絶好調のスノーピークを支えている強さについて

2021-08-31 投稿: 植田 振一郎

詠雪之才(えいせつのさい)
→ 文学的才能のある女性、またそのような女性を褒める時に使う言葉。

ジェンダーレスが浸透し始めている現代社会。

四字熟語やことわざには男女を区別した表現のものがたまにある。

まあ、生物学的に男女を分けないといけない場面があったのだろうが、時代の流れによって淘汰されていくものがあってもいいだろう。

そんな中、あえて女性というところにスポットを当てたときに、敏腕社長がいる。

キャンプやアウトドアが好きな人なら、いやそうでなくても知っている人が多い企業だ。

キャンプ用品を中心に快走するスノーピーク

スノーピークという企業をご存知だろうか。

今、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している企業だが、そんなスノーピークのタクトを振っているのは、山井梨沙氏だ。

快走スノーピーク、33歳新社長の知られざる手腕

(出典:東洋経済オンライン)

まずは、8月12日に発表されたスコアを見てみよう。

2021年12月期の中間決算は売上高が前年同期比77.6%増の116億円、本業の儲けを示す営業利益は6.1倍の16億円ということだ。

その勢いは衰えることなく、4期連続の最高益に向けて突き進んでいる。

その原因は3密回避のために家族や友人とのキャンプ需要が増えていることにあるとされている。

また、1人でキャンプするソロキャンプ(ソロキャン)という言葉もすっかり浸透した。

ただ、そんな世の中のブームに乗っただけで事業が上手くいくほど甘くはない。

その仕掛けは3年前から粛々と行われていた。

 

とその前に、スノーピークという会社の歴史を見てみよう。

スノピークの創業は1958年ということで、60年以上の歴史があることは少々意外だった。

デザインやブランディングの上手な比較的新しい企業だと思い込んでいた。

創業者は山井幸雄氏で創業当初は金物問屋だったそうだ。

山井幸雄氏の趣味の登山用品を開発している中、息子で現会長である、山井太氏が社内ベンチャーという形でスノピークの原型が生まれる。

1988年にオートキャンプ用品の製造に本格的に乗り出したのだ。

オートキャンプとは、キャンピングカーや自動車にキャンプ道具を積み込み、車内泊やテント泊をしながら旅を楽しむアクディビティのことである。

当時はキャンプに対してあまりいいイメージはなかったそうで、今の時代からは想像が難しい。

そして、まずはテントを製造するのだが、こだわりにこだわって作ったテントは16万円。

一般的なテントが2万円程度だったときに約8倍の価格にも関わらず、初回から2,000件を超えるオーダーがあったという。

そこから、スノーピークのブランディングができあがっていく。

機能性を重視した高価格路線が定着していくのである。

スノーピークを支えているもの

そして、2021年にヒットしている商品はリビングと寝室で2部屋に分かれ、4人ほどが寝られるツールームと呼ばれるテント。

今までのスノーピーク製のテントであれば、15万円程度が相場のところ、2018年に初心者向けということで税込で9万円弱という破格の値段だ。

ほどほどにスペックが高く、軽量で設営ステップが簡単ということが支持されている。

とはいえ、冒頭に書いたが、キャンプニーズが高まる中、そこに乗っかった形でスノーピーク社の業績が上がったという単純な話ではない。

 

アウトドア用品は実店舗での販売が中心だ。

その理由は至って単純で、現物を見てから買いたいという消費者心理からである。

ところが、新型コロナウイルスの感染拡大で店舗の9割を閉鎖せざるを得ない状況に陥った。

さらに、会員向けに開催していたキャンプイベントも中止。

こうして、顧客との接点が絶たれていく中で、オンラインエンゲージメントを上げていくことに舵を切った。

具体的な施策は下記のとおりだ。

  • SNSで商品説明やテント設営のコツを紹介した動画を配信
  • 1週間に10本ペースでコンテンツを量産
  • ECサイトにもチャットサービスを導入して顧客との接点を増やす

驚くべきは、2020年4月の緊急事態宣言が発令されてから、わずか2週間でこの体制を作り上げたのである。

そして、6月頃からECでもオーダーが増え始めて、2020年のEC売上は前年比3倍という成果を出した。

この陣頭指揮をとったのが、現社長である山井梨沙氏である。

30歳で東証一部上場企業の社長に就任したことが話題になったが、そこから彼女は改革を進めていた。

スノーピークの強さとは?

新型コロナウイルスの感染拡大で多くの企業が打撃を受けている中、スピーディに組織を動かすことができたのはなぜか。

それは、組織改革を行ってきた成果という一言に尽きる。

1990年代からトップダウンの組織体制だったことに危機感を覚えた山井梨沙氏は、ボトムアップの組織づくりを始めた。

人事制度を見直し、上からではなく社員から意見やアイディアが出るように体制を変えていった。

くり返しになるが、山井梨沙氏が社長就任したのは30歳というとき。

当初、世襲人事ということで、かなり批判的に捉えられたという。

そんな彼女だからこそ、今の組織を作れた部分は大きいのかもしれない。

スノーピークの今後の展開

キャンプ用品以外にも、アパレルや飲食にも展開を始めているスノーピーク社。

それから注目されているのは、企業向けのアウトドアオフィスの提案だ。

47都道府県でキャンプ場を運営する構想も打ち出していて、5月の公募には約400件の自治体や事業者からの応募があったとのこと。

活躍の場は日本に留まらず、キャンプの本場であるアメリカをはじめ韓国、台湾、英国などにも出店している。

中国ではアフターコロナの国策としてキャンプ場を5,000ヶ所つくる計画もあるという。

また、2022年春には、15万坪に拡大した新潟本社の敷地内にレストランを併設した大規模な温浴施設を開業するとのことで楽しみしかない。

まとめ

スノーピーク社を見れば、経営において男女を分ける意味などないことはわかる。

生物学的に分けざるを得ない場面はあるかもしれないが、スノーピーク社の今後に期待するばかりだ。

なぜなら、スノーピーク社を見ているとキャンプをしたくなる気持ちにさせてくれるからだ。

興味のなかった人を惹きつけることができるのは、本当にスゴいことで人を楽しませたり幸福感を生み出すしている、ある意味でのクリエイティブ集団なのである。

 

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