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2022年6月5日 投稿:swing16o

地球最大の動物であるクジラと赤ちゃんの生態

鯨飲馬食(げいいんばしょく)
→ 鯨のようにたくさん飲み、馬のようにたくさん食べる大食いのこと。

クジラや馬が人間よりも多くの量を食べるのは、なんとなく想像ができるが、具体的にどのくらい差があるのだろうか。

こんなことは今まで考えたこともなかったが、せっかくなので調べてみることにした。

クジラの生態について

当然だが、クジラは種類によって大きさが違う。

一番大きいのはシロナガスクジラで、体長は約30メートル、体重は100トン以上ある。

逆に一番小さいクジラはイルカの仲間で、体長1.5メートルのコガシラネズミイルカです。

そして、南極海のクロミンククジラは、大きな体を維持するため、1日に自分の体重の3~4%の量のエサを食べている。

それから、周知の事実だが、海の中に生息する生き物は小さなプランクトンが魚に食べられ、その魚をもっと大きなクジラが食べるという、食物連鎖の関係にある。

もしこれらのどれかが増えすぎたり減りすぎたりすると、海の生態系はバランスを崩してしまう。

クジラのエサになる魚は、人間もよく食べるサンマやカタクチイワシといった魚だ。

驚くのはその食べる量で、世界中のクジラが年間にエサとして食べる海洋生物は、約3億〜5億トンといわれている。

これは、人類の年間海面漁獲量である約9,000トンを大きく上回る。

海の生態系を守るために活躍するクジラ

実は海の生態系を知るために、クジラの調査が行われている。

クジラの調査や研究は、大小の調査船でクジラのいる海域に行って行われている。

調査の方法は、双眼鏡などを使って目で見て種類や数を調べる方法と、クジラを捕まえて体長や体重を測ったり、体の中の様子を調べたりする方法がある。

クジラの身体からは実に様々なことがわかる。

  • クジラの目:目玉の水晶体から年齢がわかる
  • 耳アカ:耳アカの年輪から年齢がわかる
  • 脂皮の厚み:栄養状態がわかる
  • 歯:葉に刻まれた年輪から年齢がわかる
  • 採血:血液に含まれる成分から、クジラの健康状態がわかる
  • 胃の内容物:食べたエサの種類と量がわかる

