主客転倒(しゅかくてんとう)
→ 主な物事と従属的な物事が逆の取り扱いを受けること。
人生においては逆転という事態がしばしば起きる。
それでは、なぜ逆転が起きるのか、その原因は下記のとおりだ。
結論から言うと、逆転が起こる原因は、状況や環境の変化によって従来の状況が変化し、新しい状況に適応する能力がある人や団体が現れるからだ。
そして、逆転が起こる原因の例を挙げると下記のとおりだ。
- 技術の進歩
新しい技術の出現により、従来の製品やサービスに代わるものが生まれ、市場のシェアを奪うことができる。
- 市場の変化
市場の需要やトレンドが変化することで、従来の企業や製品が不利になり、新しい企業や製品が台頭し、市場のリーダーになることができる。
- 組織の改革
組織内部での改革や革新が行われ、新しい戦略やビジネスモデルが導入されることで、企業がより効率的になり、競争力を高めることができる。
- 社会的・政治的変化
社会的な価値観や政治的な風潮が変化することで、企業や個人が新しいビジネスチャンスを見出し、逆転を果たすことができる。
- 個人の変化
個人の努力や能力の向上、または失敗から学んだ経験によって、逆転を果たすことができる。
様々な要因はあるけれども、とりわけスポーツの世界では感動的な逆転劇が起こりやすい。
そして、そんな逆転劇があることを知っているから、人はスポーツに熱狂するのかもしれない。
歴史的な逆転劇
ということで、歴史的な逆転劇の数々を紹介していこう。
アメリカ独立戦争
1777年のサラトガの戦いで、イギリス軍はアメリカ軍に敗北し、北部戦線での優位を失った。
この勝利により、アメリカ軍はフランスとの同盟を結び、イギリス軍に対して戦略的優位を獲得し、逆転劇を演じた。
第二次世界大戦
1942年のエル・アラメインの戦いで、イギリス軍はドイツ軍に勝利し、北アフリカ戦線での優位を獲得した。
この勝利により、連合国軍はドイツ軍に対して戦略的優位を獲得し逆転劇を演じた。
ブラジル vs スウェーデン
1958年のFIFAワールドカップ準決勝で、ブラジルは前半に1-0でリードしていたが、後半にスウェーデンに2点を返され、逆転されていた。
ところが、ペレが2点を挙げブラジルは逆転勝利を収め、決勝進出を果たした。
モハメド・アリ vs ジョージ・フォアマン
1974年のリンゴの戦いとして知られる世界ヘビー級ボクシングタイトルマッチで、モハメド・アリはフライイング・リンゴと呼ばれる戦法でジョージ・フォアマンを挑んだ。
予想外の戦法に戸惑ったフォアマンは、アリに左右のジャブを打たれ続け、8回にはノックアウト負けを喫し、逆転劇を演じた。
イングランド vs オーストラリア
1981年のアッシュズシリーズ(クリケットの試合)で、イギリスは第3テストでフォローオン(1回のイニングで200点以上の差がついた場合に行う)を迎えた。
ところが、イアン・ボスワースとイヴァン・コンプトンが繰り出した素晴らしいバッティングで逆転勝利を収めた。
ブラック・スワン事件
1982年のレバノン内戦で、イスラエル軍はレバノンに侵攻し、首都ベイルートを占領した。
ところが、同年9月にレバノンのキリスト教右派民兵グループが、サブラ・シャティーラ難民キャンプでパレスチナ人を虐殺した事件が発生し、国際的な非難を浴びた。
この事件により、イスラエルはレバノンでの戦略的優位を失い、逆転を経験した。
オーストリア vs アメリカ
1982年のFIBA世界選手権で、アメリカは予選リーグでオーストリアに敗れ、敗退が濃厚とされていたが、決勝トーナメントでは4試合連続で逆転勝利を収め、優勝を果たした。
ウィンブルドン vs リヴァプール
1988年のFAカップ決勝で、ウィンブルドンはリヴァプールに対して厳しい守備を展開し、試合終了間際に2点を挙げて逆転勝利を収めた。
マルセイユ vs ACミラン
1993年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝で、マルセイユは前半を0-1でリードされたが、後半に入ってから2点を挙げて逆転勝利を収め、初めてのチャンピオンズリーグ優勝を果たした。
ミランダ・ショー
1995年のNBAプレーオフのシカゴ・ブルズ対オーランド・マジック戦で、マイケル・ジョーダン率いるブルズは、レギュラーシーズンでの勝率72勝を誇っていた。
プレーオフでも無敗のまま決勝進出を果たした。
ところが、カリー・ペニーやシャキール・オニールらを擁するマジックに対して、ブルズは3連敗を喫し、ファイナル進出を逃した。
ナイジェリア vs ブラジル
1996年のアトランタオリンピック男子サッカー準決勝で、ブラジルは前半に2点をリードし、敗北が濃厚とされていたが、後半に3点を挙げて逆転勝利を収めた。
マンチェスター・ユナイテッド vs バイエルン・ミュンヘン
1999年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝で、マンチェスター・ユナイテッドは試合終了間際に逆転勝利を収めた。
