堅忍不抜(けんにんふばつ)
→ 意思、節操が堅く、つらいこともにも耐え、心を動かさないこと。
意思や節操が堅いということは、もちろん悪いことではないと思う。
つらいことにも耐え、心を動かさないという自分を貫くという姿勢も全然ポジティブに受け入れられることだ。
ただ、ここもバランスが非常に重要だと思っていて、自分を貫くということは意地になることではない。
我慢をすることでも、無駄な時間を過ごすことでもないということを誤解した人も多いように思う。
小さなプライドを捨てる勇気
はるか昔にこの議論については答えが出ているのだが、未だにこの結論に行き着く場面が多い。
というのも、あなたの小さなプライドを捨てた方がいいという結論だ。
今一度、この結論について書いていこうと思うが、もしあなたが今、上手くいかないと思っていることがあったとすると、その原因はあなたの小さなプライドにあるかもということだ。
そのことによって、周りが動けなかったり、余計な時間とコストが発生している可能性が高いということだ。
例えはいくらでも出てくるのだが、ショッピングの場面をイメージして欲しい。
今やネットショッピングは当たり前の時代で、様々なECが登場していて、日々便利になっている。
それにも関わらず、未だにわざわざリアル店舗でなければ買い物をしないと決めつけている人がいる。
重たい飲み物や日用品の中にも重たいものやかさばるものはたくさんあるのだが、自分で運ぶという選択をする人が一定数いる。
もちろん、そう決めている人の生活に対してとやかくいう資格はないのだが、なぜそんな無駄なことをするのだろうと純粋に思ってしまう。
ネットショッピングをすることで、玄関の前まで重たいものやかさばるものを持ってきてくれるわけだし、リアル店舗まで行く時間も不要になる。
ネットで買う方が安い場合もあるし、定期的に届けてもらうことだってできる。
デメリットは特にないように思うのだが、頑なにネットショッピングをしない人は、ネットは信用できないというよくわからないロジックを持ち出す傾向が強い印象だ。
その根本にあるのが、仕組みがよくわからないということから、自分のリテラシーの低さが故に使ったこともないのに信用できないと結びつけるというロジックだ。
丁寧に教えてくれる人が周りにいるのに、受け入れようとすらしない姿勢の人も多い。
こういった状況が、まさに小さなプライドの代表例なのだ。
同じような場面は多々あるが、小さなプライドが生まれるに際して、共通していえるのは下記のとおりだ。
- 知らないことやわからないことを受け入れようとしない姿勢
- 教えてくれる人や知れる環境にあるのに断るという姿勢
- 自分から解決しようとしない思考停止の姿勢
くり返すが、私には別に自分はそうやって生きていくと決めた人に関して、とやかくいう資格はない。
けれども、小さなプライドを捨てて、受け入れるというマインドを持つことで世界が拡がるし、新たな経験を積むことができるのは事実だ。
物事が上手くいかないと嘆いている人の多くに、そういった小さなプライドを多く持っているように感じるという主張をしているという理解をして欲しい。
40代おじさんの意識
とまあ、偉そうに書いてきたが、自分自身は思考停止をしていないのかということを含めて、振り返る時間を取ってみようと思った際に、ちょうどいい記事を発見したので紹介しよう。
(出典:日経クロストレンド)
まさに私も40代おじさんなので、つい読んでしまったのだが、20年前の2022年の40代おじさんの意識について書かれている。
まず、世の中一般のおじさんについて、そう思うというイメージと自分自身を自己分析して、そう思うというイメージを重ねたアンケートが面白い。
例えば、世の中一般のおじさんをダサいとかセンスがないと思うおじさんは70%に上るのだが、自分自身をダサいとかセンスがないと思うおじさんは27%に留まっているのだ。
つまり、自分自身はそこらのおじさんとは違うという意識が強いという結果が出ているわけだ。
他に乖離が大きいイメージ項目としては、下記が興味深かったので列挙しておく。
- 元気がない:一般 59% / 自分 23%
- 遊び下手:一般 78% / 自分 50%
- オシャレ下手:一般 80% / 自分 41%
この結果から、若者には負けたくないというか、世の中から取り残されてはいないというアピールというか、いわゆるダサいおじさん側には行きたくないという抵抗が強いように感じる。
私自身にも当てはめてみると、確かにその意識は否めないと思うが、全部で20項目のイメージに対して、一般よりも自分が下回っているのが、まさに全てだろう。
少なからず、こういった傾向が小さなプライドを生んでいるわけで、それは誰にでもあるということをまずは気づきとして理解すべきなのである。
20年前のおじさんと現在のおじさんの意識の変化
上述したデータからもわかるとおり、おじさんの根本にある意識は不変であると思っていいはずだ。
とはいえ、長期的に見た際に変化は当然あるわけで、現在のおじさんと昔のおじさんの変化についても、せっかくなので触れていこう。
記事によると、中でも大きな変化が3つあったという。
1)男性でも育児休暇を取得するべきだと思う
24年前の1998年の25.1%から2020年は41.4%と16.3%のプラスになっている。
ただし、この傾向は40代おじさんに限ったものではなく、全体平均の回答でも1998年の33.3%から2020年47.9%で14.6%増になっている点は留意したい。
とはいえ、夫も家事や育児を優先すべきだと思うという項目に対しても、1998年の21.1%から2020年34.7%と13.6%増になっている。
このことから、20年前の40代おじさんに比べれば、現在の40代おじさんは、家事や育児に対する理解や妻や家族への共感は高まっているといえるだろう。
2)約束の時間を過ぎて友人を待っている時間にイライラする
この項目に対して、40代おじさんは全性年代で最も高い数値となっている。
他にも下記のイライラするという項目で、全性年代で最も高い数値となってなっている。
- 電車が来るのを待っている時間にイライラする
- 結婚式などでスピーチを聞いている時間にイライラする
- スーパーのレジで並んで待っている時間にイライラする
ただし、長期的に見ればイライラする人の割合は相当減っているということは知っておきたいところだ。
1998年は91.5%だったのが、2020年は84.3%で7.2%と減っているのである。
これは、単純にイライラする人が減ったというよりは、スマホの普及で待ち時間を潰せるコンテンツが増えた結果だといえるだろうが、時代の流れを象徴している1つだ。
3)円満な家族関係に満足している
最も注目したい40代おじさん比較は、家族関係に関する満足度だろう。
円満な家族関係に満足していると回答した40代おじさんは、聴取開始の1992年の58.8%から1996年には68.9%まで増加し、1998年も65.8%で2回続けて全性年代中1位だった。
ところが、その後は減少傾向にあり、2020年は49.8%と半数を割っており、最高値だった1996年からは19.1%のマイナスになっている。
昔ほど家族と良好な関係を構築できなくなっているという傾向は否めないという結果が出ているということになる。
また、2020年の参加しているグループや団体があると答えた40代おじさんの割合も32.9%と男性中最下位という結果もあり、40代おじさんの孤独問題は引き続き注目したいところではある。
まとめ
私を含めた40代おじさんの意識の変化について書いていったが、俯瞰で見るというところは非常に面白いと思った。
やはり、どこかで周りのおじさんと自分は違うという見方をしているという事実は少なからずあるだろうし、この傾向は40代おじさんでなくてもあるだろうと思う。
そして、それが冒頭に指摘した小さなプライドに繋がり、選択肢を狭めて無駄を生んでいる場合も大いにあるということも改めて認識したい。
そう、自分自身を含めて、こういった客観的に全体を見て、自分自身を俯瞰で眺めることは定期的にやるべきなのである。
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