循規蹈矩(じゅんきとうく)
→ 規則に従い行動することや保守的で変化を嫌う人のたとえ。
コンサバという言葉がある。
conservative(コンサバティブ)を略した表現で、保守派や保守主義者という意味を指す。
保守派は、伝統的な価値観や社会の秩序を重視し、変革や急進的な政治的・社会的な変化に懐疑的な立場を取る人々を指す。
また、保守主義者は、社会の安定と秩序の重要性を強調し、過去の経験や伝統を尊重することで社会を守ろうとする立場を取る。
そんな彼らは、社会の変化や急進的な政策が社会の安定や価値観の崩壊をもたらす可能性があると考えることがある。
それが政治的には、保守派はしばしば伝統的な家族価値や宗教的な信念、経済の自由市場原理を重視する傾向に繋がっている。
ただし、個々の保守主義者の信念や政策は異なる場合も当然ある。
なお、保守主義は、国や文化によって異なる要素や強調点を持つこともある点は注意が必要だ。
政治的なスペクトラムにおいても、保守主義は他の政治的立場と対立することもあれば、共通の価値観や政策目標を持つこともある。
ということで、コンサバという言葉を保守派や保守主義者を指す意味で使用した例文をいくつか挙げてみる。
- 彼は真のコンサバで、伝統的な価値観を尊重し、社会の変化に懐疑的な立場をとっている。
- コンサバな立場から見れば、この新しい法律は社会の秩序を乱す可能性があると考えられる。
- テレビ番組の司会者はコンサバな視点から議論をリードし、伝統的な家族の役割や価値観について話し合った。
- コンサバな政治家は、経済の自由市場原理を支持し規制の緩和を提案している。
- 彼女のコンサバな信念は、彼女の政治的な立場や社会的な意見形成に大きな影響を与えている。
このコンサバという言葉、つまり保守派や保守主義者の対局にあるのがリベラル派だ。
今さら聞けないリベラル派ってなぁに?
リベラル派は、政治的なスペクトラムにおいて進歩的な思考や政策を支持するグループを指す言葉だ。
リベラル派の具体的な意味合いは、国や文化によって異なる場合があるが、一般的には下記のような特徴がある。
1)個人の自由と権利を重視する
個人の自己決定権や自由な表現、宗教の自由などを尊重し、政府や社会の介入に対して慎重な立場を取る。
2)社会的な公正と平等を追求する
格差や不平等を是正し、機会の均等や社会的弱者の権利保護に注力する。
そして、差別や偏見の撤廃を目指し、多様性を尊重する。
3)政府の役割と社会的な責任を追求する
リベラル派は、政府の役割を重視し、社会的な公共サービスや社会保障、教育の普及などを通じて社会的な公平性を追求する。
政府の介入や規制を行い、市場の失敗や社会問題の解決に取り組む。
4)社会の変革や進歩を追求する
新しいアイデアや科学的な知見に基づいた政策を支持し、社会の発展と改善に注力する。
以上がリベラル派の特徴なのだが、リベラル派は多様な考え方や派閥を含む広範なスペクトラムであり、個々の人々や地域によって、その解釈や重視する政策領域が異なることは当然ある。
今さら聞けない保守派ってなぁに?
一方で、冒頭から登場している保守派とは、どういった特徴を持っているのか。
保守派は、政治的なスペクトラムにおいて伝統的な思考や価値観を重視し、変革や社会の急速な変化に懐疑的な立場を取るグループを指す言葉だ。
保守派の具体的な意味合いは、文化や国によって異なる場合があるが、一般的には下記のような特徴がある。
1)伝統と秩序の維持
保守派は、社会の伝統や秩序を尊重し、安定性や連続性の重要性を強調する。
過去の経験や伝統的な価値観を尊重し、社会の変化や急進的なアイデアに対して慎重な姿勢を示す傾向がある。
2)個人の責任と自立を重視する
個人の自己成長や自己啓発、努力や自己責任を重要視し、政府の介入を最小限に抑えることで個人の自由を促進しようとする。
3)保守的な社会的価値観に重きを置く
家族の重要性や結婚の尊重、宗教的な信念や道徳的な原則を重視し、社会の基盤を守ることに意義を見出す。
4)少数派を保護する
保守派は、社会の安定と秩序を維持する一方で、少数派の権利や利益を保護することにも関心を持つ。
社会的弱者や伝統的に抑圧されてきたグループの保護や公正な待遇を追求する。
とはいえ、保守派もまた、個々の人々や地域によって異なる解釈や政策の重視度を持つ広範なスペクトラムだということは併せて覚えておきたい。
なぜ保守派とリベラル派が生まれるのか?
