一日作さざれば一日食わずの略。
「いちにちなさざれば、いちにちくらわず」とい読むらしい。
「働かざる者食うべからず」という意味に捉えがちだが、そうではない。
これは、唐の時代の有名な禅僧、百丈懐海(ひゃくじょうえかい)の言葉だそうだ。
年を取ってからも毎日毎日の労作を欠かさない百丈禅師の健康を気遣った弟子たちが、ある日、善意で禅師の農具を隠してしまう。
ところが、その日から禅師は食事に手をつけなくなった。
心配した弟子たちが「禅師はこの三日間、お食事をなさいませんでしたが、どうしてですか」と尋ねた。
すると、禅師は「一日作さざれば、一日食らわず」と応えたそうだ。
つまり、「人は労働することが一番大切なことであり、それができなければ食べることができない」と自らを律する言葉である。
そして、勤労そのものの尊さを語るこの言葉は、労作教育に燃えてこの丘を切り拓いた創立者と、創立者とともにこの地を耕してきた先輩たちの合い言葉でもあったという。
働いた対価としてなにかを得る。
得るもの、得たいと思うものは人それぞれだが、この根本は現代でも変わらない。
「JR西「瑞風」の再出発(中) 5万円値上げでも満席が続く理由」
2017年6月17日、満を持してJR西日本が運行開始した豪華寝台列車、TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)。
発着駅は新大阪駅で、中国地方の山陽本線と山陰本線を1泊2日あるいは2泊3日のツアー形式で運行する瑞風の旅行代金は最も安くて32万5000円(税込/人)、最も高いプランは132万5000円(税込/人)というもの。
富裕層を中心に6,600人以上の乗客を運んでいる。
そこから約4年経った2021年4月14日、新型コロナウイルスの影響で運休していたけれども、約1年2カ月ぶりに運行を再開した。
コロナの影響で大きな変更を強いられたが、特に大きかったのが食堂車での食事をやめたことだと発表されている。
簡単に部屋食になったのかということだけの問題ではなく、現場はとても大変だそうだ。
食事の準備をするために、乗客が一旦部屋から出ていかないといけないこと、また、ベッドメイキングをするために、そのときにも部屋から出てもらう必要がある。
アペリティフタイムやバータイムといった、乗客を他の号車に集める時間を設け、その間にスタッフが時間に追われながら準備をするらしい。
その間は1時間とかしかないわけだから、全乗客の対応をしないといけないとなると大変すぎることは想像できるだろう。
そんな営業努力の元で、多額の費用を払って対価を求める人たちのおもてなしをしているわけだ。
乗客は必ずしも富裕層ばかりではないだろう。
一生に一度の想い出として奮発して予約した人、子どもや親族から記念にプレゼントされたという場合もあるだろうし、様々な人がいるだろう。
いずれにせよ、ここでの気づきは、こういったサービスに振り切っていかないといけないということである。
つまり、高単価で予約が殺到するという仕掛けをしていかなければ、継続がないということだ。
ビジネスをするということは、きれい事だけではダメで、キャッシュをとにかく回さなければいけない。
もちろん、志やミッションを掲げることは重要である。
でも、その志やミッションを達成するには、キャッシュという道具を上手に操らなければならない。
日本はまだまだこのジャンルが乏しい。
ゼロ金利が続き、デフレマインドが刷り込まれているマインドが大きく影響しているように思う。
冒頭の話に戻ろう。
働いた対価としてなにを得るのか。
対価として大きなものを得るためには、働く対象をなににするのか、働く場所をどうやってつくるのか、そこまで考えなければならない。
キャッシュ = お金を指標に出すと、お金儲けをすることだけを推奨しているように勘違いする人が出てくる。
そうではなく、キャッシュ = お金を上手に回して対価を与えることができる体制をつくることが、巻き込んだ人たちを幸福にする最短ルートであるということである。
stak社もそのジャンルに入っていけるように仕掛けを始めている。
【Twitterのfollowお願いします】