高材疾足(こうざいしっそく)
→ 優れた才能と技量があること。
優れた才能と技量は生まれつきではなく、多くの場合はいわゆる努力から生まれる。
そして、その優れた才能と技量を持った人が大企業を生み出していく。
今や一線を退いたジェフ・ベゾスもその1人で、彼がつくり上げた企業は今や誰でも知っているクローバル企業となっている。
そう、Amazon(アマゾン)である。
そんなAmazonが、とある企業を買収するという話が経済界を賑わせた。
Amazon(アマゾン)がRoomba(ルンバ)を2,300億円で買収
2022年8月5日、アメリカのアマゾン・ドット・コムがロボット掃除機のRoomba(ルンバ)で知られるアメリカのiRobot(アイロボット)を買収すると発表した。
買収金額は、負債を含めて約17億ドル(約2,300億円)とのことである。
この買収は非常にシナジーの高いものだという評価が一般的だが、私も全く同感である。
2002年にRoomba(ルンバ)を発売したiRobot(アイロボット)は、いわゆるロボット掃除機に多くのイノベーションをもたらしたリーディングカンパニーだ。
一方で、Amazon(アマゾン)も家庭用見回りロボットである、Astro(アストロ)を発売したり、2018年にセキュリティーカメラ事業のRing(リング)を買収している。
この買収経緯からも、Amazonがスマートホーム分野にいかに力を注いできたかが理解できる。
Amazon(アマゾン)の描く理想のスマートホーム
Amazon(アマゾン)がいかにスマートホーム分野に力を入れているか、残念ながら日本ではあまり知られていない。
stak, Inc.のCEOでいるとよくわかるのだが、日本ではなかなか浸透しないスマートホームという概念が浸透しないことにもリンクするのだが、その状況を打破すべく知っておくべき存在がある。
それが、Amazon Experience Center(アマゾン・エクスペリエンス・センター)という、Amazonが展開するモデルハウスだ。
このモデルハウスは、Amazonががアメリカの住宅建設大手レナーと提携して、2018年から展開していた。
過去形になっているのには理由があって、このモデルルームは2019年の春ごろまであったのだが、その後は展開がない。
こうやって聞くとネガティブに捉えられるかもしれないが、そうではない。
モデルルームはスマートハウス仕様の住宅として販売されており、完売したため、実質モデルルームがなくなったという経緯である。
つまり、日本よりもスマートホームの分野が進んでいるアメリカではモデルルームの必要性はなく、一般的にAmazonの商品も普及しているという判断がされたのだろう。
Amazonからの商品として、有名なのはAlexa(アレクサ)の呼び声で反応する、スマートスピーカーのAmazon Echo(アマゾンエコー)が代表的だ。
日本でも認知度は少しずつ上がっているとは思うが、Amazonの理想とするスマートハウス、Amazon Experience Center(アマゾン・エクスペリエンス・センター)はどんな感じだったのか。
スマートホームでできること
2018年当時、Amazonの理想とするスマートハウス、Amazon Experience Center(アマゾン・エクスペリエンス・センター)は、アメリカの15都市近郊に設けられていた。
カリフォルニア州ロサンゼルス、テキサス州ダラス、ワシントンD.C.などである。
このモデルハウスは、当然だが、IoTデバイスがスマートに使えるように建物の隅々まで届くWi-Fi環境が整備されていた。
スマートスピーカーのAmazon Echo Dot(「エコードット)やEcho Show(「エコーショー)、上述した買収したばかりのRing(リング)のIoTデバイスが設置されていた。
そんなモデルハウスは、ちょっと先の未来を体感できる施設だったわけだ。
Amazon Echoを通じて、声がトリガーとなってスマート家電が操作できたり、Dash Button(ダッシュボタン)やFire TV(ファイアTV)といったAmazonから出ているデバイスとも連携されていた。
例えば、ベッドルームに移動してAlexa(アレクサ)おはようと話しかけると、部屋の照明がやんわりと点灯し、窓のシェード(カーテン)がオープンするといった具合だ。
さらに、Amazon Echoからはプライムミュージック経由のBGMがさりげなく流れ、その日の天気を知らせたり、自宅から勤務先までの通勤時間を、その時の交通状況を把握して知らせてくれる。
また、Alexaおやすみと話しかけると部屋の照明とBGMが消え、さらに玄関のドアに自動で鍵がかかる仕組みが導入されていた。
他にも、Alexaに映画の時間を伝えると、映画を気持ちよく鑑賞できるよう、部屋のシェードが自動で下がり、照明が暗めになり、テレビがつくといった設定が施されていた。
キッチンでパーティタイムを伝えると、シェードが下がるだけでなく、ノリの良い音楽がかかり、キッチンの間接照明が自動で色合いが変化するパーティー仕様になることも可能だった。
スマートホームを彩るもの
Amazon Experience Center(アマゾン・エクスペリエンス・センター)には、他にも多くのIoTデバイスで彩られていた。
例えば、室温を自動調整するスマートサーモスタット装置や手ぶらで家から出入りできるキーレスエントリー機能が備えられていた。
それから、キッチンにも上述したDash Button(ダッシュボタン)複数設置されていた。
パントリーにはティッシュペーパー、ペーパータオル、飲み物などが置かれており、棚に貼られているダッシュボタンで置いてある商品を簡単に注文できるようイメージさせる仕掛けが施されていたわけだ。
そして、実はこのモデルルームにはRoomba(ルンバ)もあったのだ。
Alexa(アレクサ)、掃除してと話しかけると、ルンバが動き出して掃除を始めるという、当時からAmazonが描くスマートハウス構想にとって、ルンバは重要な要素の1つだった。
それが、時を経て買収に至るという流れになったわけで、ある意味で必然だったのかもしれない。
ロボット掃除機市場とスマートホーム市場
ロボット掃除機市場は、2020年に46億5,000万ドル(約5,000億円)の規模に達した。
そして、2021〜2026年の間に市場は18.4%のCAGRで成長すると見込まれている。
一方で、世界のスマートホーム市場は、2020年には約765億ドル(約8兆1,860億円)となっており、2021年から2027年の予測期間中に約10.4%の健全な成長率で推移すると予想されている。
世界のスマートホーム市場は2027年までに1,529億ドル(約20兆円)に達するというわけだ。
こうして比較すると、実は家庭用お掃除ロボットの市場規
Roomba(ルンバ)はあくまで家庭用お掃除ロボットで、ロボット掃除機市場には当然業務用も含まれるので、そうやって考えるとなおさらマーケットは小さくなる。
ただ、スマートホーム市場全体を見るとその一部を担うことになるため、約17億ドル(約2,300億円)での買収は決して高い買い物ではないだろう。
Amazonの本質はECサイトなので、Roomba(ルンバ)関連商品をAmaz
懸念点があるとすると、独禁法に触れる可能性もあること
まとめ
Amazonを筆頭に世界では日本よりも圧倒的にスマートホームが浸透しつつある。
日本では正直、まだまだだというのは非常に感じるところである。
ただ、そこは決してネガティブに捉えておらず、なぜなのかをしっかり分析し終わったといったところだろうか。
その上での仕掛けを、stak, Inc.は次々に仕掛けていくので、是非注目してもらいたいところだ。
【Twitterのフォローをお願いします】