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2022年7月26日 投稿:swing16o

今さら聞けないチームビルディングとは?

捲土重来(けんどちょうらい)
→ 一度敗れたり失敗した者が再び勢力を盛り返し、巻き返しを計ること。

一度どころか、何度だって敗れたり失敗したっていい。

その都度、諦めずに挑戦すればいいし、最後に立っていればいい。

ただ、闇雲に立ち上がっても仕方がないので、反省と改善は必要だ。

そして、立ち上がる前に、今一度チームビルディングの大切さを認識し、意識しながら言動していくことが重要だ。

今さら聞けないチームビルディングってなぁに?

チームビルディングという言葉を目にしたり聞くと、なんとなくチームを作っていくことだということは理解できると思う。

より具体的に説明するとするならば、チームを組織面のハードと人材面のソフトに分けてつくり上げ、業績向上を実現することがチームビルディングの真髄といえるだろう。

高度成長期と呼ばれた、いわゆる工業が主要な産業であった時代は、少品種大量生産が主流であったため、組織は社員の 行動を管理し、定型的な仕事を能率良くこなすことが重要だった。

それが、インターネットの普及により情報化社会となった現在では、仕事の内容が大きく変わってきている。

そのスピードは目まぐるしく、単純作業や同じことのくり返しでは通用しない部分も多く、より多様化し複雑になっている。

つまり、多様化する業務に効率よく対応するためには、チームメンバーそれぞれが自律し、個々の目標を達成しつつチームの目標を達成するという、自律型のチームをつくり必要があるわけだ。

チームビルディングにおける、ハード面とソフト面の要素をわけてみると、下記のとおりとなる。

ハード面(組織)

  • ミッションやビジョンといったチームの存在意義
  • 存在意義に沿った活動ルール
  • モチベーションを上げたり維持させる仕組み

ソフト面(人材)

  • 適材適所への人員配置
  • 支援型リーダーの育成
  • 自律型社員の育成

そして、重要なのはチームビルディングとはいついかなるときも同様の手法でつくりあげてはいけないということだ。

組織は規模が拡大するにつれて、それぞれの特徴があることをしっかりと理解しなければいけない。

組織の進化過程

組織の進化過程は7つの段階に分けることができるといわれている。

最終的には個々のメンバーが自律してチームの成果を上げる組織を目指すことになるのだが、こういった自律した組織をティール組織という。

  1. 無色:生業や家業などに見られる組織
  2. マゼンタ(神秘的):家族経営などに多く見られる組織
  3. レッド(衝動型):ワンマン経営に多く見られる組織
  4. アンバー(順応型):行政機関などの合議制に多く見られる組織
  5. オレンジ(達成型):トップダウン型の経営に多く見られる組織
  6. グリーン(多元型):ボトムアップ型の経営に多く見られる組織
  7. ティール(進化型):上下関係がなく、個々が自律してチームの成果を上げる進化型組織

