虎穴虎子(こけつこじ)
→ 危険を冒さなければ大きな利益は得られないということ。
その昔、ビジネスの基本を教えてもらったことがある。
その教えは当然1つではなく、実践を交えて数々のことを教えてもらったわけだが、教えてもらった当時は正直よく理解できなかったものもある。
その1つが、ビジネスで大きくリターンを得ようとするのであれば、大きく踏み込まなければいけないということだ。
自分が経営者となると、このことが案外できない人が多いことに気がついた。
というか、できない人がほとんどなので、起業は難しいという解釈になるのだということを知った。
1つ質問をしてみよう。
あなたの財布に10,000円が入っているとしよう。
この10,000円を使ってしまうと、今月は全く余裕がなくなってしまうのだが、どうしてもやりたいことがあったときに、そのうちのいくらを投じるかという質問だ。
残念ながら、少しでも残すというリスクヘッジをしたり、お金を出すことに躊躇する人はビジネスで成功しない人だと言い切れる。
一方で、全額を即座に出せる、あるいは人から借りてでも出す金額を増やすという選択肢が即座に取れる人は、ビジネスで成功する可能性が高い。
この違いについて、私の見解を書いていこう。
あなたにとってのリスクヘッジとは?
まず、伝えておきたいのだが、リスクヘッジは非常に重要な概念だ。
なんでもかんでもアクセル全開では危険すぎるというわけだ。
肝心なことは、どこでどういったリスクヘッジを行っていくのかということである。
世の中には実に多くのタイプの人がいると日々痛感するのだが、それでも強引にギュッとまとめると、イケイケなタイプ、慎重なタイプのどちらかに分かれると思う。
そして、慎重なタイプの人の割合の方が多いイメージだ。
このことについてはなんの問題もないと思っているが、重要なのはアクセルを踏む瞬間をつくるということだと考えている。
つまり、基本的には慎重な姿勢がいいが、ときには大胆にアクセルを踏まないと平坦な人生になってしまうということだ。
具体的には、冒頭に投げかけた、月初に10,000円の現金しか財布にない状況で、これを使い切ると今月の生活がかなり厳しくなるという状況で、どのように使うのかということをイメージして欲しい。
それでは、なににどのように使うのか、どうやって判断するのか、私のイメージを書いていこうと思う。
今月10,000円しかないときの使い方
10,000円としたのは例え話なので、別にここが10万円だろうが、100万円だろうが、もっと大きな金額だろうが、正直あんまり関係ない。
重要なことは、そのお金を使い切ったら生活ができなくなるかもという状況で、どういう使い方をするのかということである。
まず、上述したが、なんでもかんでもアクセル全開で使い切るという人は論外だ。
つまり、本当になにも考えずに人生を過ごしている人だというレッテルを貼られても仕方がないということだ。
それは、なんの根拠もないギャンブルに突っ込むのと同様で、パチンコや競馬に10,000円を張る投機でしかない。
もちろん、確率論なので勝つこともあるだろうが、それは偶然でしかない。
かといって、なにも使わないという選択肢を取るのが正しいともならない。
確かに、なにもしなければなにも起こらないので、一見、安牌のように思える。
そういう行動を取ってもいい人は、既になにが起きても揺るがない資産があるといった人や本当に無気力な人のどちらかではないだろうか。
とどのつまり、アクセルをどのタイミングでどのくらい踏み込むのかが大切になる。
結論から言うと、全力でアクセルを踏まなければいけない。
けれども、そのタイミングが重要だということだ。
全力でアクセルを踏むタイミング
このアクセルを踏むタイミングだが、若いうちは比較的、自分が踏みたいと思ったタイミングで全力で踏み込んで問題ないというのが私の見解だ。
というのも、基本的に若いうちはそうはいっても全力の部分に限界があるからだ。
もちろん、例外的に成功した人や資本家の子孫だったりすると話が変わってくるが、10代や20代前半でいつでも100万円を使うことができるという人は特殊だろう。