結論から言うと、保守派とリベラル派が分かれる理由は、複数の要素が絡み合っているので一概にまとめることはできない。
ただ、そんな回答では意味がないので、いくつかの要因を挙げていく。
1)価値観や信念の違い
保守派とリベラル派は、社会の価値観や倫理観について異なる考え方を持っている。
これは、宗教、文化、教育などの要素によって形成されることがある。
2)社会や経済の変化への反応
保守派とリベラル派は、社会や経済の変化に対して異なる反応を示すことがある。
上述したとおり、保守派は、伝統や秩序を維持することを重視し、変化やリスクに対して慎重な立場を取る傾向がある。
一方、リベラル派は、変革や進歩を追求し、新しいアイデアや社会的な改革を積極的に受け入れる傾向がある。
3)社会的な格差や不平等への関心
こちらも上述したとおりだが、リベラル派は、社会的な格差や不平等を是正し、社会的正義を追求することに重点を置く。
一方で、保守派は、個人の責任や自立を重視し、制度や政府の介入を最小限に抑えることで、個人の自由や市場経済の原則を重視する傾向がある。
4)政府の役割と経済の規制に対する意見
保守派とリベラル派は、政府の役割や経済の規制に対して異なる意見を持つことが一般的だ。
保守派は、政府の介入を最小限に抑え、市場の自律性を重視する傾向がある。
一方で、リベラル派は、政府の役割を強化し、社会的な公平性や公共の福祉を追求するために経済の規制を行うことを支持する傾向がある。
くり返しになっている部分も多いが、これらの要素や他の要因により、人々は異なる政治的な立場や思想を形成することが、保守派とリベラル派が生まれる原因だといえる。
そして、その影響から、政治は多様性に富んだ社会の意見や利益を反映する場であり、保守派とリベラル派の対立や相互作用は、社会や政治の発展に貢献しているという見方もできるわけだ。
また、政治的な分かれ方は時代や社会の変化とともに変動することもあるが、異なる視点やアイデアを持つことで政治的な対話や政策の議論が促進され、より包括的な解決策が生まれることもある。
それから、保守派とリベラル派は必ずしも対立するだけでなく、一部の問題や政策においては共通の立場を持つこともある。
政治的なスペクトラムは多次元的であり、個々の人々は個別の問題に対して異なる立場を取ることもある。
したがって、保守派とリベラル派の対立は必ずしも二極化されたものではなく、多様性と複雑さを反映しているといえる。
保守的な人と非保守的な人の割合
ということで、保守的な人と非保守的な人の割合を明確に出したいところなのだが、この割合も一概に言えないというのが結論だ。
とはいえ、世の中には保守的な人が多い印象を持っている人も多いのではないだろうか。
実際、一部の地域や国では、保守的な考え方が広く受け入れられている可能性があるといわれている。
これは特定の宗教や伝統に根ざしている場合もある。
一方で、よりリベラルな思考や進歩的な考え方が主流となっている一部の地域や国も当然ある。
また、政治的なスペクトラムにおいても、保守派とリベラル派(進歩派)の間には多様性がある。
人々は個々の問題や政策に対して異なる立場を持つことがある。
統計データの収集や調査によって、保守的な人と非保守的な人の割合を推定することは可能だが、その数値は時間や地域によって変動することがあるというのが最適解だろう。
端的に説明すると、紛争地域と日本のような平和な地域を比較したときには当然考え方は変わるだろうし、一概に言えないというわけだ。
まとめ
私の周りには、保守的という言葉に対してアレルギーを持っている人が多いように思う。
つまり、どんどん革新的なことをやっていきたいという感覚の人が多いということだ。
とはいえ、それだけでは成立しないことも理解している人も多い。
車にアクセルとブレーキがあるように、どちらが欠けても上手く運転ができないのと同様で、バランスを取りながら世の理を形成していくことが求められるというわけだ。
とどのつまり、極端にどっちかに偏っているだけでは、真の意味でのイノベーションは生まれないということである。
【Twitterのフォローをお願いします】