ティール組織の特徴はリーダーの役割だ。

その他の組織にも当然リーダという立場の人はいるが、いわゆるマネジメントを行う上司的なポジションではない。

チームが方向性を誤らないように軌道修正を行うことおよびチ ームメンバーを自律社員へと成長させる役割を担うのが、ティール組織のリーダーの役割なのである。

とはいえ、いきなり最終段階のティール組織を目指すとトップが宣言したとしても達成は難しい。

チームビルディングとは一朝一夕で築き上げられるものではない。

まずは、今のチームの現在地がどこなのかを冷静に分析して、どのようにチームビルディングしていくかを決めていくところから始める必要がある。

その後、7段階のうちトップダウン型のオレンジ(達成型)組織を目指す必要がある。

その過程で自律社員を徐々に育成し、ボトムアップ型のグリーン(多元型)組織を経て、理想とするティール(進化型)組織に近づくというのが王道のフローになるのである。

ハード面(組織)の整備方法

まずは組織、つまりハード面の整備方法についてだが、4つのステップがある。

1)組織モデルの選定

最初にやるべきことは先述したが、チームの現在地がどこにあって、どこを目指すのかを決めることである。

いずれにせよ、ほとんどのチームビルディングが、上記のオレンジ(達成型)組織を目指し、最終的にはティール(進化型)組織にすることを目指すことになるはずだ。

ということで、オレンジ(達成型)組織とティール(進化型)組織の違いを述べておく。

オレンジ(達成型)組織は、目的に対しての個人の成果や達成度で個人を評価する組織を指す。

スタートアップに多くみられる組織であり、年齢、社歴、階級よりも本人の実力を重んじる傾向がある。

一見、ティール(進化型)組織と似ているようだが、大きな違いはそれぞれの目的だ。

オレンジ(達成型)組織の目的は、その名のとおり目的を達成することである。

また、個人の成果が評価されるものの、機械のようにしっかりと組織が目指す成果の達成に向けて管理されていることがほとんどだ。

オレンジ(達成型)組織は、ティール(進化型)組織と比較すると、本人の意思よりも組織の意思や目的が重視される組織だといえる。

そのため、機械的にマネジメントされていなければうまく機能しないという特性がある。

一方で、ティール(進化型)組織は、組織が目指す目的以上に個人の自己実現を大切にしているので、会議やメンバー間の上下関係、階層といった概念がない。

もちろん、リーダーはいるが、その役割は従来のマネジメントではなくコーチングを活用したチームの軌道修正係と自律社員の育成者といった役割になる。

このあたりが絶妙に違うことをしっかり覚えておきたい。

2)チーム目標の設定

それからチーム全体の目標設定をする。

オレンジ(達成型)組織は、メンバー個々の成果を重視し、その集合体がチームの成果となる。

一方で、ティール(進化型)組織は、メンバー個々の成果に加え、チームとしての成果による目標達成を重視することになる。

いずれにせよ、必要なのはチームの目標設定ということである。

そして、チームの目標設定をする際のポイントは下記のとおりだ。

  • チームの活動意義を明確にする
  • チームが達成すべき成果を明確にする
  • チームの活動意義と成果を連動させる
  • チームメンバーに活動意義と成果を出すことを日常的に意識づけする

