雲烟万里(うんえんばんり)
→ 雲と霞が万里も続いている意から、遠く離れていることのたとえ。
遠いという価値観は人によって異なるだろう。
遠距離恋愛という言葉があるが、物理的に隣にいたとしても必ずしも2人の距離感が近いとは限らない。
まあ、この喩えは多少強引かもしれないが、物理的な距離について考えてみようと思う。
4時間の壁
日本国内を移動するときに新幹線か飛行機のどちらを使うかという選択を迫られる。
これは新幹線と飛行機を比較した場合、移動そのものの所要時間は飛行機の方が圧倒的に短い。
けれども、空港までの移動や乗り換え、手荷物検査に時間がかかったりという新幹線にはない時間が発生する。
まあ、そもそも新幹線のようになにもチェックせず乗り込めるのもセキュリティの関係で大丈夫なのかという疑問はあるが、慣習上このまま進んでいくのだろう。
いずれにせよ、この交通事情を踏まえたときに、4時間というのが1つの基準になるとされている。
つまり、陸路で4時間を切る場合の移動は新幹線や鉄道が優位に立ち、4時間を超える場合には飛行機が優位になるという理論である。
これを、4時間の壁と呼ぶ。
新幹線と飛行機の選択境界線
stak社の拠点が広島にあることは何度も述べているが、それが故によく聞かれる質問がある。
東京出張のときには、新幹線と飛行機のどちらを使うのかというものだ。
もう1つ載せた質問がくることもある。
東京から岡山までであれば新幹線を使う人が圧倒的に多いと聞くけれど、広島になると半々になるというものだ。
先述した4時間の壁になぞらえて、JR東海の発表によると、新幹線の所要時間が約2時間30分の東京圏・大阪圏では、新幹線と飛行機の比率は85:15で新幹線が圧倒している。
また、新幹線の所要時間が約3時間10分の東京圏・岡山では70:30、約3時間50分の東京圏・広島は68:32ということだ。
4時間を切る場合には新幹線が優位だということを結論づけている。
その理由として、飛行機の場合、羽田空港と岡山空港の飛行時間は約1時間15分だが、岡山桃太郎空港と岡山駅の移動は約30分間かることが原因だとしている。
また、羽田空港と広島空港の飛行時間は約1時間20分だが、広島空港から広島駅までは約40〜50分かかることもその根拠だという。
要するに、空港までのアクセスを含めたときのトータルの所要時間を考慮したときに新幹線が優位になるというのである。
新幹線優位に対する疑問
こう書いていくと、なるほど東京圏から広島に行くときには新幹線がいいのかと思う人が多いと思う。
ただ、私はまず新幹線を使わない。
それは、新幹線内の4時間という時間ほど苦痛なものがないからである。
飛行機を使う理由については他にも多々あるので後ほど述べるが、4時間の壁というのはJRが生み出したPRだという側面が大きいと感じている。
いわゆる刷り込みによって、人々の行動は大きく影響される。
例えば、JR西日本のデータによると、2008年には東京圏と広島を結ぶ新幹線と飛行機の比率は50:50だったというデータもある。
この10年と少しで新幹線人気がここまで高まったという決定的な理由がないというか、どれも弱いように感じる。
なによりも、4時間の壁の根拠となっているであろう、同一車内にいることが苦痛だと感じるのが4時間というのが疑わしい。
少なくとも私は3時間と聞くだけでも嫌になるし、極力避ける。
飛行機の利便性が理にかなっているわけ
ということで、別に飛行機を推している理由を書いていこう。
くり返しになるが、4時間という長時間、1つの席にずっと座っているということが苦痛すぎる。
トータルの移動時間は変わらなかったとしても、その間に変化がつけられることが最大の理由だ。
新幹線内では思った以上に揺れるし、なによりも匂いがキツいので仕事をするにも向いていない。
これは多少の個人差があるかもしれないが、私にとってはかなりのディスアドバンテージだ。
一方で、ANAグループの飛行機は、約3分で機内の空気がすべて入れ替わるので、特にこの時期は飛行機の方がいいことは理解できるだろう。
そして、田舎者特有のあるあるなのだが、飛行機は新幹線に比べると高いと思い込んでいる人が多い。
ステータスに依存するという暴論を述べる人もいるが、飛行機は1ヶ月以上前に取れば新幹線よりも圧倒的に安く予約できる。
また、今の時期は人が減っているので様々な優遇もある。
家族や小さい子どもがいる場合には、飛行機よりも新幹線の方がいいという人がいるのだが、それについても甚だ疑問である。
赤ちゃんが泣き出したりすると飛行機は周りに迷惑がかかるというが、それは新幹線でも同じことだろう。
移動時間が極力少なければ周りに迷惑をかける時間も減るし、そもそも飛行に乗った瞬間から降りるときまで泣いている子など見たことがない。
子どもたちにとっても、ずっと1ヶ所に留まっているよりも、変化がある方が実際にかかった時間よりも短く感じるだろう。
まとめ
日本国内で公共機関を使って移動する場合は、飛行機を推奨している。
新幹線は災害などで止まったときに身動きができなくなるリスクもあるし、なによりも変化がない。
価格だって新幹線よりもずっと安く買えるし、新幹線の便数が激減しているのですぐに乗れるメリットも減った。
機内の空気の入れ替えがあることも地味に嬉しい。
参考までに広島から東京都心までの移動時間をまとめてみよう。
- 広島駅〜広島空港:リムジンバス 45〜50分
- 広島空港〜羽田空港:飛行時間 1時間20分(空港到着30分前)
- 羽田空港〜東京都内:20分
- その他:30分
合計で190分ということは3時間と少しなので、まあ新幹線よりも時間的にも余裕はあるということがわかる。
ということで、新幹線ばかり移動で使っているという人は、飛行機も使ってみて欲しい。
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