一世木鐸(いっせいのぼくたく)
→ 世の人々を教え導く人物。
教えを導くというのは、強烈なリーダーシップが必要だ。
これは最近、stakのことで打合せをしていていると本当によく思う。
というのも、猫も杓子もDX、DXとのたうち回っている。
弊社でもDXを推進しているから、stakも前向きに検討したいという内容をウンザリするほど聞くようになった。
具体的にはどんな取り組みを始めているのか、私から質問をすると、今いろいろと検討しているとか言葉を濁されることがほとんどだ。
はっきりいって、DXという言葉を使いたいだけで、本質やイメージが全く湧いていないことがバレバレだ。
おそらく、政府や行政も頻繁にDXというワードを使っているから、右から左になんの考えもなしに生きている人々は使いたくなるのだろう。
そこで、今一度、私なりにDXとIT化についてまとめてみた。
まずは、DXについてだ。
DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略称である。
日本政府のDX推進ガイドラインによると、下記が定義となる。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
相変わらず、難しくわかりにくく定義するものだ。
それから、英語表記にすると、Digital Transformationはとなるので、DTではないかいう声もある。
ただ、英語圏では接頭辞Transを省略する際にXと表記することが多いことから、TransformationがXに代わり、DXと表記される。
ということで、一言でまとめてみよう。
ITを浸透させて人々の生活をより良い方向に変化させること。
まあ、こんな定義とか概念はどうでもいい。
DXとなると、また難しく教えるような輩が出てくる。
Amazonが巨大ECサイトを作ったこと、そのECサイトにはレコメンド機能を備えたことなどをDXの事例として挙げる。
もちろん、DXの最たる事例としては正しいのかもしれない。
でも、大切なことを忘れている。
定義や概念や事例を唱えることができることが目的ではない。
着実にAmazonのようなイノベーションを起こしていかないといけないのに、いきなりAmazonの事例を出されると、それこそなにをしていいのかわからなくなる。
特に日本の大手企業の役職が上に行けば行くほどその傾向が強い。
以前も紹介したが、DXを掲げていてもなにをしていいかわからない人は、まずこの記事を読めばいい。
注目すべきはこの箇所だ。
企業にはさまざまな要素が存在しており、それらが相互につながり、うまくかみ合っているから合理的に回っているわけです。
ところが、裏を返すと、どれか一つを「時代に合わないから」と変えようとしても、かみ合ってしまっているから簡単には変えられない。
これを「経路依存性」と言います。
企業や組織というのは、古くても新しくても良くても悪くても、少なからず噛み合っているのだ。
噛み合っているから、1つだけ変えても意味がない。
変えるなら全てを変えなければいけない。
けれども、一気に全てを変えることはできないので、まずはエクセル管理を浸透させるといった初歩的なことから始める。
これがDXに繋がるというロジックだ。
そして、DXとIT化を混同している人も多いので、こちらも整理しておこう。
こちらも簡単なのだが、IT化はDXの手段で、DXはIT化の先にある目的だと捉えればいい。
IT化も難しく考えなくていい。
昔は連絡手段が手紙や電話だったのが、メールやチャットツールなどに置き換わったことを考えればいい。
ワークマンの例でもあった、エクセルを使うこともIT化の1つだといえる。
少し難しく表現するならば、IT化による変化は量的変化、DXによる変化は質的変化といえる。
作業時間が減るとか自動化するといった目に見えたわかりやすい変化がIT化。
そういったIT化を取り入れていくことで、根本的にプロセスが変わることがDXという位置づけだ。
時間のある人は、この記事も読んで行動を起こして欲しい。
「経営者は無能か職務放棄か、「技術で勝ってビジネスで負ける」日本企業のDXの末路」
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