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2022年10月7日 投稿:ueda

韓国企業や韓流マーケティングから学べること

国威発揚(こくいはつよう)
→ 国家の威光を奮い立たせ内外に示すこと。

日本の国力が弱っているなんていうことを耳にしたことが誰もが一度はあると思う。

けれども、だからといってそこに本当に危機感を覚えている人がどれくらいいるだろうか。

ほとんどの人は対岸の火事だと思っている。

人間は自分が直面しないと危機だと認知しない傾向が強い。

以前にも書いたことがあるが、例えば、2011年に起きた東日本大震災についてだ。

物理的に遠くにいる人ほど実感がなく、他人事のようにしか思わないということだ。

当時、私が日本橋の交差点にいて、これでもかというくらい揺れたという話を広島でしても、ふ〜んという反応する人がほとんどだった。

一方で、広島で何度か起きている大規模な水害の話を東京でしても、ふ〜んという反応をする人がほとんどだった。

この傾向はそういうものだと割り切った方がいい。

その上で、それでも高みを目指したいと思うのであれば、そんな人たちとは交わらないように自分で動き出すしかないのである。

すなわち、狭くて閉塞感の漂う日本だけを見ていることに違和感を覚えなければいけない。

国力を嘆く前にやるべきこと

ここ数年で完全に定着したのが動画配信サービスだ。

お家時間が増えたという人も多いだろうが、私もそんな環境下でNetflixを筆頭に様々な動画配信サービスを利用するようになった。

中でも韓流ドラマをよく見るようになったのだが、クオリティが高いと感じさせてくれる韓流ドラマがほとんどだ。

後に知るのだが、実は韓流ドラマには一定のフォーマットがあるそうだ。

何話のどこになにを演出として持ってくるとか、明確に定められていて、そのとおりに作られた作品は比較的ヒットしやすいという。

そのあたりも徹底しているわけだが、韓流ドラマはずっと輝かしいものであったわけではない。

ときは1995年あたりに遡る。

当時は、日本の大衆文化は韓国では禁止されていて、日本の音楽や映画は表向きには輸入してはいけない商品だった。

それにも関わらず、ソウルの路上の屋台に置かれたラジカセからは長渕剛の名曲である、とんぼが大音量で流れていた時代だ。

政府の規制をかいくぐった、ジャニーズファンの若者たちが、カフェを貸し切って、V6や嵐のMV上映会を開いていた。

当時の韓国の若者たちにとって日本のエンタメは、間違いなく先を行くイケてるものだったのである。

2004年、韓流ドラマの冬のソナタが大ヒットし、主演のペ・ヨンジュン人気が急上昇したという記憶がある人もいるだろう。

ヨン様ブームが世間を賑わせ、後に第一次韓流ブームといわれるようになったのが、2004年だ。

一方で、韓国では安室奈美恵の評価が爆上がりしていて、彼女の熱狂的なファンが増えた年でもある。

そう、紛れもなく20年前の日本のエンタメは、少なからず韓国のエンタメと肩を並べていた、あるいはそれ以上の評価を受けていたのである。

20年という月日が変えたもの

2004年から約20年という月日が流れていく中で、どのような変化が起きたのだろうか。

仰々しく書くほどでもないが、韓国のエンタメと日本のエンタメを比べたときに、どちらがワールドワイドなのか回答するとなると、その答えは明確だろう。

この20年の間に、なぜ韓国のエンタメはグローバルに展開することができるようになったのだろうか。

韓国社会は、軍事政権下の民主化運動、1997年に起きた経済危機のIMFショックで起きた産業構造の転換、世界的なデジタル社会への変貌などに適応しようとすることで変わってきた。

韓国エンタメ産業は、動画サイトやSNSなどネットサービスの登場と普及で大きく変化してきた。

政府の介入により、一気に世界トップクラスのエンタメを提供する国というポジションを手に入れた韓国だが、なにもエンタメの世界だけではない。

グローバル企業として成長を続けている有名企業も耳にしたことがあるはずだ。

世界で通用している韓国企業

サムスン、ヒュンダイ自動車、 SK、 LG、 ロッテ、ポスコなど韓国企業の躍進は、韓国のエンタメの歴史とリンクしていて、ここ20年のことだ。

2012年8月10日時点で主要16業種のうち、半導体、ディスプレー、石油元売り、建設、鉄鋼、造船の6業種が上回っている。

今から10年前の、サムスン電子の時価総額は14兆8,000億円で東芝を圧倒したし、LGディスプレーの時価総額は6,500億円で、シャープを上回った。

石油元売りのSKイノベーションは1兆1,000億円で、JXホールディングスをやや上回り、ポスコは新日鉄を大幅に上回り、現代重工業は三菱重工業を抜いてから3年目となったのが2012年だ。

