弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)
→ 弱者が強者の餌食となること、優勝劣敗の意味。
力が強い者が勝つ。
当然の理論なのだが、なにをもって力が強いとするのかは、時代によって大きく異なる。
こと現代において欠かせないのは、デジタルマーケティングだ。
ということで、今やstak, Inc. の本業に近いともいえるデジタルマーケティングについて、改めてまとめていこう。
今さら聞けないデジタルマーケティングってなぁに?
デジタルマーケティングとは、PCはもちろん、スマートフォンやタブレットなどのデジタル端末を利用してインターネット上で行うマーケティング活動を指す。
スマートフォンの普及により、多くの人がオンライン上で情報に触れる回数や時間が大きく増加した。
そして、現在では1日にスマートフォンを利用する平均時間は1人あたり約3時間だといわれている。
また、総務省の令和4年版情報通信白書によると、インターネットなどに接続するために必要となる情報通信機器の世帯保有率は下記のとおりだ。
- モバイル端末全体:97.3%
- スマートフォン:88.6%
- PC:69.8%
デジタルマーケティング(Digital Marketing)は、直訳するとマーケティングのデジタル化となり、デジタルテクノロジーを活用したマーケティング手法全般を指している。
意外と多くの人がデジタルマーケティング = 自社のWebサイトを活用したマーケティングと誤解している。
確かに狭義としては間違いではないが、本来デジタルマーケティングとは、より広範なデジタルメディアを活用してビッグデータを得る総合的な展開を意味している。
そこにおいては、Webマーケティングのように自社のWebサイトに隣接するデータだけでは足りない。
口コミによる情報拡散に適したTwitter、Instagram、LINEなどのSNSは欠かせないツールとなっている。
また、設置場所の地域性を考慮した視聴者ターゲットの設定を行えるデジタルサイネージもまだまだ有効だったりする。
それから、顧客データをデジタルで一元管理や利用できるポイントカード、ターゲットがどこでアクセスしたかがわかる位置情報なども含まれる。
それに加えて、インターネットの情報からリアルな店舗へ顧客を誘導してネット店舗とリアル店舗とが連携するO2O(Online to Offline)を通じたアプローチも欠かせない。
そこから最適なタイミングで最適なメッセージをピンポイントで送ることで、顧客とより深い関係を構築することができるようになった。
以上から、デジタルマーケティングを定義すると下記のとおりとなる。
- 顧客満足度を高めた上で、デジタル技術を活用して売れる仕組みをつくること
- マーケティングとは、消費者がサービスや商品を購入するに至るまでに企業が行う取組みのことで、それにデータを掛け合わせたもの
- デジタルデバイス、デジタルメディア、デジタルテクノロジー、これらとデジタルデータとを掛け合わせ、フル活用したマーケティング手法
デジタルマーケティングが加速した背景
Webを活用したマーケティングが認識され始めた2000年ごろから、いくつものマーケティング手法が考案されてきた。
初期にはバナー広告やメールマガジン、アフィリエイト、SEOなどが注目を集めた。
そして、2005年ごろからはよりデジタルマーケティングに寄ったアクセス解析、メールマーケティングや個人の情報発信力評価に結び付くブログなどがマーケティングのトレンドになった。
さらに、2010年代に入るとスマートフォンやSNSの普及によりデジタルマーケティングの方向性が定まり、ビッグデータを活用する時代に突入した。
そして、2023年の今は最新技術として、AI、AR、VRが最新のトレンドとなっている。
そんなデジタルマーケティングには様々な手法があるが、自社に最適な手法を見つけることが必要だ。
他社が成功した施策を真似て取り入れたとしても、企業の製品やサービス、狙うターゲット層が企業によって異なるため、成功する可能性は低くなる。
自社に合ったマーケティング手法やマーケティングコストで運用することが、企業およびユーザ双方にとって最良だというわけだ。
施策の運用は、取り巻く状況の変化に応じて計画を修正していき、PDCAを回す必要がる。
そのためには、情報システム部だけではなく、マーケティング部門などの各現場の部門もプロジェクトに積極的かつ継続的に参加することが求められる。
