合歓綢繆(ごうかんちゅうびゅう)
→ 男女が深く愛し合うさま。
定期的に愛や愛情表現に関する四字熟語が登場する。
こういったテーマが出てくる度になかなか困るということは以前も書いたかもしれない。
とはいえ、またこういったテーマが来ることも想定はしていた。
ということで、今回は縁のない愛をテーマにした作品について書いていこうと思う。
今さら聞けないロミオとジュリエットとは?
男女の関係を描いた有名な作品に、ロミオとジュリエットがある。
私はこのあたりが本当に疎いのだが、生きている中でロミオとジュリエットというワードを聞く機会は何度かある。
そして、なんとなくだがシェイクスピアがつくった恋愛がテーマの戯曲だということも知っている。
とはいえ、興味がなくて映画やミュージカルも見たことがないので、せっかくなのでどういった物語なのか、もう少し詳しく知ってみようと思う。
ロミオとジュリエットの登場人物
- ロミオ:モンタギュー家の一人息子
- ジュリエット:キャピュレット家の一人娘
- ロレンス神父:ロミオとジュリエットがなんとか結ばれる方法はないか策を講じる人物
- ティパルト:広場でロミオにケンカをふっかけてくる人物
ロミオとジュリエットのストーリー
モンタギュー家とキャピュレット家は犬猿の仲。
しかし、モンタギュー家の一人息子のロミオは、街で一番美しいと噂のキャピュレット家の一人娘のジュリエットに会いたくてたまらず、舞踏会に忍び込む。
そこで、二人はお互いに一目惚れする。
ロミオはジュリエットと駆け落ちしようとするが、親友の敵のティパルトから決闘を挑まれて、ティパルトを殺してしまう。
そして、ロミオは街を追放されてしまう。
ジュリエットはロレンス神父に相談に行く。
すると、ロレンス神父から24時間仮死状態になる薬をもらう。
一旦死んだことにして、こっそりロミオと駆け落ちさせる計画を企てる。
この計画をロミオに伝えるために使いを出すが、追放されているロミオになかなか上手く計画を伝えることができない。
そして、ロミオは仮死状態のジュリエットを見て本当に死んでいると思い込み、毒薬を飲んで自殺してしまう。
目覚めたジュリエットもまた、隣で死んでいるロミオを見て、その短剣で自殺してしまう。
おぉ、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの
このセリフは作品を見たことがなくても、なんとなく聞いたことがある、有名なセリフである。
ロミオとジュリエットのあらすじ
なんとなく、ストーリーといいたいことがわかったと思うが、なぜここまでロングセラーになっているのかには理由があるはずだ。
というわけで、もう少し詳しくあらすじを書いていこう。
ときは400年ほど前、場所はイタリア。
ヴェローナの街では、モンタギュー家とキャピュレット家が血で血を洗うような争いをくり返していた。
しかし、ある夏の夜。
モンタギュー家の一人息子のロミオが、キャピュレットの家の舞踏会に参加すると言い出した。
とんでもない、バカなことはやめろ、バレたらどうするんだとロミオの友人たちは心配して止めたが、ロミオはこう言った。
仮面をつけているから大丈夫だよ、ヴェローナで一番美しいと言われているジュリエットに、ひと目でいいから会ってみたいんだ
ロミオは舞踏会に参加した。
そこで、とうとうジュリエットと踊れることになった。
そして、お名前はと仮面をつけたジュリエットが聞くと、ロミオだと答える。
まさか、モンタギューのロミオ?
