学科数では15%を超え、公立大学は8%程度になっている。
国立大学には総合大学が多い一方で、公立大学は看護や医療系統を中心に単科大学が多いことが理由である。
日本の大学数の増減について
日本が少子超高齢化社会であることは、多くの人が知っている事実である。
そんな社会情勢を鑑みても、大学数が増えているとは考えにくい。
ところが、日本の大学数は増加が続いているという事実がある。
2016年度の大学数は759校だったが、翌年の2017年度には5校増えて764校になった。
それから、2018年度には4校増えて768校、2019年度には6校増えて774校、2020年度は7校増えて781校と増えているのである。
つまり、5年間で29校もの大学が新設されているのである。
その中でも、2019年度から開設された専門職大学が2校、2020年度7校、2021年度5校で、直近の3年間で計14校の大学が新たに生まれているのである。
また、2021年度の学生募集を停止した大学は1校、大学統合は1校となっている。
2022年度の新設に向けて、公立大学2校、私立大学2校、私立専門職大学2校が認可申請中という状況である。
なお、ここ数年は大学名変更も少なくないという事実も知っておくべきだろう。
加えて、新設学部、学科の詳細を俯瞰してみると、医療系の新設が多数見られる。
と同時に、データサイエンス等の情報系の新設、理工系の改組が目立つ。
日本の大学で学べる学問分野
日本の大学で学べる71の学問分野を、学べる学科数が多い順にまとめてみる。
全大学合計のため、私立大学での設置が多い学科が上位を占める結果となるが、機械工学、電気・電子工学の各分野は国立大学での設置が多いこともあり、上位に入ってきている。
学問分野別の学科数については、医療・保健学、看護学といった資格系の学科、グローバル化を反映して国際関係学・国際文化学や語学、社会学・ 観光学・メディア学などの分野が増えてきている。
注目は、経営学・経営情報学・商学・会計学、情報工学、数学・情報科学である。
社会のデジタル化が急速に進み、数理・データサイエンス・AI教育の必要性が問われる中、関連した学科の増加が顕著であることがわかる。
細分化すると、国公私立大学のそれぞれの特徴が見えてくる。
上位20分野のうち、国立大学では14分野が理・工・農学系、3分野が教員養成系となっている。
公立大学は7分野が理・工・農学系の一方で、トップは看護学で、医 療・保健学が4位、栄養学や食物学も入っている。
加えて福祉学や政治学・政策学もある。
私立大学は工学系が3分野にとどまる一方で、人文科学系・社会科学系のいわゆる文系分野が多数見られる。
また、小学校・幼稚園の教員養成課程や児童学・子ども学、体育・ 健康科学、芸術系などもあり多様化している。
さらに、国公私立大学ともに、経済系の2分野と情報工学が上位にあるのも特徴的だ。
エリア別の学問分野
各エリアに国公立大学がいくつあるか、私立大学がいくつあるかなどによって、学科数の規模などの構成傾向は異なってくる。
全エリアともトップは、経営学・経営情報学・商学・会計学となっている。
また、医療・保健学が上位となっているのも共通している。
違いがあるのは、北海道・東北エリアでは、文学が入っていない一方で、他のエリアには見られない農学、農芸化学が入っている。
それから、語学は 全エリアとも上位20にあるけれども、関東・甲信越、北陸・東海、関西に約80%が集中していることも読み取れる。
極端な例を挙げるとすると、原子力工学、経営工学・管理工学、船舶・海 洋工学・商船学は学べないエリアがあるということも知っておくといいだろう。
まとめ
くり返しになるが、大学数は減ることはあっても増えることはないと勝手に思い込んでいた。
けれども、実際は増えており、それも専門的な分野を学ぶ大学が増えているということがわかった。
いずれにせよ、私のようにただただ大学に行くという人も多いように思う。
目標があった方がいいが、そんなに簡単に見つかるものでもないかもしれない。
もっというと、目標は別に変わってもいいし、いろいろ経験を積むことの方が大切だ。
大学生たちとの交流もまた復活させたいと考えている。
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