バイエルン・ミュンヘンが試合を支配し、1点を先制したまま試合終了を迎えたが、マンチェスター・ユナイテッドは2点を挙げて逆転勝利を収め、チャンピオンズリーグ優勝を果たした。
ニュージーランド vs フランス
1999年のラグビーワールドカップ準決勝で、ニュージーランドは前半に24-10とリードしていたが、フランスが後半に逆転し、43-31でニュージーランドを破った。
ブラジル vs ドイツ
2002年のFIFAワールドカップ決勝で、ブラジルはドイツを2-0で下し、5度目のワールドカップ優勝を果たした。
オークランド・レイダース vs ニューヨーク・ジェッツ
2002年のNFLプレーオフで、オークランド・レイダースは第4クォーター開始時に13点差をつけられていたが、残り5分で3タッチダウンを挙げて逆転勝利を収めた。
ニューヨーク・ヤンキース vs ボストン・レッドソックス
2004年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズで、ボストン・レッドソックスは第3戦で0-3、第4戦で3-4とリードを奪われ、敗退が濃厚とされていた。
ところが、第4戦以降4連勝を果たして逆転でリーグ優勝を果たした。
リバプール vs ACミラン
2005年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝で、リバプールは前半を3-0でリードされたが、後半に入ってから3-3の同点に追いつき、PK戦で勝利した。
セルビア vs ドイツ
2010年のバレーボール男子世界選手権で、セルビアは第3セットまでで2セットを落とし、第4セットでも追いつかれる苦戦を強いられた。
ところが、最終セットで逆転勝利を収め、優勝を果たした。
ボルシア・ドルトムント vs マラガ
2013年のUEFAチャンピオンズリーグラウンド16で、ボルシア・ドルトムントは1stレグでマラガに0-1で敗れ、2ndレグでも試合終了間際に1-2とリードされました。
ところが、終了間際に2点を挙げて逆転勝利を収めた。
ドミニカ共和国 vs アメリカ
2013年のワールド・ベースボール・クラシックで、アメリカは予選リーグでドミニカ共和国に敗れた後、敗退が濃厚とされていた。
ところが、決勝トーナメントでは4試合連続で逆転勝利を収め、優勝を果たした。
バルセロナ vs パリ・サンジェルマン
2017年のUEFAチャンピオンズリーグラウンド16で、バルセロナは1stレグでパリ・サンジェルマンに0-4で敗れた。
ところが、2ndレグでは6-1で逆転勝利を収め、史上初めて4点以上差を覆す逆転劇を達成した。
サッカー日本代表 vs ベルギー代表
2018年のFIFAワールドカップで、日本代表は後半途中まで2-0でベルギー代表にリードしていたが、後半終了間際に3点を返され、逆転負けを喫した。
マイアミ・ミラクル
2018年のNFLプレーオフで、マイアミ・ドルフィンズは最終プレイでマイアミ・ミラクルと呼ばれる逆転劇を演じた。
相手のニューイングランド・ペイトリオッツが逆転を狙って最終プレイを行ったところで、マイアミはボールを奪う。
クォーターバックのタナー・ヒルがダニー・アンドレスにパスを投げ、彼が75ヤードのタッチダウンを決めて逆転勝利を収めた。
キャロライン・ウォズニアッキ vs ナオミ・大坂
2018年の全米オープンテニス女子シングルス決勝戦で、大坂は第2セットで6-2、5-3と2マッチポイントを持ち、優勝に王手をかけていたが、ウォズニアッキが逆転勝利を収めた。
イングランド vs オーストラリア
2019年のラグビーワールドカップ準決勝で、イングランドは前半で17-9とリードしていたが、後半に追加点を挙げず、オーストラリアに追い上げられそうになっていた。
ところが、最後まで粘り強いディフェンスを続け、逆転を許さずに勝利した。
オーセンティック
2020年のケンタッキーダービーで、オッズが8-1と低かったオーセンティックが、最後の直線でトップに立ち、人気馬のタイガーズプレイヤーを抑えて優勝した。
まとめ
歴史的な逆転劇を紹介したが、そのほとんどがスポーツであることは上述したとおりで、その中に戦争も含まれていることも知っておいてもらいたい。
いずれにせよ、人生には往々にして逆転劇という場面に出くわすことがある。
これがなにを意味するのか。
そう、簡単に諦めるなということだ。
本当に成し遂げたいことがあるなら、なりたい自分がいるなら、しつこくしつこく最期の最期まで粘って粘って粘って粘って粘りまくる。
その先に求めていた結果が出る場合もある。
そうやって手に入れた結果は高揚感がひとしおで、なによりも自分やその周りの人たちの自信になる。
それがまた新たな熱狂を生み、周りを巻き込んでいく。
そうやって歴史は紡がれていくし、その渦中にいられることはなによりも幸せなことだ。
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