同じ丘に棲んでいるむじな、似たもの同士、同類の悪党のたとえ。
コロナ禍の大手企業のスコアに注目している。
日本の大企業は2月、3月決算のところが多く、5月〜6月にかけては株主総会の時期だ。
今回注目したいのは、東急株式会社だ。
東急の名で知られている、鉄道、バスといった交通インフラ、百貨店、ホテルといった不動産を中心としたサービスも展開している巨大企業である。
そんな東急に関する記事を見つけたので、紹介する。
「運賃値上げ表明の東急 サブスクで目指す鉄道・ホテルの収益安定化」
東急の2021年3月期決算は562億円の赤字。
その理由は書かなくてもわかると思うが、コロナの影響により主軸の鉄道、バスといった交通インフラの利用が激減したためだ。
鉄道会社の中でも東急の定期券利用客は21年3月期、前の期比で33.7%も減ったそうだ。
通勤定期に限ると28.4%の減少ということで、他の鉄道会社に比べると減少率が著しい。
参考までに小田急電鉄は21.4%減、東武鉄道は17.1%減ということなので、いかに大きく打撃を受けているかが理解できる。
その理由は、東急の稼ぎ頭の東横線と田園都市線でターミナル駅を渋谷としていて、渋谷にはIT企業が多くリモートワークに切り替えられたことによるとされている。
そんな東急が新たに出したDENTO(デント)というサービスがある。
鉄道、バス、ハイヤーなどを繋げていく、いわゆるMaaS(マース)と東急が保有している百貨店、飲食店、映画館なども連携するというものである。
具体的には、会員登録した通勤定期券保有者に対し、鉄道とバスがそれぞれ100円で乗り放題になるチケットを販売したり、沿線の商業施設の割引クーポンを配信するといったサービスだ。
登録会員数は目標には遠く及ばなかったが、1万203人を集めてサブスクリプションの1つのモデルケースができていることは素晴らしいと思う。
こういったサービスは続けていくことで認知され、チャーンレート(離脱率)を下げていくことで一気にプラスに転じることがあるからだ。
ここで、MaaSという概念についても触れておこう。
SaaS(Software as a Service)と似たような書き方をするが、MaaSとは、Mobility as a Serviceの略称である。
様々な交通手段を1つのサービスに統合して、より便利な移動を実現するという概念だ。
この概念はフィンランドで生まれた。
そもそもフィンランドには自動車メーカーがないことから、国民が車を買えば、その都度、国外にお金が出ていくという循環を国策で変えたのである。
例えば、Whim(ウィム)というサービスがある。
月額499ユーロのプラン「Whim Unlimited」を使えば、フィンランドの首都ヘルシンキ内の鉄道やバスといった公共交通機関が利用し放題になる。
さらにタクシーやレンタカー、シェアサイクルも基本無料(一部時間制限や追加料金あり)である。
これらのサービスが、アプリ上で交通手段を横断した経路検索ができ、予約も利用もアプリで完結する。
つまり、今の交通手段は人が主軸となって、電車に乗るか、バスに乗るかといった選択をしているが、サービスが中心になって人は最適な交通手段をスマホ片手に選ぶだけというものだ。
こういったテクノロジーの進化がまた1つ壁をなくしている。
確かにコロナは世界中で多大な被害をもたらしたことは否めない。
けれども、その一方でストリーミングサービスが普及すると同時にサブスクリプションという概念が定着する結果をもたらしている。
その裏側にあるのは他でもない、IT技術を中心としたテクノロジーである。
stak社が挑戦しているIoTの分野も大きく捉えれば同じところに入る。
ふとしたタイミングでキャズムを超えることがある。
それを期待するだけでは他人任せすぎるので、もちろん仕掛けも必要だということも理解している。
1つだけ確実にいえることは、テクノロジーの進化は止められないということである。
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