この4点を意識してチーム目標を設定することを心がけよう。

3)適切なルール設定

上述したステップで活動意義や達成するべき成果が明確になっても、メンバーがバラバラに動いてしまっては意味がない。

個々の成果に加えて、チームとして出せる成果につなげる下地をつくっていかなければならない。

そのためには、チームの活動ルール、お互いが理解する機会、チーム内での情報共有を図るといったことをしなければならない。

適切なルール設定には下記がポイントになる。

  • チームのルールを明確にする
  • チームメンバーがお互いを理解する機会を設ける
  • アイデアや課題をチーム内で共有できる環境を整える

具体的には定例でミーティングする機会を設けたり、即時にコミュニケーションが取れるようにチャットツールを使いこなすといった手法だ。

仕事とは別に任意の懇親会の機会を設けるといったことも有効かもしれない。

4)動機づけの仕組みづくり

最後に重要なのは、モチベーションアップおよび維持のための仕組みを整えるということだ。

とはいえ、個々にモチベーションの基準は異なるため、どこまでを共通化させるかというのがポイントになる。

共通した意識としては下記に留意するといいだろう。

  • チームメンバーに感情報酬を体感させる仕組みをつくる
  • チームの魅力を実感させる仕組みをつくる

モチベーションアップや維持の方法こそ、日々変わってくるところでもあると思うので、できる限りチームメンバーに寄り添える余裕を持つことも大切である。

ソフト面(人材)の整備方法

次に人材、つまりソフト面の整備方法について同様にまとめていくが、3つのステップがある。

1)メンバー選定

チームをつくるということは、なぜそのチームが存在するのか、つまりなにをするために集まったチーム7日は決まっているはずだ。

となると、そこにどういったメンバーをアサインしていくのかというメンバー選定は重要項目の1つだ。

その選定方法の基準となるのが、下記の2点である。

  • チームに必要なメンバーの特徴を理解しているか
  • チームメンバーが目的に合う多様性を備えているか

例えば、新しくサービスを始めるに当たってフライヤーの作成が必要になったとしよう。

その場合にはデザイナーが必要になることは理解できると思うが、ただただデザインができるというスキルだけでは弱い。

LPが必要になったり、どういう意図があって構図をデザインしているのか導線の流れ、つまりUIやUXを理解していなければ、現在は勝ち残ることはできない。

そして、内製化するのか、外注するのかといったあたりも工数や予算の配分で検討する必要が出てくる。

2)支援型リーダーの育成

次に重要なのが、軽く触れたが、支援型リーダーの育成だ。

くり返しになるが、従来求められていたリーダーの役割は、チームメンバーを強く先導する独裁型のリーダーシップだった。

ところが、現在は右向け右のように画一的な動きではチームの成果が上がらない。

メンバーに気づきを与えて、目標に向かってメンバーが自律的に行動する際に、目標からそれずに向かわせる役割を担うリーダーが支援型リーダーだ。

支援型リーダーは、部下の自発性を促すコーチングスキルを活用して、チームメンバー 個々が自ら成果を出せるようにする役割を担うというわけだ。

さらに、その個々の成果に加えてチ ームの成果に繋がるように、目標に向かってメンバーが動いていくように支援することも重要な役割である。

3)自律型メンバーの育成

最後のステップが自律型メンバーの育成だ。

多様な顧客ニーズに応えるためには、個々の成果だけではなく、個々の成果にプラスし てチームとしての成果を出すことも重要だ。

そのためには、メンバー個々が自律して、チームのルールを守ってチームの目標を達成 する必要がある。

そのポイントは下記の2つになる。

  • 当事者意識を醸成する
  • 1対1の面談をしてチームの目標達成に向けて行動させる

先述したとおり、支援型リーダーがメンバー個々 の当事者意識を醸成して自律型の社員を育成することが重要になるのだが、そのためには1対1の面談は有効になる。

人事評価制度はモチベーションの向上や維持に多大に影響するので、チームメンバーを自律社員に育て上げるには、コーチングスキルを活用した面談を実施していく必要がある。

チームビルディングに重要なコーチングスキル

チームビルディングに重要なのことは、個の意識改革であることは書いてきたとおりだ。

と同時にコーチングという言葉が抱き合わせで登場していることにも気づいたはずだ。

コーチングとは、1対1、つまり上司と部下との関係において部下のやる気を引き出す手法のことで、一般的にはパーソナルコーチングのことを指す。

そんなコーチングの原則は3つに集約される。

  • 答えはチームメンバー(部下)自身が持っているということ
  • チームリーダー(上司)はチームメンバー(部下)の見方であること
  • チームメンバー(部下)の自発的行動を促すこと

具体的に説明していくと、仕事をしていくと必ず困難な場面というか壁にぶつかることはある。

上司である立場であれば、瞬時に答えを導き出すことはできるかもしれないが、すぐに答えを部下に伝えるのではなく、部下自身が導き出せるような働きかけをしなければならない。

また、部下にとって上司は味方であるという信頼関係があれば、部下は本音を出しやすくなるし、やる気になって自分で決めたことを最後までやり遂げようとするようになるということだ。

そんなコーチングの原則を理解した上で、3つの守らなければいけない立場と3つの必要なスキルがあることも理解しておこう。

3つの基本的立場

1つ目は、共感だ。

部下の発する言葉の1つ1つや行動をしっかりと受け止めることが重要で、その積み重ねが信頼関係に繋がるというわけだ。

2つ目は、ニュートラルであることだ。

自分の感情をできるだけ抑えて常に冷静で中立的な立場にあることを心がけよう。

3つ目は、ページングである。

聞き慣れない言葉かもしれないが、ページングとはミラーリングとも呼ばれる。

つまり、相手の言動を真似たり復唱することなのだが、そうすることで親近感を覚えるという心理を利用するということだ。

3つのスキル

1つ目は、傾聴だ。

部下の話は最後まで聞き、否定せず、本心を見抜くということで共感が生まれていくということだ。

2つ目は、承認だ。

簡単にいうと褒めるということだが、褒めることでモチベーションを上げていくことはできているようでなかなかできない重要なスキルだ。

3つ目は、質問だ。

相手を自律型にしていくためには、質問力を上げて導いていく必要がある。

アイデアや意見を引き出すときは、オープン質問をしていかなければならないし、なにかの事実を確かめたいときや導くときにはクローズド質問をしていくというスキルも大切になる。

まとめ

チームビルディングについて、しっかりと考えたことがあるだろうか。

個人で成果を上げていければ十分だと思っている人には必要のない概念かもしれないが、少しでも大きなことを成し遂げようと思っている人には、とても重要な概念だ。

ただただ人を集めるだけでは、組織は大きくできないということを理解し、目指すべき場所を決めていくといいだろう。

 

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