第46話
わかりやすくいうと、1人の人に8,500円の商品を買ってもらうために、その人に32,769円を渡して買ってもらっていたということだ。
クラウドファンディングの期間は約2ヶ月だったのだが、開始後10日くらいして伸びが緩和したところで、確認したらこんな状況になっていた。
また、獲得単価(CPA)は広告を出していた期間の平均値であり、ひどいときは72,562円という日もあった。
これはどう考えても一旦ストップすべきだということで、担当者に申し出たのだが、それが受け入れられたのが2日後。
つまり、1日75,000円に設定されていた広告予算が約2日間垂れ流されて、126,992円をドブに捨てたのだ。
もちろん、サクセス後に100万円分の広告宣伝費をかけて大丈夫だということは話をしていた。
ただ、それは当然広告宣伝費をかけた分だけ支援者が集まるということに限ってだ。
広告宣伝費をかけている期間の詳細について、担当者からは全くの連絡もなく、こちらからつついた際に嫌々と対応をされ、渋々応じた。
第47話
もちろん、広告宣伝費をかけることに同意したのはこちらなのだからという担当者の主張は理解できる。
ただ、広告宣伝費をかけるに至った経緯は、プロジェクト開始前の複数回に渡る打合せで、stakは間違いなく大きなサクセスができるプロジェクトだからというMakuake側のお墨付きがあった。
それに乗せられた俺がバカだといわれてしまえば、それまでだが、百歩譲って担当者の対応がずさんだったことは否めない。
なぜ、こんなことを書くのかというと、Makuakeで実施された類似プロジェクトのデータを知っているからだ。
上手くいったプロジェクトはこんな感じだ。
- 商品単価49,880円に対して獲得単価(CPA)7,910円
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商品単価49,880円に対して獲得単価(CPA)8,333円
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商品単価73,800円に対して獲得単価(CPA)6,418円
一方で上手くいかなかったプロジェクトはこんな感じだ。
- 商品単価30,000円に対して獲得単価(CPA)95,227円
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商品単価35,000円に対して獲得単価(CPA)62,358円
この数字を見れば、stakの広告宣伝が上手くいかなかった側にカテゴライズされるのは明確だ。
第48話
それはMakuakeのせいではなくて、stakのプロジェクト自体に魅力がなかったからだろう!という批判があるかもしれない。
もちろん、そこについて否定するつもりはない。
ただ、stakはMakuakeが広告媒体として使ったFacebookやInstagramとは別にNewsPicksも使った。
このときに使った広告宣伝費は30万円だった。
リンク先はLP(ランディングページ)にしており、ここから獲得した支援者はMakuakeの獲得単価(CPA)に比べるとゼロが1つ少ないくらい歴然としていた。
同時にニュースレター登録者も相当数獲得できていて、非常にコスパのいい広告宣伝になった。
こういった背景もあり、Makuake担当者の対応や広告媒体についての不満が生まれた。
念のためくり返すが、プロジェクト自体に魅力がなかったとか、料金形態がわかりづらいといった声はたくさん聞いた。
そこに対して否定は全くしない。
いずれにせよ、stakはMakuakeの広告媒体を使って2週間足らずで50万円以上溶かした事実があり、クラウドファンディングをやるという方は広告宣伝について是非参考にして欲しい。
第49話
こんな感じでパッと見たら300万円以上集めて大成功したように見える、stakのクラウドファンディングも実際に入ってきたおカネは200万円を切っていた。
Makuakeへの手数料20%と広告宣伝費による負担が思った以上に大きかった。
とはいえ、ファン(ユーザ)の確保はある程度できたし、いい勉強になったと気持ちを切り替えた。
細かい数字ややり取りを知りたいという方は連絡をもらえたらいくらでも開示することを約束しよう。
初めてクラウドファンディングをやるという方には、いろいろと参考になることも多いと思うので、いつでも開示する覚悟はある。
大手企業には理解できない、スタートアップならではの資金力やPR力というのがある。
はっきりいって俺は弱小だ。
でも、弱小なりにもがいてきたこと、もがいていることが未だに多々ある。
そういったものは共有するに限る。
なぜなら、スタートアップの成功率を0.01%でも上げるためだ。
それが健全だと思っているし、なによりも自分の力でなにかを始めようとしている人は心から応援したい。
それは、自分自身も成し遂げたい世界があるからだ。
第50話
記録という意味で、stakのMakuakeの結果を掲載しておく。
そして、実際に手にしたおカネが200万円に満たなかったことも改めて書いておこう。
クラウドファンディングが終わったからといって、もちろんここがゴールではない。
むしろ、支援してくれたファンの方々のためにより力を入れていかないといけない。
その第一目標は、クラウドファンディングのリターン品の配送日に決めた2019年2月14日にstakを配送していくことだ。
この2月14日にしたことにも理由がある。
2月14日といえば、バレンタインデーである。
近年は10月末のハロウィンに経済効果をすっかり奪われてしまったというネガティブな情報もあるが、まだまだバレンタインデーという言葉の認知度は高い。
そして、バレンタインデーには、プレゼントをするという風習もある。
それにあやかって、stakもにも「プレゼントする」という概念を植え付けていきたいというエゴからだ。
IoTデバイスとは市民権を得つつあるが、それでもまだ購入するということに関してはハードルが高い。
であれば、啓蒙活動が重要になる。