ほんの少しの短い言葉をいうこと。
このウェブサイトを教えてもらったときの衝撃をいまだに覚えている。
起業したきっかけは、Retro Market(レトロマーケット)というレトログッズに特化したフリマアプリを世に出そうと思ったことからだった。
当時はまだまだ考えも浅く、こらくらいの資本と時間があれば余裕でできるだろうというノリしかなかった。
当然、想定していたとおりにいかないことも多く、Retro Marketをリリースするまでは売上もないので利益などあるはずもない。
このままではまともに生活できないということで、Webサイトやスマホアプリ制作、システム開発の受託といったことをやりながらの日々を送ることになる。
そこから月日は流れ、決算月が1月なので先日7期目を終えたという形だが、まあなんとか生きている。
冒頭に起業当初は想定していたとおりにいかないことも多くと偉そうに書いたが、正直、それは今でも変わらない。
それどころか、4年前くらいから機能拡張モジュール型IoTデバイス「stak」を世に出すと決めてからは、やることが膨大に増えているので、拍車をかけている気もする。
そして、起業当初から今でも、お世話になっている人や企業からウェブサイト制作の依頼などを頼まれたら受託することはある。
そうなると、自分の会社のことはもちろん、依頼を受けた企業のことも考えなければいけないので、よりバタバタすることは想像してもらえるだろう。
スケジュールが打合せで埋まると、考えるという時間が減るので余裕がなくなる。
そもそもやりたいことがあって、そのことを考える時間が必要なのに他のことに時間を取られる。
これはとても生産性が悪い。
また、プロダクトもウェブサイト制作やスマホアプリの開発も全てに共通していえるのは、最重要なのは仕様だ。
ある程度の仕様を固めて、開発を始めないと収拾がつかなくなる。
なにがやりたくて、どういったものをつくりたくて、どこまでやるのかを決めることが仕様の根本にあるのだが、ここを決めることはいつも時間を取られる。
当然、予算の兼ね合いもあるがスケジュールも大切だし、周りを巻き込むことに対する責任が生じるからである。
途中で変更が多いと、クリエイティブ側としてはとてもやりにくい。
というか、一緒に仕事をしたくなくなる。
プロダクトやプロジェクトのリーダーの手腕にかかっていて、ここの重要性の理解が乏しい人や企業があまりにも多い。
そこから、デザインが重要になってくる。
このデザインを考えるときに、仕様を忠実に再現すると要素が盛り込まれすぎて、そもそもやりたいことがなんだったのか、わからなくなることがある。
足し算や掛け算をしすぎて、ぐちゃぐちゃになってしまうのだ。
本当に必要なものなのか、改めて考える必要が出てくる。
外国人と触れ合う機会が増えると、日本の家電やそれを操作するリモコンがわかりにくいといわれることが多いことに気づく。
機能自体は素晴らしいものも多いのだが、その使い方がややこしくて面倒だという意見だ。
日本国内で日本人向けに出すプロダクトやプロジェクトであれば、それで問題ないという反論も理解できる。
けれども、1回でも使ったことのある機能やボタンがどれだけあるのか、そこは考えるべきだと思う。
多くの人は当たり前を当たり前に進めていく。
それでは、イノベーションは生まれない。
そんなときに、冒頭の「これはウェブページです。」を思い出す。
複雑なテクノロジーやデザインがなくても伝えることができる。
テクノロジーとデザインの融合。
これは、stakのプロダクトを続けていく上で、とても重要な要素で終わりなきものになるが、判断に疑問を持ったときには、原点回帰だ。
これはstakです。
この一言で全てを伝えることができる世界を実現しないといけない。
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