右往左往(うおうさおう)
→ うろたえて右に行ったり左に行ったりすること。
個人的には、うろたえることがあっても、それは悪くないことだと思っている。
少なからず、なにか行動を起こした結果であって、うろたえて右や左にブレても問題ない。
問題なのは、その後にどう方向を定めるか。
それから、うろたえている姿を見せるか見せないかの状況の違いもあるだろう。
行動を起こせば、そこには迷いが生まれるし、それをうろたえと取るかは紙一重だ。
ということで、考え抜いた後に好転させることについて書いてみよう。
高級車市場について
街を歩けば、いわゆる高級車を見かけることがある。
そして、詳しくは知らなくても、高級車であることは誰にでも理解できるだろう。
その価格は2,000〜3,000万円という、不動産を買うのと変わらないくらいのインパクトである。
そんな高級車市場は、本当に機能しているのか不思議に思ったことはないだろうか。
当然、高級車ディーラーが街中にある以上、成立しているのだから答えはYesだ。
スーパーカーとして知られる、FERRARI(フェラーリ)、Lamborghini(ランボルギーニ)、MACLAREN(マクラーレン)といったメーカーの車種は軒並み、2,000〜3,000万円という価格帯だ。
他にも、ASTON MARTIN(アストンマーチン)やBentley(ベントレー)といった高級車を見かけたこともあるだろう。
最高峰の一角である、ロールス・ロイスに限っては、3,000万円からのスタートで6,000万円を超えるモデルもザラにある。
果たして、こういった高級車たちは、どの程度売れているのだろうか。
2020年の各社の新規登録台数は、下記のとおりだ。
- ロールス・ロイス:226台
- ベントレー:463台
- アストンマーチン:196台
- フェラーリ:1,085台
- ランボルギーニ:631台
5社の合計台数は2,601台ということで、1ヶ月に200代以上が売れている計算になる。
この台数をどう捉えるべきか、もう1つの指標を書いておこう。
シボレー、キャデラック、ロータスといった上記のメーカーよりも少し価格帯が下がり、高くても1,000万円台のディーラーたちのスコアが下記だ。
- シボレー:444台
- キャデラック:479台
- ロータス:275台
ベントレーの価格は2倍以上なのにシボレーやキャデラックと、ほぼほぼ同規模の販売台数があることに注目したい。
売上ベースで考えると、王者ともいえるロールス・ロイスに限っては、数百万から数千万円のオプションをつけるのが当たり前の世界だ。
オリジナルにこだわりたいオーナーたちが多く、価格が1億円を超えても全く不思議のない世界だ。
日本でもしっかりと高級車市場は成り立っており、世界レベルで見るともっともっと盛り上がっているという現状だ。
王者ロールス・ロイスを追随するマイバッハ
2021年7月1日にメルセデス・ベンツより2台の新型モデルが販売された。
- メルセデス・マイバッハSクラス
- メルセデス・マイバッハGLS600 4MATIC
この2台の発表で注目してほしいのが、メルセデス・ベンツではなく、メルセデス・マイバッハの発表ということだ。
メルセデス・ベンツの秀逸なテクノロジーをベースにマイバッハというブランドを載せて付加価値をつけた別ブランドとしての展開ということである。
では、マイバッハという名を聞いたことがある人がどのくらいいるだろうか。
マイバッハとは、メルセデス・ベンツの創設期に多大な貢献を果たし、後に自動車メーカーとして独立する技術者の名前である。
メルセデス・ベンツから離脱したヴィルヘルム・マイバッハと、その息子となるカール・マイバッハは、ちょうど100年前の1921年に第1号車を発表している。
当時の最先端の優れた技術と豪華な室内、斬新な設計とデザインを備えたマイバッハは走る芸術品として賞賛された。
その後もマイバッハは第2次世界大戦前の欧州で超高級車ブランドとして認められていた。
ところが、第2次大戦後は活動を徐々に縮小、1961年からは現在のメルセデス・ベンツの傘下となっている。
つまり、知る人ぞ知る歴史のある超高級車ブランドが、マイバッハなのだ。
そんなマイバッハをまさに復活させようという強い意思が今回の2台の発表にある。
最新のメルセデス・ベンツのSクラスとGLSを、マイバッハにふさわしい究極の洗練されたラグジュアリーを目指す車両として改良。
価格も紹介しておこう。
- メルセデス・マイバッハSクラス:2,648万円 / 3,201万円
- メルセデス・マイバッハGLS600 4MATIC:2,729万円
ベースとしたメルセデス・ベンツSクラスやGLSのエントリーグレードと比べると、2倍以上の価格というメルセデスの中で最上位モデルとなった。
過去の苦い経験を持つマイバッハ
実は、今回のメルセデス・マイバッハは2代目となる。
初代のメルセデス・マイバッハSクラスが日本に導入されたのは2015年2月、価格は2,200万円からだった。
さらにいうと、そんな初代メルセデス・マイバッハの前にも、マイバッハの名前を持つモデルが販売されていた事実もある。
2002年9月発売のマイバッハ57とマイバッハ62で、価格はおよそ4,000万~5,000万円というラインナップだった。
ロールス・ロイスを完全に意識していたマイバッハは、上手くいかなかったという経験を持つ。
日本での販売実績は、2002〜2011年までの10年間で164台という結果だ。
一方のロールス・ロイスの同時期の販売台数は453台という惨敗だった。
そんな状況下で、ブランド誕生から10年となる直前の2011年にブランドを廃止するアナウンスがされた。
ライバルのいなくなったロールス・ロイスは、その後も勢いが止まらず、超高級車の地位を独占して王者となった。
そんな中、今回の発表でマイバッハが狙うところは、メルセデス・ベンツのSクラスが1,000〜2,000万円の上、2,000〜3,000万円の価格帯である。
ロールス・ロイスが3,000〜6,000万円の価格帯であるところとは棲み分けを狙った戦略だ。
その洗練されたスタイリッシュなボディと内装は、車にあまり興味のない私でも見とれてしまった。
あえてここでは紹介しないので、ググって見て欲しい。
新型のマイバッハを見る機会が増えるのか、楽しみである。
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