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2021年4月11日 投稿:swing16o

一場春夢(いちじょうのしゅんむ)

春の夢のように人生の栄華ははかない。

祇園精舎の鐘の声、

諸行無常の響きあり。

沙羅双樹の花の色、

盛者必衰の理をあらはす。

驕れる者も久しからず、

ただ春の夜の夢の如し。

たけき者もついには滅びぬ、

偏に風の前の塵に同じ。

 

未だに覚えている平家物語の冒頭部である。

これを暗記させられたときには、正直、よく理解ができていなかった。

でも、月日が流れていくと、なんともいえない哀愁というか、刺さるものを感じるようになった。

この世のすべての現象は絶えず変化していくもで、どんなに勢いが盛んな者も必ず衰える。

世に栄え得意になっている者も、その栄光は永遠に続くことはなく、春の夜の夢のようである。

勢い盛んで頂点に立った者も、結局は滅び去り、まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。

結局、衰退するのであれば、なんのために頑張るのか、勢いのあるときには全く刺さらない言葉が、勢いがないときには妙に刺さる。

 

平家物語は、鎌倉時代に成立したとされる軍記物語で、その名のとおり平家のことについて書かれている。

登場人物で最も有名といっても過言ではないのが、平清盛だろう。

この平清盛は、stak社の拠点を置いている広島にも大きな縁がある。

ご存じの方も多いと思うが、日本三景の1つである厳島神社を大々的にテコ入れした人物としても知られている。

地元が広島の人であれば、一度は厳島神社のある宮島に行ったことはあるだろうし、なんとなくそんな話を聞いたことがあるだろう。

武士の成長とひろしま~ 厳 いつく 島 しま 神社 じんじゃ と 平 清 盛 たいらのきよもり ~

そもそも、厳島神社が最初に建立されたのは593年とされている。

そして、平清盛がテコ入れを始めたのが1151年あたりということだ。

平清盛は戦略家で、当時の物流は船がメインだったため、瀬戸内海の発展に力を入れた。

その成果が平家の繁栄に大いに貢献したとされる。

故に、伝説も多く残っている。

広島の呉というところに、音戸の瀬戸という拠点があるのだが、開削したのは平清盛とされている。

その音戸の瀬戸は潮の流れが急で有名な場所なのだが、平清盛が一睨みすると潮の流れが止まったという話。

他にも、音戸の瀬戸を1日で開削すると約束してしまったが、とても間に合わないときに、手に持っていた扇を一振りすると、太陽は空に戻ったという話。

この話は、扇ではなく指で太陽を指差して昼前まで戻したといったバージョンもある。

いずれにせよ、全盛期の平清盛の逸話がたくさん盛り込まれており、胡散臭い話も多々あるが、まあ物語や伝説とはそういうものだ。

 

日本史で習ったと思うが、1185年の壇ノ浦の戦いで平家は源氏に滅ぼされる。

ここで鎌倉幕府を開いた源氏が栄華を誇っていくわけだが、それも長くは続かず、3代で滅ぶことも歴史で学んだはずだ。

そうして現代に繋がっていく。

まさに栄華と衰退のくり返しの上に人は成り立っている。

ここからなにを学ぶべきなのだろうか。

努力しても意味がないから、適当に生きろという読み取り方もできる。

それでも、頑張らないといけない意義を探し出すことを見出すこともできる。

どんな選択をしても、それはその人の自由だ。

ただただ、最期を迎えるときに、後悔がないように生きることを心がけたい。

 

自分に置き換えてみよう。

生き抜いた証としてなどと、大したものが残せるとは思ってもいないが、それでも抗って生きていたい。

自分が生きた時代が最高だったと最期を迎えるときに、心から素直にいえる人でありたい。

盛者になることはできなくても、1つは伝説を残してやりますか。

 

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植田 振一郎 Twitter

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