古今東西(ここんとうざい)
→ あらゆる時代、あらゆる場所。
あらゆる時代、あらゆる場所になにかしらの因果関係があって、時代は紡がれていく。
Z世代という言葉が浸透してきたかと思えば、また新たにα世代という言葉が出てきた。
ということで、まだまだ浸透していないα世代について書いていこう。
今さら聞けないZ世代ってなぁに?
とはいえ、いきなりα世代について書く前に、Z世代について簡単に解説しておこう。
今まさに新たな消費の主人公として期待されているのが、いわゆるZ世代と呼ばれる層だ。
年齢定義は様々だが、一般的には1990年半ばから2010年初頭に生まれた若者層を指すことが多い。
実年齢でいうと、2022年時点で10代半ばから25歳までで、中高生から新社会人といった層がZ世代ということになる。
そして、このZ世代の消費を取り込もうと、多くの企業がマーケティングを仕掛けている。
というのも、多くの人が簡単に情報にアクセスできるようになった結果、多様な価値観を持つ若者が増加している。
それから、SNSを中心に情報源やコミュニケーションの場も細分化しており、価値観や行動特性を捉えきれずにいるのもまた事実である。
こういったZ世代のハートを掴もうと多くの企業がまだまだ四苦八苦している中で、次世代が登場しているというわけだ。
Z世代の次のα世代ってなぁに?
α世代とは、2022年に12歳以下の世代を指すことが一般的だ。
iPhoneが日本に上陸した2008年以降に生まれている、完全なデジタルネイティブ世代ともいえる。
簡単にいうと、小学生以下なので自身での決済はできないというか、消費の主役に躍り出るのは当面先ではあるものの、確実に今後の消費のあり方を占う存在ではあるため注目されているというわけだ。
とはいえ、α世代の実像を把握するには、Z世代とは異なる難しさがある。
というのも、くり返しになるが、α世代にはまだ決済権がないので購買力がなく、現状は消費行動に親やそれに代わる立場の人が介入するため、その消費傾向や行動のデータが収集しにくいからだ。
つまり、企業側からすると、α世代向けの商品やサービスを訴求するには、親世代に取り入れてもらうこと、実際に使うα世代が楽しいという、2段階方式を取らざるを得ないというわけだ。
そんな中でも、α世代の分析が進んでおり、明らかにZ世代とは異なる傾向があるという。
α世代の6つの特徴
分析の結果、α世代には6つの特徴があるといわれている。
- モチベーションの足がはやい
- わからないことは調べない
- 楽しいだけではすぐ飽きる
- タイパ重視で答えありきで考える
- 理由付けがないと行動に移せない
- 価値観の多様化とコミュニティーの細分化
この6つの特徴を1つずつ具体的に書いていこう。
1)モチベーションの足がはやい
まず、モチベーションの足がはやいということが挙げられるが、これはなにかに興味を持ったとしても、長続きしない傾向があるということだ。
その理由は、生まれたころからスマホやタブレットがあり、いつでも大量の情報に触れられる環境が影響していると考えられている。
これは、検索からレコメンドへの時代へ変遷していることを何度も私は主張しているが、そこからさらに変化していることが影響している。
1980〜1985年に生まれた世代は、いわゆるミレニアル世代だが、この世代はPCやスマホを使い検索するのが一般化した世代だ。
わからないことや知りたいことがあれば、Googleを使うのが当たり前で、ググるという言葉はもはや知らない人はいないだろう。
これに対して、物心がついたころにはスマホやタブレットが、TwitterやInstagramなどのSNSに慣れ親しんできたZ世代は、SNSのハッシュタグを利用して、タグることが多い。
2)わからないことは調べない
そして、α世代はZ世代からさらに変化していて、調べない。
わからないことに直面すると、じゃあいいやと次の興味関心に移ってしまう子が多いというのである。
3)楽しいだけではすぐ飽きる
たとえ、楽しいという感情で一時はハートを掴んだように思えても、楽しいだけでは不十分だといえる。
α世代の日常は、情報もコンテンツも山ほどあるのが当たり前になっている。
ただただ楽しいだけでは埋もれてしまい、見つけてもらうことすら難しい時代になっている。
加えて、大人がゲームで遊ぶ姿を動画などで見て知っているため、本質でない子供だましのコンテンツはすぐに見破られてしまう
楽しいだけではなく、勉強になるとか家族のコミュニケーションツールになるといった理由が複数ないと、そもそも手にとってすらもらえなくなっているというわけだ。
4)タイパ重視で答えありきで考える
タイパという言葉も浸透し始めているが、Z世代、α世代と世代が若くなるにつれて、その傾向は強くなると考えていい。
タイムパフォーマンス、つまりタイパとは、費やす時間に対して得られる成果や満足感を高めることで、動画を倍速再生するといったこともその1つだ。
学校の授業のあり方も変わってきているといい、例えば理科の実験でBTB溶液を入れると青色に変わるといった具合いに、最初に答えを示した上で、その理由を考えさせるそうだ。
この4つの傾向は、Z世代にも共通していえる部分なのだが、α世代はさらに鋭さを増しているというところだろう。
5)理由付けがないと行動に移せない
それから、誰でも簡単に情報にアクセスすることができるようになった結果、若者たちは探せば答えが見つかる物事に対し、わざわざ自分が動く必要があるのかと考えるようになった。
そして、今後もより簡単に誰でも情報へのアクセスはできるようになるため、この傾向に拍車がかかるといわれている。
となると、余計に理由付けがないと動くことができなくなるというわけだ。
それは、α世代の親の多くがミレニアル世代であるという理由も大きい。
若いからころからインターネットやSNS全般に慣れ親しんでいて、自ら意見を発信したり商品やサービスを購入したりするときは口コミを判断材料にすることが多い世代だ。
となると、情報収集能力も長けていて、子育てに関しても失敗したくないと考える人たちが多い。
親子が揃って情報リテラシーが高く、それぞれが自分の意見を持つため、消費対象や価値観など共感できるものが多い一方で、親子との間に考え方の違いが生まれやすくなったというわけだ。
つまり、より個が重視されるようになってきており、自分自身の成功体験を押し付けるのではなく、データを伴った理由付けが必要だというわけだ。
6)価値観の多様化とコミュニティーの細分化
最後の特徴が価値観の多様化とコミュニティーの細分化だ。
α世代はZ世代よりデジタル技術で暮らしが便利になるという考えに肯定的で、ネット上にあふれる情報から自分に必要なものを取り入れる力に優れている。
要するに、必要な情報が個々にわかれれば、自ずと価値観は多様化し、コミュニティも必然的に小さくなっていくというわけだ。
また、α世代はZ世代と比べ、居心地の良いコミュニティを自らつくり出すことに秀でることも知っておくべきだろう。
小さいコミュニティが分散化することでビジネス機会も同時に増えていき、マーケットの総量は増大することが期待されているのである。
まとめ
α世代を攻略するために、すでに様々な企業が新たな取り組みを始めている。
桃鉄というゲームをやったことがある人も多いと思うが、教育の場面で桃鉄が使われるようになっているという。
桃鉄をやったことがある人なら理解できると思うが、日本の地理や地域の名産を学ぶのであれば、桃鉄は最適だろう。
ちょっとしたビジネス知識やコミュニケーション能力も身につくのもいいだろう。
他にも金融リテラシーを身につけるためのアプリや玩具もZ世代からα世代に向けて登場し始めている。
ということで、Z世代のことについても引き続き触れていくが、α世代についてのマーケティングやブランディングの観点からも今後は注目していこう。
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