一人の力が千人の力に相当する意から、非常に力の強いこと。また、知性にすぐれていること。
個の力が強ければ周りにも伝播するという経験をしたことがある。
まだ25歳とか26歳の頃だった。
子会社の社長として、とにかく結果を出すことにこだわった。
今とは全く異なるマネジメント方法というか、とにかく精神論で乗り切るような言動をしていた若かりし頃だ。
と書くと格好良く映るかもしれないが、マネジメントなんていう言葉も知らず、なにもやったことがないから、とにかくなんでも全力でやるしかなかった。
家に帰らず、誰よりも働くことで、周りの人間がついてくると本気で思っていた。
多くのスタッフを傷つけたという自覚もあるが、とにかく結果を出すことが全てだった。
結果というのは、数字を作ること。
つまり、売上と利益をとにかく作ることしか頭になかった。
1年経ったとき、自分でもよくやったと思える数字が出た。
と同時に、失うものもあったし、孤独を感じる機会も急増したことは、今でもよく覚えている。
そんな当時の部下として働いてくれていた1人と定期的にビジネスとして関わっており、ここ最近はよりその密度が深まっている。
彼から当時の話を聞いていたときに、実はいろいろと中で動いてくれていたことを知った。
口調も荒く、常にイライラしていた自分に変わって、会社内を上手く循環させてくれていた。
他のスタッフには申し訳ないが、彼は大学生でアルバイトという立場にも関わらず、最も信頼していたように思う。
一次面接なども全部任せていたし、緊急事態があった際には真っ先に連絡するのが彼だった。
正直、想定内のことをそれ以上に応えてくれていたので、甘えていた部分もあるが、まさに個の力の大切さを感じたときでもある。
そんな彼は大学生で、就職先も決まっていたので、大学卒業と同時に別の組織で働くようになるのだが、不思議と彼がいなくなった組織でも回るようになるのだ。
私のスタンスは変わらない。
個の力の底上げができている状態が基礎の部分でできあがると自然と回るようになってくる。
その実体験は貴重なものになっていることはいうまでもない。
当時、もう1つ貴重な経験をしている。
彼が抜けた後に、もう1人に助けられた経験も書いておこう。
彼女は既婚者で、幼い子どもがいたので、長くても10時〜17時までしか働けないという環境だったと記憶している。
土日祝の出勤も基本的にはできず、限られた時間でしか働けなかった。
とにかく根性見せろや的な働き方が根本にあったので、採用するかどうかは迷ったが、猫の手も借りたい時期だった。
採用をして、実際に働いてもらうと目から鱗だった。
夜遅くまでオフィスで仕事をしてしている上司がいると、部下は退社しにくい。
なにもやっていないのに無駄に残っているスタッフがいることはわかっていたし、にも関わらず残業代を請求してくるスタッフもいた。
辟易していたが、そんなことに構っている時間もなく、ほぼほぼ放置していた。
そんな状況を彼女は変えていった。
彼女は16時、17時には退社しなければいけないので、ダラダラ仕事をするわけにはいかない。
すると的確な指示をスタッフに出し始めたのだ。
これはやったの?
手が空いているならこれをやりなさい!
まだ終わらないの?
エクセルなんてこんなのでいいのよ!
無駄な時間を過ごしているスタッフたちの意識が変わり始め、あっという間に彼女を中心に事務作業は向上した。
もともと企業で働いていた彼女は、結婚と出産を機に退職したわけだから、ポテンシャルが高い。
スタートアップ企業、ベンチャー企業に最初に入ってくるスタッフは失礼だが育てないといけない人材が多い。
そんなところを一手に担ってくれた彼女からも個の力の大切さを学んだ。
「入社したての「素人」が社長にダメ出し…その通りにしたら契約が2倍になった理由」
この記事の内容を目にして、当時の記憶が蘇った。
stak社は15年前とは全く違うアプローチでマネジメントを行っている。
もちろん、良いところもあれば悪いところもある。
ただただ、個の力の強さの大切さは当時と変わらず感じているところである。
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