となると、せいぜい使える金額は限られているのだが、そのときにできる最高の体験をすることがポイントになる。
中途半端にアクセルを踏むのではなく、前回にすることはできるようでなかなかできない。
例えば、10,000円しかなくても、美味しいものがどうしても食べたいという衝動に駆られたとしよう。
そこは人間の欲望なので素直に従えばいいのだが、ここで取るべき行動は、中途半端にいいものを食べようとしないことだ。
10,000円全てを使い切ってでもいいから、とにかく最高級のものを食べるということを推奨している。
次の日からの生活をどうしようなどと考えなくていい。
その瞬間に最高の体験をすることだけを求めればいい。
そうすることで生まれた体験は自分の中での糧になるからである。
10代のころ、20代前半のころ、10,000円しかなくて次にお金が入るまでに20日以上あるのに、全額使ってしまったというエピソードは後々使えるものになる。
とはいえ、使い切った瞬間はどうするのかという質問が出てくるのもわかる。
その答えは、使い切ってしまったら使い切ってしまったで、人間ななにかと動くものだということだ。
人からお金を借りればいいし、借りるとなるとそこには理由が必要になるので、どうやって借りようか考える。
本当に困っている人、返すあてのある人に対して、手を貸してくれる人は絶対に見つかる。
というか、1人もそういう人が見つからないという生き方そのものが問題だ。
なんとかしようと動くことで生きていく力が身につく。
拓ける未来と破滅への道
大切なことなので、くり返し述べておこう。
リスクを取ることができなければ、拓けた未来を体験することはできないが、破滅への道へ進むこともない。
つまり、なにも起こることはない。
一方でリスクを取ることで、どちらかに進むことはできる。
大きくリスクを取れば大きく拓ける未来を味わうことができるだろうし、失敗すれば破滅への道を進むことになる。
このときに大きなリスクとはどういうことなのかの理解をすることが重要だ。
アクセルを少しだけ踏んで、大きくリターンを得ようとしても無理だということだ。
世の中はそんなに甘くなく、中途半端に取ったリスクは中途半端な結果しか生まない。
けれども、全力でアクセルを踏んだときには、大きくリターンを得ることができるか、大きく破滅してしまうかの二択の結果が出る。
とはいえ、いつもアクセル全開でいくことは無謀でしかなく、それは勇気でも度胸でもない。
重要なことは、踏むべきところでアクセルを全開にするということだ。
まとめ
自分でした経験は、なにものにも勝る。
これは41歳を迎えて、歳をそれなりに重ねた結果、断言できる。
そして、誰もがしてきたような経験よりも、特別な経験を積んでいる方が価値があるということは理解してもらえるだろう。
それは若いうちにしかできないことも案外多く、時間的な制約があるのも事実なのだが、それよりもそういった行動を取ることができるというマインドを身につける方が重要だ。
若いといわれるときに、常にアクセル全開でいることができているようなマインドであれば、それは歳を重ねてもスタンスが変わらない。
それから、そこには適度なブレーキの踏み方を覚えていくのでバランスが取れるようになっていく。
もっというと、20代前半ほどのアクセルのベタ踏みは30代にはできなくなる。
それは、勢いがなくなっているという見方もできるかもしれないが、無謀、無茶、勇気、度胸といった真の意味を理解していくということだ。
ただし、そもそもアクセル全開という感覚がどういうものかを知らなければ、その領域にたどり着くことなどできないというわけだ。
若いという概念は抽象的ではあるので、若さを年齢で区切ることはしないが、やはり歳を重ねれば重ねるほど、アクセルを踏めなくなる傾向は強くなるだろう。
さあ、あなたの財布に今いくら入っているかを確認して、今日絶対にやりたいことが出てきたとしたら、いくら突っ込めるかを考えてみよう。
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