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2021年7月3日 投稿:swing16o

アニメの聖地巡礼による経済効果

因果応報(いんがおうほう)
→ 善因からは善果が、悪因からは悪い結果がそれぞれに応じ現われる。

いいことをすればいい結果に繋がり、悪いことをすれば悪い結果に繋がる。

何事にも原因があって結果があり、その原因によって結果も左右されるということである。

逆にいうと、いい結果を導こうとすれば、いいことをしなければならないということだ。

ただ、いいことというのは結果論であることも多い。

だから、いろいろと試すしかない。

巡り巡って、いい結果を生むこともまた因果応報だろう。

日本文化のポテンシャル

日本は失われた30年といわれており、その年数をまだまだ重ねていくのではないだろうか。

1991年3月のバブル崩壊から経済成長や景気拡大が起こらず、30年以上の月日が経った状態ということだ。

近年の日本の国際競争力の低下は常にどこかで叫ばれていると同時に生産能力も低下する一方である。

加えて、少子高齢化が顕著になり超高齢化社会になっている。

新しい価値観をなかなか受け入れない国民性、新しい挑戦をしない企業もが蔓延し、失われた30年となっている。

そんな中でも確実に世界に通用するジャンルがある。

侮ってはいけない、日本文化のポテンシャルの部分で最たるものが、アニメだ。

マンガが原型になっているものも多いアニメだが、アニメとマンガの概念の違いも書いておこう。

マンガは絵と文字で表現された物語だ。

アニメとはアニメーションの略称で、動きや形が少しずつ違う絵や人形を1コマずつ撮影して連続して動いているように見せる作品だ。

このアニメは経済にとっても大きな影響を与えることができる。

地方に拡がるアニメの聖地巡礼スポット

聖地巡礼という言葉を聞いたことがある人も多いだろう。

いわゆる、アニメに登場する舞台を訪ねる観光スタイルを指すのだが、この聖地巡礼の経済効果を侮ってはいけない。

その聖地巡礼のスポットは、7年間で倍増し、2021年4月時点で全国に5,315ヶ所ある。

2014年4月時点では、2,478ヶ所だったことを考えるといかに増えているかがわかる。

エリア別に見ると、制作会社の多い関東圏が大半を占めるが、東北エリアが6.0倍、東海エリアが3.8倍となっている。

これは明らかに、インバウンドを狙った戦略であることもわかる。

近年はコロナの影響で外国人観光客の取り込みができていないが、入国が許させるようになると間違いなく伸びる観光業になるだろう。

それだけ、期待値も高く実際に人を呼べるのである。

 

ちなみに全国のアニメの聖地登録ランキングのTOP5は下記のとおりだ。

  1. 東京都:1,810ヶ所
  2. 神奈川県:400ヶ所
  3. 京都府:268ヶ所
  4. 埼玉県:200ヶ所
  5. 静岡県:181ヶ所

stak社の拠点のある広島は14位の84ヶ所とまた中途半端な位置づけだ。

どこかで飛び抜けた施策を徹底して継続してもらいたいものである。

アニメの聖地巡礼による経済効果

果たして、アニメの聖地巡礼による経済効果は、どのくらいのものなのだろうか。

全国で5位にランクインしている静岡県にスポットを当ててみよう。

静岡県は東海4県の中の4割のアニメの聖地巡礼スポットを誇るエリアとなっている。

代表的なアニメが、沼津市を舞台に2016年夏に初放映された「ラブライブ!サンシャイン!!」だ。

沼津市内を巡るスタンプ企画を実施したり、クラウドファンディングを上手く活用した図柄入りマンホールの設置など多彩な事業を展開した。

その結果、聖地が多い地域の観光案内所の17年度の利用者は約8万4,000人となっている。

これは、ラブライブ!サンシャイン!!放映前の2015年度の約9倍という驚異の数字を叩き出している。

新型コロナウイルスの影響で全国的に観光客が減った2020年度も、約3万4,000人を維持するという根強いファンがいる。

 

他にも、こんなデータもある。

まずは、大ヒットした「君の名は。」の舞台となった岐阜県飛騨市。

2016年に公開されたアニメで、その年にアニメ関連での経済効果は253億円に上るとされる。

また、福島県会津若松市に大川荘という温泉旅館がある。

コロナ禍での公開された映画が歴史的ヒットとなった「鬼滅の刃」に登場するシーンと似ていると評判になった。

2020年6月に新型コロナによる休館後の再開すると、ファンの予約が殺到したことで、大川荘は救われたと店主は語る。

このように、ビジネス的な側面で捉えると、このアニメの聖地巡礼は、比較的大きな投資をかけずに既存の地域資源に付加価値をつけやすいという利点もあるのだ。

日本文化を世界に発信するチャンス

冒頭に書いたが、失われた30年を経て40年へ向かっているというネガティブな話題は尽きない。

日本がグローバルな競争力を失い、どんどん差が出ているという話もよく聞く。

ただただ、そんなネガティブな事実を受け入れていくのではなく、やはり世界で通用するようになにかを発信しようとして欲しい。

このままではいけないと、こんなはずはないと世界に飛び出して欲しい。

 

そう考えたときに、アニメ市場は本当に可能性しかない。

2019年のアニメ市場は過去最高の2.5兆円規模にまで成長している。

その市場は、2015年あたりから一気に海外市場が伸びており、2019年には半分以上が海外市場となっている。

具体的には、海外での映画の上映やゲーム販売が絶好調という実態がある。

新型コロナ前の2019年の訪日外国人のうち、映画やアニメのゆかりの地、つまり聖地巡礼した人は4.6%となっている。

これは、2019年のインバウンドが約3,188万2,000人という発表なので、1,466,572人という計算になる。

さらに、アニメの聖地巡礼を次回やってみたいこととして挙げた人が10.2%いたという統計も出ている。

これだけ、アニメのポテンシャルは高いのである。

さあ、下を見ず、世界で通用する分野で戦おうではないか。

 

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植田 振一郎 Twitter

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