統合型デジタルマーケティングのプロジェクトを成功に導くには、PDCAのサイクルを常に意識することと、全員参加で推進することが重要になる。
また、旧来の広告は、広く浅く、より多くの人に自社の製品やサービスを知ってもらうことが目的だった。
けれども、デジタルマーケティングは、より深く興味を持ってくれそうな特定の顧客層を狙って情報を発信することで威力を発揮する。
インターネットに誰でも簡単にアクセスできるようになり、検索やSNSという要素が追加され、デジタルマーケティングの広告の打ち方が変化した。
消費者がどのようなサイトを閲覧しているか、どのようなワードで検索しているかという履歴から、その消費者が今関心を持っているジャンルを特定し、それに合わせて広告を打つことができる。
ターゲットを絞り、必要な消費者にのみアプローチできるのがデジタルマーケティングの強みになる。
そんなデジタルマーケティングが、さらにChatGPTなどの汎用人工知能(AGI)の登場によって変化しつつあるのが、2023年現在だ。
SNSマーケティングについて
SNSマーケティングとは、Twitter、Instagram、LINEなどのソーシャルメディアを活用して商品の認知や販売を促進し、ブランド力の向上を行うことを指す。
SNSの普及率が年々高まり、検索からSNSとレコメンドといわれる現在において、SNSマーケティングは企業のデジタルマーケティング活動において欠かせない要素の1つとなっている。
少子超高齢化が叫ばれている昨今、総務省統計局の発表資料によれば、日本の総人口は2023年1月現在で1億2,477万人と、2010年ごろから減少フェーズに入っている。
ところが、それとは逆に、国内のSNS利用者数は増加傾向にある。
ICT総研の調査結果によると、国内のSNS利用者数は8,000万人を超え、2024年末には8,388万人(総人口の67%)に達すると予測されている。
2011年3月の東日本大震災発生後、電話やEメールが使えない状況が続く中、コミュニケーションツールとして特に注目を集めたのがTwitterだった。
震災発生直後から被害状況発信、安否確認、避難所情報、救助依頼、救援物資リクエスト、インフラ交通などの復旧状況など、様々な目的で大量のツイートが受発信された。
溢れる情報の中から自分が知りたい情報だけを効率よく読むことができるハッシュタグの使い方とその便利さを多くのユーザが知った。
また、個人や企業だけではなく官公庁もTwitterを使って情報発信を行うようになり、これをきっかけにSNSを始める人が増えた。
それまでは趣味の情報受発信の場、家族や友人との情報交換の手段という面が主にクローズアップされていたSNSだが、震災が契機となったわけだ。
つまり、重要な情報やニュースをリアルタイムに受発信できるツールとしての地位を確立した。
こうして私たちの生活に定着したSNSだが、市場はまだ成長過程ともいえる。
というのも、現在も新しいSNSのサービスが続々と登場し、それを取り巻く環境も変化しており、これはいたちごっこになると思われる。
処理しきれない大量の情報の中から、自らが求める情報を確実に得るために、ユーザは検索をより積極的に活用するようになった。
検索と聞くとGoogleの検索エンジンをまず思い浮かべる人が多いと思うが、トレンドはSNSで検索をする方向になっている。
総務省の令和3年通信利用動向調査の結果では、SNSを利用する目的として、1位が従来からの知人とのコミュニケーションのため、2位が知りたいことについて情報を探すためとなっている。
SNSマーケティング戦略の具体的施策
ユーザを取り巻く環境の変化、ユーザが情報を収集する行動の変化を理解した上で、企業はそれらに寄り添うようなマーケティング活動が必要になる。
すなわち、適切なタイミングでユーザが求める情報およびユーザが喜ぶ情報を提供し、良好なコミュニケーションを取ることが重要となる。
これらを実現させるためにSNSは最適なツールといえる。
SNS戦略の施策で重要なのは、すでにサイトやショップに訪れているオーディエンスを積極的に増やし、良好な関係を継続していくことだ。
そのためには複数のSNSサービスを活用するなど、オーディエンスが自社に辿り着くルートを多様化し、SNSの運用における顧客のリアクションなどデータを分析することが必要になる。
ところが、最大の目的はあくまでも売上および利益であり、商品やサービスにお金を払ってもらうことだ。
SNSのフォロワー数やリアクションだけでなく、Webサイトのトラフィックを見ることで、自社の訴求が正しいかどうかが理解できるというわけだ。
