今さら聞けないインフレと円安の関係と日本経済について

2022-06-20 投稿: 植田 振一郎

経世済民(けいせいさいみん)
→ 世の中を治め、人々を苦しみから救済することで、この経世済民を略して経済という語になった。

円安が続いているというニュースが続いている。

2022年6月18日時点の1USドルは134.99円なので、ほぼ135円となっている。

ちょうど、一年前の2021年6月18日時点では、1USドルは110.22円なので約110円だとすると、約25円という差が出ているわけだ。

数字にすると、約22.7%ほど上がっており、歴史的に見てもこれだけの短期間でこれほど円安が進んだということはないほど珍しい状況になっている。

このマクロ経済を小者が気にする必要など全くないのだが、それでもここまで円安が進むと改めて勉強しておいた方がいいという思いも込めて、円高、円安についてまとめてみる。

円高と円安を学ぶ前にインフレについて知っておく

インフレーションという言葉を聞いたことがある人は多いだろう。

インフレという言葉に置き換えた方がよりピンとくるかもしれない。

モノやサービス全体の値段が、継続的に上がっていくことをインフレーションといい、この略称がインフレだ。

インフレになると物価全体が上がるので、これまでと同じ生活を続けていくためには、今までよりもたくさんのお金が必要になることは理解できるだろう。

そして、インフレは為替レートにも影響を与える。

例えば、日本がインフレになると、外貨との交換の比率である為替レートは円安に動きやすくなるという傾向がある。

円安になっても、海外旅行などの予定がなければ、自分には関係ないと思っている人も多い印象があるが、実は為替レートの変動は、日本国内での生活にも影響を与えている。

インフレが円安を招く理由

くり返しになるが、インフレが進むと、為替は円安に動きやすくなる。

その理由について解説するが、まずインフレになってモノやサービスの値段が上がると、相対的にお金の価値が下がることを理解しなければならない。

例えば、今まで1,000円で食べられていたランチが1,200円に値上がりしたとしよう。

同じものを食べるためにたくさんのお金を払う必要が出てくるので、円の価値は下がっているといえるというわけだ。

これがミクロからマクロへ拡がると、円と外貨を交換するときの比率である為替レートにおいても円の価値が下がるため、円安の原因になるというわけだ。

一方で、円安がインフレを招くことがあることも忘れてはいけない。

円安になると、海外では日本の製品が安くなり買いやすくなる。

日本では海外に輸出をする自動車メーカーなどが経済的に大きな割合を占めているので、輸出が増えて企業の業績が上がると景気が良くなる。

景気が良くなると所得も上がり、モノやサービスが売れるようになりインフレが起きやすくなるというわけだ。

ただ、これはかつての日本経済について一般的にいわれてきたことで、日本の製品が海外で未だに人気なのか、売れ続けるのかについては議論の余地がある。

インフレは悪なのか?

インフレというと日本の景気がずっと悪いという印象を持っている人が大多数なので、ネガティブに捉えられがちな傾向がある。

けれども、インフレには良いインフレと悪いインフレがあるのということは理解しておく必要がある。

良いインフレとは、先述したように景気が良くて物価が上がるインフレのことだ。

景気が良いとモノやサービスがよく売れるので、当然需要が供給を上回り、モノやサービスの値段が上がりインフレになる。

とはいえ、景気が良いときは、所得も同時に上がりやすいため、モノやサービスの値段が上がったとしても買うことができるので問題ない。

むしろ、余裕があるので消費意欲が出てくるので積極的に消費をする、つまり買い控えるような現代の傾向とは真逆の行動になる可能性が高い。

一方で、悪いインフレは、原材料の値上がりによりモノを作るための費用が高騰し、その結果、モノの値段が上がるインフレのことだ。

日本はエネルギーや食材をはじめ、たくさんのモノを輸入している。

円安により輸入材料の値段が上がれば、当然企業の製造コストは増え利益が減る。

利益が出せないとなると所得は増えず、所得が少ないのにモノの値段が上がると、生活は圧迫されてしまうことは理解できるだろう。

現在の日本のインフレはまさに後者の悪いインフレの状態になっているというわけだ。

インフレや円安を招く理由

上記に述べたとおり、インフレや円安を招く理由として、まずは輸入品価格の上昇が挙げられる。

他にも複雑な要因が絡み合ってインフレや円安を招くわけだが、代表的な2つの理由も挙げておこう。

赤字国債

景気が悪いと企業の業績が悪くなり収益が減る。

すると、企業や個人が国に納める税金も少なくなるということはわかるはずだ。

そこで補填されるのが、赤字国債なのだが、赤字国債は国を運営していくための支出が、税収だけでは足りないときに、足りない分を補うために発行される。

ただし、赤字国債も含めて、国債はいわば国の借金で利子の支払いが生じる。

発行された国債の残高が増えれば国の財政は苦しくなり、その国の経済の不調につながるため、その国の通貨が売られて安くなる要因にも繋がる。

これが円安という結果を生むというわけだ。

増税

消費税は、生産や流通の取引段階でも広く公平に課税される。

二重三重にかからないような仕組みになっており、最終的には消費者が負担し企業が納付することになっている。

ということは、消費税率が上がれば、消費者が買うときの値段である小売価格に反映されるので、当然税込の値段は高くなる。

となると、増税により税込価格が高くなり消費者の所得との間で乖離が大きくなると、インフレを引き起こす要因に繋がるというわけだ。

アメリカのインフレがハンバーガーの値段をどう変えた?

2022年6月現在のインフレの問題はなにも日本だけのことではない。

アメリカでもインフレが進んでいる。

この記事が非常にわかりやすくまとめてくれているので、時間のある人は読んでみて欲しい。

米インフレ、ハンバーガーの値段をどう変えた? 肉類に最大の影響

(出典:Forbes)

記事によると、インフレが家計を圧迫する中、アメリカの消費者たちは節約を余儀なくされているという。

アメリカ労働統計局によると、4月の消費者物価指数(CPI)は前年比8.3%の上昇となったそうだ。

このインフレの要因は価格変動の大きい食品とエネルギーだと分析しており、食品価格の高騰についてハンバーガーを例に挙げている。

1年前と比較したハンバーガーの値段

  • バンズ:+ 10.1%
  • レタス:+ 12.7%
  • トマト:+ 0.4%
  • ベーコン:+ 17.7%
  • 牛ひき肉:+ 14.8%
  • ソース類:+ 9.2%

数字を見れば一目瞭然だが、特に肉類の価格高騰が激しいことがわかる。

一方で、トマトは0.4%の上昇ということでほぼ横ばいで、生鮮野菜全般の価格は食品カテゴリーのなかでは最も低い。

とはいえ、6.2%の値上がりなので、決して低いとはいえない。

そして、アメリカ以外の先進国でもインフラに悩まされている国が多いのが現状だ。

経済協力開発機構(OECD)によると、インフレ率はドイツが7.4%(4月)、英国が6.2%(3月)となっている。

この状況が今後どうなっていくのか、しっかりと注目していきたいと思う。

まとめ

インフレ、円安、円高といった経済を語る上では欠かせない用語について、聞くだけでもアレルギーを起こす人も少なからずいるだろう。

これもくり返しになるが、正直マクロ経済を語る必要など、ほとんどの人には意味がないというか影響がない。

とはいえ、経済の動きとして全体が見えていないと、間違った判断をしてしまうことは起こりうる。

そういう意味でも、世の中の動向にはきちんと目を向けて、問題が起こった際には、なぜそういった問題が起こったのかが語れるようになった方がいい。

そのためには、インプットするだけでなく、アウトプットも重要になることも改めて強調しておこう。

 

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