辺り一面に暗闇が立ち込め静まり返っているさま。
暗闇で人の動きは大きく制限される。
とりわけ、影響を受けるのは目である。
その原因は人間の目が生まれつき光に敏感であるという構造に基づく。
そして、光は波と粒の両方の性質を持っている。
波を波長と呼び、光が1回振動する間に進む距離のことで、ナノメートル(nm:10億分の1メートルのこと)という単位が一般的だ。
人間の目に見える光は、波長が約400nmから700nmの間の光だけで、可視光と呼ばれる。
可視光は、いわゆる虹の7色である、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の7つである。
他にも光の種類には、ガンマ線、X線、紫外線、赤外線、電波とあるのだが、見える人がいないのはこれが理由である。
一方で光は粒の性質もあり、その粒の数によって光の強さが変わる。
明るい光は粒の数が多く、暗い光は粒の数が少ないということだ。
この粒のことを光子(こうし)とか、Photon(フォトン)と呼ぶ。
光子はその存在を目に記録し、私たちの脳は目が収集した情報に基づいてイメージを組み立てるのだ。
簡単にいうと、人の目は光がないと見えなくて、光は広い範囲に放たれているが、人が見える範囲はほんの僅かな領域しかないということだ。
実際、紫外線は鳥や昆虫は見ることができる。
混乱してはいけないのが、光の三原色(赤R:レッド、緑G:グリーン、青B:ブルー)、と色の三原色(青緑C:シアン、赤紫M:マゼンタ、黄Y:イエロー)は違うということだ。
いい機会なので、小中学校で習ったことを復習してみよう。
このように、人の目で見える範囲というのは非常に限られている。
けれども、テクノロジーはここをも超えていく。
暗闇でも見える暗視スコープ(ナイトビジョン)は既に映画やドラマでも多々登場している。
近年はARやVRが注目されていることも、もはや周知の事実ではある。
スマートグラスと呼ばれるメガネも少しずつ出始めてはいる。
ただ、いずれもまだまだ成長の余地がある分野で、UXがずば抜けたものにはまだ出会っていない。
個人的に本命はここではなく、コンタクトレンズのようなものだと思っていて、調べているとこんな記事を発見した。
「視界がディスプレイになるスマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」を体験」
2020年のCESで発表されたようだが、こういったテクノロジーは本当にワクワクさせてくれる。
CESとは毎年1月にラスベガスで開催される、まあテクノロジーの祭典だと思ってくれればいい。
テクノロジーにより物理的に視野が拡がっていくだけでなく、視野を拡げていこうとするマインドが備われば、人類はまだまだ進化するはずだ。
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