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2021年10月22日 投稿:swing16o

Apple(アップル)がヘルスケア機能を強化する理由

大盤振舞(おおばんぶるまい)
→ 盛大な宴会を開いて御馳走したり、気前よく物を振舞ったりすること。

どれだけ盛大に振る舞ったとしても、大前提として必要なことがある。

それが、健康体でいるということである。

健康第一という言葉があるとおり、なにをやるにも健康体でいなければ意味がないということは理解できるだろう。

そんな健康の分野、つまりヘルスケアに力を入れている企業がある。

そう、誰もが知っているApple(アップル)である。

ヘルスケア機能の重要性

アップル幹部に聞く iPhoneの「ヘルスケア機能」を強化する理由

(出典:Forbes)

この記事を読めば一目瞭然なのだが、なぜAppleがヘルスケアに力を入れているのかがよくわかる。

2014年にAppleは、iOS 8の標準アプリとして初めてヘルスケアをリリースし、以後iOSが更新されるたびに新機能を増やしてきた。

それを実感させるのが、身につけている人も増えたと実感するApple Watchだろう。

そして、開発者向けAPIのHealthKitと連携するサードパーティのデバイスやアプリを巻き込むようになった。

ヘルスケアの分野でも大きなエコシステムに発展している実態がある。

今やiPhoneのユーザはヘルスケアアプリを開いて、様々な数値やグラフを見ながら自身の健康状態をチェックできる。

ヘルスケアと一口に言っても健康の維持と増進、病の兆候を知ることなどユーザの期待は多岐に渡る。

多くの人々は自身の健康を知ることに対しては受け身の姿勢であることが多い。

つまり、身体が不調を訴えたり、病気になったりしたときに健康というものに向き合うということだ。

そんな健康への意識を植え付けるためにも、Appleは継続した健康意識とその変化をしっかり追いかけることの重要性を示唆している。

そのジャンルは予防医学や兆候を知ることで未然に防ぐというヘルスケアに対する意識をさせるということだ。

今後はユーザが自身の連続した健康状態を把握して、先回りしながらケアできるデバイス、あるいは機能が求められると考えている。

歩行安定性という新機能

iPhoneも13シリーズが展開される時代が到来している。

搭載されているOSも15ということで、iOS15には3つの新しいヘルスケアに関する機能が発表された。

まず注目したいのが、歩行安定性である。

歩行安定性のデータは、本来は大がかりな装置を使って記録したり、介護提供者によって質問表や対面調査を通じて評価される。

それをユーザが腰近くのポケットやカバンに入れて持ち歩くiPhoneのモーションセンサーを使って自動的に取得させるようにしたのである。

バランス、安定性、筋肉の協調を計測しながら導き出される歩行安定性になぜAppleは着目したのか。

その理由を米アップルのCOO(最高執行責任者)であるジェフ・ウィリアムズ氏は次のように語っている。

転倒による深刻な怪我のリスクを未然に防ぐために重要なだけでなく、徐々に進行する筋力の衰え、その他の健康を脅かす深刻なリスクの予兆を知るために欠かせないと。

要するに、バランスを崩すことなく歩行ができれば転倒もしないであろうという考え方から、Appleは歩行安定性の機能を開発したという経緯だ。

正確なデータに基づく開発のため、2年半以上をかけて10万人を超える歩行データのサンプルを集めて総合的な検証を行ってきたと発表している。

そんな歩行安定性のデータは、サードパーティのデベロッパがHealthKitのフレームワークに即してその指標を参照しながら、様々なサービスを開発できる仕組みも整いつつある。

トレンドという新機能

新たにトレンドという機能も加わった。

ユーザが自身の健康状態に関わる変化を中長期的な目線から正しく把握することが、トレンド機能の目的だという。

日本語に訳すと傾向ということで、iOS15からは安静時心拍数から睡眠、心肺機能を含む20種類の自らのトレンドをヘルスケアアプリから俯瞰できるという。

Apple社が設計したアルゴリズムは、1ヶ月と6ヶ月の時間枠で特定のデータタイプを見ることで、短期的および長期的なトレンドが把握できるように作られているそうだ。

安静時心拍数に睡眠、心肺機能など健康状態に関わるデータにトレンドが現れた場合、iPhoneなどのデバイスに通知を送るオプションもあるとのこと。

かかりつけ医師や介護士に相談するきっかけとしてヘルスケアのデータが役立つはずだと期待されている。

データ共有という新機能

データを簡単に共有できるという新機能もiOS15から加わった。

相手が同じiOS15を搭載するiPhoneのユーザであれば、家族やかかりつけ医師、理学療法士などに自分の健康状態を常時知らせることも可能。

ユーザの健康状態が更新されると共有相手に通知が届くという仕組みだ。

ヘルスケア共有を活用すれば、遠方に住む大切な家族の健康状態を見守ることができる。

家族とデータを共有しながら、互いの健康に関わる様々な会話を交わす機会が増えることも大事な新機能の役割だと、ウィリアムズ氏は語る。

まとめ

テクノロジーの進歩が反映されている、つまりヘルスケアテックの分野についてApple社に特化した情報をまとめてみた。

今回紹介した新機能を提供するにあたり、Appleのヘルスケアの基本理念に則りユーザーのプライバシーを保護することを徹底重視していることにも触れておきたい。

データを取得するということは、その一方でプライバシーの問題が必ず出てくる。

GAFAMと呼ばれるアメリカの巨大IT企業の中で最もプライバシーを遵守しているのがApple社だろう。

今回の発表でも、全てのデータはユーザーの管理下にあり、どのデータを誰と共有するのかユーザが細かく決めることができるとしている。

また、データはAppleもその情報にアクセスできないほどセキュアに暗号化された状態で、大切な家族などに共有される。

ヘルスケア共有が安心安全に使えるものであることをくり返し強調していることにも注目したい。

ヘルスケアテックの分野は、まだまだ伸びしろがあるとApple社も判断しているということだ。

 

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植田 振一郎 Twitter

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