印象批評(いんしょうひひょう)
→ 芸術作品に対して、客観的基準によらず、作品の自分に与える印象に基づいて主観的に行う批評。
主観を入れることと意見を主張することを混同してはいけない。
その典型例は、アメリカの調査会社CEBが行った1つの報告がある。
お客様がファンに変わる一番の瞬間は?
もし、あなたが商品を作っている立場だとして、ファンを増やそうと思ったときにどんなことを考えるだろうか?
- 商品の品質
- 価格
- アフターサービス
この質問に対して、多くの回答者は商品の品質と答えた。
実はこの調査で明らかになったのは、上記の回答のどれでもなかった。
この話を聞いたとき、こういう後出しジャンケン的な質問と回答は個人的には好きではないが、大切なのは質問に対する回答だと割り切ったことは先に書いておく。
ということで、その回答は、営業体験だった。
つまり、お客様をファンにさせるには、営業体験が最も重要だという調査結果だったということだ。
言い換えれば、売り方がその会社のファンになるかどうかを左右するというわけだ。
商品の品質よりも売り方が2.8倍も売り方が重要だというエビデンスだったそうだ。
何度も書いてきている気がするが、商品の品質を主張することは当然ということだ。
良いモノを作っていることは大前提で、その先の売り方が大切ということを見落としがちなのだ。
売り方といっても、営業マンがむやみやたらに電話をかけてきて、どうですかと聞いてきたらどうだろう。
あるいは、今なら特別に割引しますとといったことを囁いてきたとしよう。
どちらも、買おうという気にならないはずだ。
一方で、営業マンが親身になって話を聞いてくれたとしたらどうだろう。
小さな情報でも、その人の役に立つ情報を提供し続けてくれる営業マンだとしたらどうだろう。
すぐにはその営業マンの商品を買うことはなくても、いずれ買ってくれるはず。
なぜなら、そこに生まれているのは信用だからである。
盲目のホームレスを救ったとある女性の言葉とは?
1人の老人が段ボールを持って道端に座っていた。
その段ボールには、こう書かれていた。
私は盲目です。
お金を恵んでください。
そう、彼は盲目のホームレスで、耳からの情報を頼りに少しでも人がいる場所で助けを求めていた。
ところが、忙しい人々は彼に見向きもせず、たまに増えすぎて邪魔になった小銭を減らすために無造作に投げつける人がいるような状況だった。
その小銭を少しでも多く集めるために、彼の手はひどく汚れていた。
たまに彼がお金の入れ物にしていた空き缶を揺らすと、カランと数枚のコインの音が鳴るだけだ。
そんな彼の姿を見た1人の女声が現れた。
彼女は、そのホームレスの目の前に立つと、横においてある段ボールを手に取った。
目が見えない彼は、彼女がなにをしているのかわからない。
必死に耳に神経を集中させて、彼女の行動を読み取ろうとすると、どうやら彼女は段ボールに文字を書いているようだ。
それから数十秒後、彼女はサッとその場を去っていった。
ホームレスの老人は気が気ではなかった。
なにかイタズラをされていたのでは死活問題だ。
でも、そんな彼の心配はすぐに吹き飛んだ。
彼女が去った瞬間から、次々にコインが集まってくることがわかったのである。
今まで見向きもされなかった彼のもとにあっという間に大量のコインが集まった。
その後、また彼女が戻ってきたのがわかった。
さっきと同じ歩き方、匂い、雰囲気を感じたのである。
ホームレスの老人は、一体なにをしてくれたのか訪ねた。
すると彼女はこう答えた。
同じ意味の言葉を違う言葉を使って書いただけですよ。
彼女が書いた言葉は、一体どんな言葉だったのだろうか。
実はこの話はアメリカで話題になったショートムービーの一部だ。
この動画のタイトルは言葉の力。
言葉を変えるだけで人々の行動はガラリと変わる。
彼女が書いた言葉は下記のとおりだ。
It’s a beautiful day and I can’t see it.
今日はとても素晴らしい日だけれども、私はそれを見ることができません。
言葉の使い方で変わる伝え方
2つの事例を挙げてみたが、まさに主観と客観をわけるところだ。
自分の主張を通したいのであれば、俯瞰で見る力を身につければいけないという自分への戒めとしても書いておく。
一歩引くというか、大局を見るという考え方だ。
目先の利益にとらわれてしまうと、どうしても主観が強くなってしまう傾向がある。
気持ちはわかるのだが、giveの精神だ。
間違ってはいけないのが、give and takeではない。
give and giveだ。
その後にいくらandがきたとしても、常にgiveがこなければならない。
そのマインドこそが、言葉としての強みを持ち、最も大切な信用が生まれる。
信用の積み立てこそが価値に繋がる。
言葉の使い方で変わる伝え方があることを意識しようではないか。
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