SNSマーケティングの戦略の立て方
- 地域、年齢層、嗜好などからターゲットを決定する
- どのSNSを使うか、最適な組み合わせを決める
- ライバル企業のフォロワーを見て、最適なターゲット層を掴む
- 狙ったターゲットに訴求できているかをデータから考察する
- Webサイトのトラフィックをチェックする
デジタルマーケティングの具体的施策
デジタルマーケティングを成功に導くためには、自社の商品やサービスに合った手法を選択することが重要だ。
無数にあるデジタルマーケティングの中から最適なものを選択するために、まず基本となる4つの手法について紹介していこう。
デジタルマーケティングにおいて基本となる4つの手法
- SEO対策(検索エンジン最適化)
- コンテンツマーケティング
- ソーシャルメディアマーケティング
- アドセンス活用
ということで、それぞれの手法をより具体的に解説していこう。
SEO対策(検索エンジン最適化)
SEO対策(検索エンジン最適化)とは、Googleに代表される検索エンジンで、自社のWebサイトを検索結果の上位に表示させる手法だ。
SEOによって検索結果で上位を獲得すると、月々の広告費などをかけずにWebサイトにアクセスを集め、認知度を向上させること ができるというメリットがある。
閲覧者に対して役立つ情報をわかりやすく掲載することがSEOの基本なので、Webサイト構造の見直しを行い、少しずつ改善を行っていく。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、価値ある情報の提供を行うことによって潜在顧客にアプローチし、売上や問い合わせの増加へと繋げていく手法だ。
継続的な記事コンテンツによる情報発信を行うブログ、自社サイト、パンフレット、社報、あるいは整理された情報コンテンツのダウンロードを促すホワイトペーパーなどの施策がある。
良質なコンテンツを提供することによって、潜在顧客は商品やサービスに関する知識を深め、興味や関心を強く持つようになり、購入や問い合わせなどのアクションへと繋がるのである。
こうした潜在顧客へのコンテンツ提供による顧客育成を、マーケティング用語ではナーチャリングと呼ぶ。
つまり、潜在顧客を見込み客、顧客へと育てていく効果が、コンテンツマーケティングには期待できるということになる。
ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングとは、Twitter、InstagramなどのSNSを活用して、自社の商品やサービスの存在を認知させ、Webサイトへと誘導する手法だ。
1回の投稿によって潜在顧客やフォロワーに伝えることができるメッセージは限られているが、常日頃からの情報発信によってブランドへの愛着を深める効果がある。
また、ソーシャルメディアは双方向コミュニケーションが可能であるため、運用方法を工夫することで商品やサービスに強い愛着を持ったファンの獲得も可能となる。
最近ではソーシャルメディアそのものがECサイトに近い機能を持つようになったことから、業種によってはソーシャルメディアを売上に直結させている事例もある。
アドセンス活用
アドセンス活用とは、ターゲットとなる顧客層が利用するメディアなどに広告を掲載することによって、Webサイトへのアクセスを増加させるデジタルマーケティングの手法だ。
Googleなどの検索エンジンに広告を掲載するリスティング広告をはじめ、他社のWebサイ トに広告を表示するディスプレイ広告、ソーシャルメディアに出稿するSNS広告などがある。
SEOやコンテンツマーケティングが自然にゆっくりと情報が拡散されることを狙った手法であるのに対して、広告運用では即効性の高いデジタルマーケティングが可能となる。
広告の掲載によって認知度を上昇させ、Webサイトへの集客を短期間で実現することができるので、キャンペーンや新商品のリリースなどとの連動によって効果が高まる。
まとめ
ChatGPTなどの汎用人工知能(AGI)の登場により、デジタルマーケティングの一部は少しずつ置き換えられつつある。
ただ、よくいう話なのだが、なぜそういった背景になったのかを知っておくことは重要だ。
つまり、歴史を知っておくことで次への対策が打てる場合があるというわけだ。
そして、なによりも心理戦に近いデジタルマーケティングの分野は奥が深くて面白い。
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