ハッタリと嘘の狭間で 第21話〜第25話

2020-01-29 投稿: 植田 振一郎

第21話

そして、幾度が打合せを重ねて出てきたスケジュールがこれだ。

いつかのブログに書いた「モノづくりを始めてわかったこと」から抜粋していく。

日本の超大手のモノづくりフローがこちら。

  1. 基礎開発(KS)
  2. → 構想設計(TS)
  3. → 詳細設計(WS)
  4. →(海外現地法人への技術移転)
  5. → 量産設計(ES)
  6. → 量産(MP)

一方で俺の考えていたフローは下記。

  1. 構想:こんなのあったら面白いよね!
  2. プロトタイプ制作:毎回外注だとお金かかるから3Dプリンタ買っちゃおう!
  3. 協力会社探し:小ロットからOEM/ODMをしてくれる会社って少ないんだな。。
  4. 構想設計:専門知識がないところはお任せ & 少しでも理想に近づけるために無茶振り!
  5. 量産設計:専門知識がないところはお任せ & 少しでも理想に近づけるために無茶振り!
  6. 量産開始:2018年12月24日にみなさまに届けることができるように気合い入れんといけんのぉ〜!

ということで、スケジュールが確定したところを掘り下げていこう。

第22話

2018年2月末。

本格的な打合せが進んでいく中、全体のスケジュールが1ヶ月後に確定した。

スケジュールの決め方だが、これはもう「いつ販売するか」を決めることとイコールだ。

もちろん、スケジュールをタイトにしすぎて実現可能性の低いものはダメだが、開発に時間をかければかけるだけコストもかかる。

精神衛生上、1日でもはやくリリースしたいという気持ちとの戦い。

そして、2018年12月24日に手に届ける!という目標を定めた。

そう、stakをクリスマスプレゼントとして届けるというストーリーだ。

この中には、stakをプレゼントとして大切な人に贈ってもらえるカルチャーが生まれたら最高!という想いを込めた。

スケジュール詳細は下記のとおり。

  1. 2018年4月〜6月中旬 → ES1設計〜評価完了
  2. 2018年6月中旬〜8月上旬 → ES2試作手配〜評価完了
  3. 2018年8月中旬 → 金型および部品手配(仕様確定)
  4. 2018年9月末 → T1完成
  5. 2018年10月末 → 金型完成(同時進行で信頼性試験実施)
  6. 2018年11月 → 最終評価
  7. 2018年中旬 → 量産出荷準備完了

サラッと書いたが、若干の専門用語があるので、その解説も念のためしておこう。

第23話

スケジュールの中には「ES1」とか「ES2」といったワードがある。

それから「金型手配」とか「T1」といったワードも読み取れる。

ということで、まずは「ES1」および「ES2」についての説明からしていこう。

世の中にないものをつくるということは、いろいろと試さなければいけない。

正解はないので自分たちの理想にできるだけ近づける方法を探っていく。

stakの場合で考えてみる。

LED照明モジュールは、一定時間LEDをつけておくと熱がどの程度まで出るのか、明るさはどの程度なのかといった試験が必要だ。

それから、リモコン(赤外線)モジュールの試験では、どの程度の距離まで赤外線が飛ぶのか、放射角はどの程度なのかの試験は必須だ。

更にstak本体(司令塔の部分)においては電子基板の安全設計、部品の配置との兼ね合いも重要だ。

このあたりを一通りクリアしたものが「ES1」と呼ばれるプロトタイプになる。

自分たちで作ってブレイブリッジ社に持って行ったプロトタイプよりも圧倒的に実際に販売する商品に近づいた形ということだ。

これがstakの「ES1」だ。

2018年4月から設計が始まり、約2ヶ月後の2018年6月に手元に届いた。

圧倒的に進化したことがわかる。

第24話

ハードの部分はできあがっても、ソフト側の開発も必要になる。

特にstakの場合には機能拡張という特殊な部分があるため、ここの検証も併せて行っていかなければならない。

具体的には最低限の機能である、LED(照明)がちゃんと点灯するのか、赤外線はちゃんと飛ぶのかといったところからの検証だ。

その後はタイマー機能や遠隔操作機能も実装していかなければ、IoTデバイスとしての価値はない。

いくらオシャレなハードができてもソフト面でニーズに対応できる機能を実装しなければ商品価値はゼロだ。

アップデートができるとはいえ、最初に触れてもらったときの印象はとても大切だということはとにかく自分に言い聞かせた。

IoTデバイスは、新しいモノや珍しいモノが好きという人には簡単に手にとってもらえるかもしれない。

でも、多くの人にとってはまだまだ未知の領域で、必ずしも生活に必要なものという位置づけではない。

ようやく興味を持ってくれた人が実際に手にとってもらったときの体験(UX)は本当に重要になる。

ハードとソフトのバランスをしっかり考えて、開発することを強く意識していた。

俺はまるでスティーブ・ジョブズにでもなったつもりでいた。

第25話

話を戻そう。

「ES1」ができあがっても安心はできない。

というのも、検証結果を踏まえ、必ずと言っていいほど修正が必要になるからだ。

電子基板もだが、ハード面で細かい調整などが必要になる。

つまり、ES1は修正および改善ありきのプロトタイプということだ。

そのES1を更に改良したモノが「ES2」となる。

ES2が最終形になることが「モノづくり」ではほとんどだということだが、必ずしもそうではありません。

ES2の完成後でも更に修正や改善が入る可能性も十分にあるということだ。

そうなると「ES3」とか「ES4」と納得するまで増えていくわけだ。

stakの場合はどうだったか。

おかげさまで、ES1からの修正はもちろんあったが、ES2で留めることができた。

つまり、最終形が完成したということだ。

2018年8月〜9月にかけての出来事だ。

2018年3月にスケジュールが確定して約半年後ということになる。

では、ここまでで出ていったおカネの話をしようか。

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