なぜ日本企業は世界最高の技術やモノづくり文化を持っていながら稼げないのか、また韓国企業に負けてしまうのだろうか。

その理由は下記のように挙げられる。

  • 過去の成功体験に安住したことによる日本企業の怠慢
  • アジアや新興国市場の台頭など世界潮流を見極められなかった
  • 日本の技術神話を妄信して殿様商売に甘んじた結果
  • 韓国企業の躍進の過小評価
  • グローバル人材の不足

まさにそのとおりだという指摘しかないように思う。

日本企業と韓国企業の経営スタイル比較

それでは、隣国であるにも関わらず、なぜこんなにも差が開いてしまったのだろうか。

日本企業と韓国企業の一般的な経営スタイルを比較することで、

経営スタイル

日本企業の経営スタイルがモノづくり指向経営に対して、韓国企業の経営スタイルはマーケティング指向経営という傾向がある。

技術開発

日本企業の経営スタイルが技術改善と擦り合わせを行う技術イノベーションに対して、韓国企業の技術開発は購入技術と自社開発技術を組み合わせた技術マネジメントだという傾向がある。

海外戦略

日本企業の海外戦略は基本的に日本モデルを輸出するという日本化に重きを置いているのに対して、韓国企業の海外戦略は基本的に韓国モデルの修正を行う韓国モデルの修正を根本に置いている。

投資戦略

日本企業の投資戦略の基本は海外市場で稼いだ利益を国内市場に再投資するというスタンスに対して、韓国企業の投資戦略は国内寡占市場で稼いだ利益を海外に注ぎ込むという対象的なスタイルだ。

リーダーシップ

日本企業におけるリーダーシップ像は優れたバランス感覚とリスク回避力が求められるのに対して、韓国企業のリーダーシップ像はトップダウンによるスピード経営とリスクテイキングが求められる。

人事戦略

日本企業の人事戦略においては下記が重宝される。

  • 熟練人材を育成するため組織能力が高い
  • 経営責任は部署など組織的に追求されるため チームワーク力が高い
  • 定年が引き上げ傾向にあるため愛社精神が強い

一方で、韓国企業の人事戦略は対象的に下記が重宝される。

  • エリート人材育成や徹底した高額報酬と解雇による成果主義
  • 業績達成に対する責任感が強い
  • 50代前半で実質的に定年になるため人件費のコスト競争力が高い

韓流マーケティングの基礎

韓流マーケティングとは、まずは映画、ドラマ、音楽、オンラインゲームなどのソフトを売って韓流ファンを作り、その後にスマホや家電などのハードを売るというものだ。

韓流マーケティング4段階説

  • 第1段階:音楽やドラマに触れてスターを好きになる
  • 第2段階:DVDなどを購入する
  • 第3段階:電子機器や生活用品を韓国製品を選び始める
  • 第4段階:韓国そのもののファンになる

この4段階説が根本にある。

また、K‐POPの成功要因は下記のように分析することができる。

それは、アジア市場を意識したグローバルマインド、長期的な視点に立った高い計画性、大規模投資によるリスクへの覚悟、大企業並みの経営システム管理、打たれ強さといった具合いだ。

より詳細を書いていくと、次のとおりだろう。

  • アジアを単一市場とみなして長期的な計画に基づいて大規模投資を行ったこと
  • 体系的な歌手育成システムを通じたレベルの高い音楽制作力を築き上げたこと
  • 企画、製品発表、広報、輸出というシステムの体系化と徹底した管理
  • 韓流の拡大に伴う拡大する反韓流への対応

ここに上述した官民連携による海外市場開拓が加わったことが勝因だといえる。

まとめ

いろいろと書いてきたのだが、私は韓国企業や韓国のエンタメがグローバルになった最大の理由は、1997年に起きた経済危機のIMFショックで起きた産業構造の転換だと思っている。

日本企業の衰退がずっと叫ばれているが、私はそのまま衰退していっていいと考えている立場だ。

というのも、落ちるまで落ちれば、あとは上がるしかないからである。

そこまで落ちなければ本当の意味での危機感は浸透しないと思っている。

 

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植田 振一郎 Twitter

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