世界最大の生物であるシロナガスクジラ

くり返しになるが、世界最大の生物がクジラで中でも最大種がシロナガスクジラだ。

体長は30メートルを超え、体重は200トンを超えるシロナガスクジラもいるほどで、絶滅した恐竜を含めてもこのサイズを超えるものはなかなかいないとされている。

そして、シロナガスクジラは身体が大きいのに加えて声も大きい。

数百キロメートル先の仲間と交信ができるといわれている。

シロナガスクジラは大型の生物だが、好物は数センチのオキアミという小さなエビだ。

そんなオキアミで空腹が満たされるのかと思ってしまうが、人間の基準で考えてはいけない。

食べる量が半端ではなく、一口で約100トンの海水ごと口に含み、歯ブラシのようなヒゲでオキアミだけこし取って、1日に4トンほど食す。

つまり、1日に4000キログラムのオキアミを摂取しているというわけだ。

これは、成人男性を65キログラムとすると毎日60人以上食しているという計算になる。

シロナガスクジラの赤ちゃんの生態

そんなシロナガスクジラの赤ちゃんの生態が面白いということで掘り下げていこうと思う。

成長すると体長が30メートル、体重も200トンを超えるシロナガスクジラもいるということは、当然赤ちゃんのサイズも大きい。

体長は7メートル、体重は3トンで産まれ、1日に約90キログラムずつ体重が増える。

それから、クジラも人間と同じ哺乳類なので、お乳を飲んで育つわけだが、必要なお乳は1日に約600リットルにもなる。

つまり、1日に牛乳パック600本分を飲むということだ。

ちなみに、人間の赤ちゃんはせいぜい0.5リットルなので、1,200倍もの量になるというわけだ。

クジラの種類

現在、世界には84種類のクジラ類がいると考えられている。

近年、新種のツノシマクジラ(ヒゲクジラの仲間)が日本で発見されたが、その分布や生態、生息数はまだ不明だ。

このように、広大な海に暮らすクジラは、今後も世界のどこかで新しい種類が発見される可能性も十分にあるというわけだ。

そして、日本周辺の海には世界に現存する種類のおおよそ半分の数である40種類の鯨類が生息しているといわれている。

クジラ類にはイルカの仲間も含まれ、イワシクジラ、ミンククジラやツチクジラなど、食材としてのお馴染みのクジラがいる。

それから、ロングマンオウギハクジラやオガワコマッコウなど、ちょっと聞きなれない名前のクジラまで、実にたくさんの種類のクジラたちが、日本周辺の海にもいる。

日本周辺に生息する40種類のうち9種はヒゲクジラの仲間、残りの31種はハクジラの仲間だといわれている。

シロナガスクジラ

現存する動物だけでなく、恐竜を含む過去に存在した動物全ての中でも最大の種で、その体長は最大で30メートルを超える。

普段は北極圏や南極圏でオキアミを主食にして生活しており、繁殖期には出産や育児のために亜熱帯海域まで進出する。

ザトウクジラ

最大体長15メートルになるクジラで、豪快なブリーチングを行うことから、ホェールウォッチングの対象としても人気の種類だ。

夏は極地でオキアミなどを食べて生活し、冬には集団で暖かい海域を訪れて出産育児を行う。

マッコウクジラ

ハクジラのなかで最も大きなクジラで、歯のある動物の中では世界最大の種類だ。

頭部に大量の脂質を貯蔵しており、油目的の捕鯨対象として乱獲され激減したが、現在は保護により生息数が回復しつつある。

ちなみに、歯のある動物で2番目に大きいのはシャチである。

セミクジラ

大きなヒゲクジラとして有名だが、セミクジラ、タイヘイヨウセミクジラ、ミナミセミクジラの3種類がいる。

全長は最大で18メートルになる。

ホッキョククジラ

ホッキョククジラはセミクジラに近い仲間で北極海に生息している。

最大全長24メートル体重100トンの記録がある巨大なクジラだ。

ナガスクジラ

シロナガスクジラに次いで番目に大きな種類で、最大全長は26メートル、最大体重は80トンになる。

コセミクジラ

コセミクジラは最大全長6.5メートル、最大体重3.5トンと、ヒゲクジラの仲間では最も小さな種類だ。

コクジラ

コククジラ最大全長13メートル、最大体重25トンの記録がある。

イワシクジラ

イワシクジラは最大全長18メートル、最大体重18トンになる。

ニタリクジラ

ニタリクジラは最大全長16メートルになる。

ミンククジラ

ミンククジラは最大全長10メートル、最大体重8トンになる。

ツチクジラ

ツチクジラは最大全長13メートルになる。

クジラの回遊

クジラには、回遊という習性がある。

回遊は、クジラの中でも、とくにヒゲクジラのなかまに多く見られる習性で、長いものではなんと2万キロメートルも移動をする。

これは、地球をおよそ半周する距離に当たり、クジラが回遊するのは、一般的に繁殖や子育てのためだと考えられている。

地球の海は、水温で分けると、南極や北極近くの寒い海と、赤道近くのあたたかい海の2つにわけることができる。

寒い海にはクジラのエサとなる生物であるプランクトンや小魚などがたくさん生息している。

ところが、水温が低すぎる海域は出産や子どもを育てるのには適していない。

となると、ザトウクジラやミンククジラ等は、夏は寒い海でエサをたくさん食べ、冬には温かい熱帯や亜熱帯の海へ泳いでいって子どもを産んで育てるというわけだ。

それから、クジラの仲間の中でも、マッコウクジラは大人のオスだけが温かい海から寒い海へ回遊するという特性があったりする。

また、イルカの仲間には一年中同じ海で生活する種類もいる。

このように、クジラの回遊のあり方は種類によって異なっているという見方が一般的なのである。

まとめ

クジラについてこれだけ調べたのは人生で初めてだったが、生物の生態系を知ることも面白いと思った。

シロナガスクジラの全長30メートルといわれてもいまいちピンとこないが、小学校のプールが25メートルだったことを思えば、あふれるサイズということになる。

一般的な自動車のサイズが大きいもので5メートルを超えるくらいなので、そのサイズがいかに大きいかを教えてくれるわけだ。

 

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植田 振一郎 Twitter

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