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2021年7月28日 投稿:swing16o

Amazonの国内売上2兆円突破に揺れる小売業界

鬱鬱怱怱(うつうつそうそう)
→ 樹木がこんもりと茂るさま。また、気の盛んなさま。

ローマは一日にして成らずというという言葉がある。

これはかつて、すべての道はローマに通ずといわれたほどに繁栄を極めたローマ帝国に由来する。

ローマ帝国ができるまでは、約700百年もの歳月を費やしており、長い苦難の歴史があった。

つまり、決して短期間で簡単にできあがるものではないという戒めに近い。

現代では、大事業は長年の継続した努力なしに成し遂げることはできないという例えで用いられることも多い。

新型コロナウイルスの感染拡大が小売業界に変化をもたらしている。

Amazonの国内売上2兆円突破

日本経済新聞社がまとめた2020年の小売業調査の発表によると、ネット通販最大手のアマゾンジャパンの売上高が2兆円を突破したとのことだ。

Amazon、国内売上高2兆円超 イオンやセブンは減収

アマゾンジャパンのスコアは、2019年に比べて25.2%増の2兆1,848億円で初の2兆円を突破というまさに絶好調である。

大手小売り各社が減収、対象企業全体の売上高が19年度と比べて0.9%減と9年ぶりに減収している中、アマゾンの地位が盤石になりつつある。

調査対象になったのは、小売りの主要1,423社を対象に2020年4~6月に実施し、前年度と比較可能な488社である。

小売業界の総売上高は68兆533億円で2011年度以来、9年ぶりの減収という発表だ。

 

小売業界の売上高で見ると下記のとおりになっている。

  1. イオン:8兆6,039億円
  2. セブン&アイホールディングス:5兆7,667億円
  3. アマゾンジャパン:2兆1,848億円
  4. ファーストリテイリング:2兆88億円
  5. ヤマダホールディングス:1兆7,525億円

アマゾンジャパンは日本国内の小売業界の売上高で第3位に躍り出た。

ユニクロを展開しているファーストリテイリングやイオン子会社のイオンリテール(1兆9,672億円)の売上を初めて上回ったというスコアである。

2012年の調査開始以来、アマゾンジャパンの売上高が1兆円を突破したのは2016年度調査のときで、4年で倍増した。

その要因は、スーパー大手のライフコーポレーションとの協業により、生鮮品の宅配地域を拡大するといったサービスの拡充もあるが、新型コロナによる巣ごもりニーズが大きい。

新型コロナの影響で変化する小売業

新型コロナの影響で人々が外出を控えるようになった。

その反響で小売業界には通信販売部門が業績を伸ばすようになった。

大手家電量販店のヨドバシカメラの通信販売は前年同期比60.3%増、テレビ通販大手のジャパネットホールディングスも15.8%増という結果だった。

全体では13.2%減収となったセブン&アイホールディングスも通信販売にだけを切り取ると、9.9%増となっている。

 

一方で、店舗スタイルの小売業は休業や時短営業などが相次いだことが悪い方向に大きく響いた。

業態別でみると百貨店が前年同期比26.6%減と最も落ち込みが大きかった。

コンビニエンスストアもオフィス街や観光地での利用人口が減り7.1%減と苦戦。

そんな中で業績を伸ばしたのが、巣ごもり消費で食品のまとめ買いをする消費者が集まったスーパー業界は4%増となった。

経済産業省の商業動態統計によると、2020年の国内小売業の販売総額は146兆4,570億円。

これは、2019年と比べると3.2%減と4年ぶりに減少と、同統計でも同様に百貨店やコンビニの落ち込みが目立っている。

反面、通信販売などの店舗を持たずネットを活用した小売りが3.5%増と2017年に集計開始以降以降で最大の伸びを示した。

個人的には、一度この流れができるとますます加速していくと思われる。

そして、この流れを歓迎している。

通信販売が浸透していく理由

通信販売の定義を特定商品取引法ガイドから抜粋すると、事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引となっている。

より具体的な例として、新聞や雑誌、テレビ、インターネット上のホームページ(インターネット・オークションサイトを含む)などによる広告が挙げられている。

また、ダイレクトメール、チラシ等を見た消費者が、郵便や電話、ファクシミリ、インターネット等で購入の申込みを行う取引方法となっている。

ただし、電話勧誘販売」に該当する場合は除かれる点は留意しておきたい。

 

いろいろと定義の中で書かれているが、実生活において活用されているのは、テレビとインターネットだろう。

テレビは高齢者より、インターネットは若者よりといったところだろうか。

テレビCMでは、サプリメントなどの通信販売が驚くほどに増えたように思う。

また、高齢者のインターネットの利用が増えている感覚もある。

これは、子や孫世代に引っ張られるという傾向があり、なによりも一度使えば便利だということがわかるからだ。

 

未だにスーパーなどで大型で重量のある飲料などを購入している高齢者を見かけることがある。

それこそ、Amazonで購入すれば玄関まで持ってきてくれるし、定期便という設定をしておけば自分の欲しいタイミングで届けてくれる上に割引までついてくる。

スーパーなどで買った方が安いという声を聞くことがあるが、そこに行くまでの時間や交通費などを考えたときに、果たして本当にそうなのかという疑問もある。

とはいえ、そんなロジックを考えるようなことをしない層も自然とネット通販を使うようになったことが大きい。

なぜ、ネット通販に人が流れているのかを今一度考えて欲しい。

圧倒的に便利だからである。

それから、Amazonの台頭はユーザ目線に徹底して立ってきたことで圧倒的なリピーターを獲得してきたことにある。

もはや完全に1つのインフラになったといえるだろう。

 

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植田 振一郎 Twitter

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