ジュリエットは立ちすくみ、仮面を取ると、ロミオはその美しさに圧倒されて、思わず自分の仮面も取った。
こうして2人は、互いに一目惚れしてしまった。
夜更けになると、ジュリエットはベランダに出て、庭に潜んでいるロミオに向かって囁く。
ロミオ、私はあなたが大好きです、モンタギュー家の方でなかったら、すぐにでも結婚したいほど大好きです
すると、ロミオをこう返す。
僕たちの愛に家系は関係ない、明日、ロレンス神父に結婚式をあげてもらおう
しかし、翌日。
ロミオは、キャピュレット家のティパルトにケンカを売られてしまう。
ティパルトは、ロミオの親友のマーキューシオを殺した敵だ。
それでもロミオは今はそんな暇がないのでと争いを避けようとした。
ところが、逃げるなロミオとティバルトは剣を振りかざしてきた。
仕方なく、ロミオは応戦し、ロミオはティパルトを殺してしまう。
こうして、ロミオは街から追放されてしまった。
その後、両親に結婚相手を決められてしまったジュリエットは、ロレンス神父を訪ねた。
ティバルトはジュリエットの母の大切な甥だったので、両親がロミオを憎む気持ちも理解ができるジュリエット。
でも、ジュリエットが愛しているのはロミオだけ。
両親が決めた結婚相手のパリスと結婚させられるくらいなら、死んだ方がマシだとロレンス神父に訴えた。
するとロレンス神父は小さな薬の瓶をジュリエットに差し出した。
それは、42時間の間、仮死状態になる薬だった。
ジュリエットの描いたストーリーは、ジュリエットが一旦死んだことにして、両親やパリスに結婚を諦めさせる。
仮死状態が解けた後に墓場で目覚めたジュリエットをロミオが迎えに行くというものだった。
今夜この薬を飲みなさい、死ぬほどの勇気があれば飲めるでしょう、ヴェローナの街を離れてロミオと幸せになりなさいとロレンス神父は告げた。
次の朝。
キャピュレット家は悲しみに包まれた朝を迎えることになる。
計画どおり、ジュリエットの体は墓場に運ばれた。
噂を聞きつけたロミオは、慌てて街に帰ってきた。
実はロレンス神父は、ロミオにこっそりと使いを出して計画を伝えようとしていた。
けれども、運命の悪戯か、ロミオと使いの者は行き違いになってしまったのである。
ジュリエットは、まだ14歳で若くてキレイで未来があった人がなぜ死ななければいけないんだとロミオは悲しみに暮れる。
誰か墓場に案内してくれと墓場へと向かうロミオ。
真っ暗で静まり返った墓場で、ロウソクの灯りの中に横たわったジュリエットがぼんやりと見えた。
ロミオはジュリエットの冷たい手や足に触れ、頬や唇にキスを降らせた。
ジュリエット、大好きな、愛しい人、応えてくれ、ジュリエット!
ロミオの叫び声が、闇の中に吸い込まれていく。
ロミオは、ヴェローナの街を出ようとしたときに見知らぬ男から買った毒薬を取り出した。
売買が禁じられている、とても高価な薬だ。
ロミオは一気に毒薬を飲み干すと、ジュリエットの隣に横たわった。
仮死状態から42時間後に目覚めたジュリエットは驚くと同時に慌てふためいた。
目覚めたときに、ロミオが近くにいることはロレンス神父から聞いている。
でも、死んでいるなんて誰が思うでしょう。
ジュリエットはロミオを抱きめると、まだほのかに温かみがあったが、瞬く間にに冷たくなっていく。
そして、近くにあった薬の瓶を確かめると、こう呟いた。
薬を残しておいてくれたら、同じ毒で私も死ねたのに
ジュリエットは必死になって辺りを見回すと、ロミオが身につけていた短剣を手に取った。
すると、ジュリエットは躊躇することなく、自らの胸にロミオの短剣を刺した。
後から来たロレンス神父は、並んで死んでいるロミオとジュリエットの姿を見つけた。
ジュリエットは幸せそうに微笑んでロミオの胸に寄り添い、まるで眠っているようにも見えた。
モンタギュー家とキャピュレット家の両家も2人の姿を目にした。
私たちの争いが、若い2人の命を奪ってしまった
両家は深く後悔した。
ロミオとジュリエットを一緒のお墓に埋めると、金輪際、争いはやめようと固く誓いあったのである。
まとめ
くり返しになるが、ロミオとジュリエットはイングランドの劇作家であるシェイクスピアの戯曲だ。
ロミオとジュリエットから学ぶ教訓というのは、悲劇から学ぶ争いの醜さを象徴しているということだろう。
わかりやすく多くの人の共感を得やすい一方で、様々な憶測があることも知った。
なぜロミオが舞踏会に簡単に踏み入れることができたのかとか、ロレンス神父がわざとロミオに使いを送らなかったのではないかといったものだ。
おそらく、こういったいろいろと解釈によっては派生したストーリーが生まれやすい原作だという側面もロングセラーになっている要因なのだろう。
そこまで考えてシェイクスピアがロミオとジュリエットという作品を作り込んでいたとしたら、なかなかの策士である。
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