2011年6月に東日本大震災をきっかけに誕生したLINEの現在地

2022-05-14 投稿: 植田 振一郎

苦髪楽爪(くがみらくづめ)
→ 苦労の多いときは髪の毛が伸びやすく、楽をしているときは爪が伸びやすい。

過去一番といっていい意味不明な四字熟語だ。

少し調べてみたが、苦労の多いときに髪の毛が伸びやすいとか、楽をしているときは爪が伸びやすいという科学的根拠は全くないそうだ。

こういったことは珍しいことではなく、むしろ科学的根拠がないのに拡がっているということはしばしばある。

これも何度も主張しているが、大切なことは情報に誰でも簡単にアクセスできる時代だからこそ、惑わされないようにしないといけないということである。

しっかり正しい知識をインプットして、的確にアウトプットしていかなければならない。

ということで、今や日本人のインプラになってしまったLINEがビジネスツールとしても欠かせなくなっているという現状について書いていこうと思う。

誕生から10年以上経たLINEの存在

ときは2011年3月11日。

東日本大震災という日本の歴史において消すことのできない大災害に見舞われる中、被災地の通信手段は完全に麻痺していた。

今までは当たり前のように使えていた電話やメールによる安否確認すら困難になるという状況だった。

このような緊急事態のときこそ、破綻することのないインフラが必要だということで急ピッチで開発が行われた。

そして、2011年6月に無料メッセージアプリとして登場したのが、今や日本国内のスマホユーザのほとんどが使っている、LINEだ。

それまでのメールやSMSとも一線を画したモバイル時代の新たなコミュニケーションツールが誕生した瞬間である。

その後、メディア、ゲーム、ポイントなど事業領域を広げ、国内で9,200万人が利用するコミュニケーションツールのインフラへと定着した。

そんなLINEだが、もはや個人間だけでなく企業と人を繋ぐマーケティングサービスとしても欠かせない存在となっている。

企業のマーケティングツールとして欠かせないLINE

企業が利用するアカウントのうち、LINEの認証済みアカウントは33万件が機能を月に1回以上利用するアクティブなアカウントとなっている。

LINEをマーケティングに活用する場合、その目的は大きくコミュニケーションと広告の2つにわけられる。

コミュニケーションはメッセージを中心に登録者に直接情報を届ける方法のことをいう。

また、広告は新規顧客開拓などを目的としたLINEの広告プラットフォームへの出稿のことをいう。

その2つを主軸に5つの新たなマーケティングの新常識をまとめてみた。

1)アカウントを目的別にわける

まず欠かせないのが、LINEを通じた消費者とのコミュニケーションの要となるのが、LINE公式アカウントだ。

企業、ブランド、商品名義でアカウントを開設し、そのアカウントを登録してくれた人に対してメッセージが送れるというコミュニケーションツールだ。

2012年からサービスを展開しており、LINEがマーケティング支援サービス参入時から提供してきた最も歴史があるサービスの1つだ。

このLINE公式アカウントにまつわる新常識が、アカウントを目的別にわけるということだ。

ブランドの世界観を伝えるコミュニケーションと商品を売ることを目的とした販促では伝えるべきメッセージは当然異なる。

つまり、複数の目的で活用すると登録者を惑わせることに繋がる。

例えば、大手化粧品会社はLINE公式アカウントを3つにわけている。

1つ目はブランドコミュニケーションを目的としたもの、2つ目は未購入者向けのもの、3つ目が顧客向けといった具合だ。

それぞれのレイヤーに向けて発信する内容をわけているということだ。

LINEには顧客の同意を得た上で、活用企業が運営するサイトのIDとLINEのユーザーIDを連係させる機能がある。

連係させることで、自社サイトの購買データやアクセスデータなどに基づき、顧客ごとにパーソナライズしたメッセージ配信が可能になる。

アカウントの役割を明確化して使いわけることで、マーケティングファネルの段階に合わせた違和感のないコミュニケーションを実現ができるというわけだ。

マーケティングファネルとは、見込み客から成約へと徐々に絞り込まれていくことを指す。

2)友だちの数をKPIにしない

1つ目のアカウントをわけてしまうという施策を講じると、登録者数(友だち数)が減り、多くの人に配信できなくなると考えがちだ。

ただ、この感覚はすでに過去のものでKPIを登録者数、つまり友だち数にとらわれてはいけない。

以前のLINE公式アカウントは、同じメッセージを登録者に一斉配信することしかできなかった。

配信対象の分母が大きい企業の方が恩恵を受けやすかったため、多くの企業がKPIとして友だち数を設定していた。

ところが、その結果としてブロック率の高水準化を引き起こしかねないという悪循環が起きる可能性も高くなる。

LINEは登録者が自分にとって不要と判断したときに、ブロックボタンを押すだけで配信を停止できる。

きちんとメッセージが届くのは3割程度だといわれている。

また、最もブロックされにくいのは、顧客化した後に集めた登録者である。

現在のLINEの真骨頂は広告宣伝からCRM(顧客情報管理)まで一貫して行えるプラットフォームだという点だ。

顧客との関係性構築までを見据えてLINEを活用する方が理にかなっているということだ。

となると、より重要な指標はブロック率、LINE経由のCVR(コンバージョン率)、LINE公式アカウント登録の有無による年間購入額の差ということになる。

ブロック率を抑えながら想定されるカスタマージャーニーのうち、どの段階でLINE公式アカウントに登録してもらうかを明確化することが大切だということだ。

3)メッセージの一斉配信をしない

ブロックされないためのには、メッセージの一斉配信をしないことを目指す必要がある。

現在のLINE公式アカウントは1つのアカウントで様々な機能が使える。

その1つがメッセージ配信の出しわけだ。

利用企業がLINE経由でデータを取得していなくても、LINE関連サービスの利用者が登録したみなし属性を利用することができる。

みなし属性とは、性別、年代、エリア情報、サービス内での行動履歴、LINE内コンテンツの閲覧傾向、LINE内の広告接触情報を基に分類したものをいう。

こうしたみなし属性を利用して、対象を絞って配信できる機能も備わっている。

重要なのは、一斉配信をするのではなく顧客のカスタマージャーニーを捉え、適切なメッセージを届けられるコミュニケーション設計だ。

その設計については、5つのステップを参考にして欲しい。

  1. ウェルカムメッセージ
  2. 友だち登録日を起点とした7日間のステップ配信
  3. 顧客理解を目的としたアンケートなどの配信
  4. メッセージの反応データを基にした配信
  5. 自社サイトなどのアクセスログに基づく配信

4)広告配信ターゲットをデモグラで絞らない

2021年度のLINEの広告関連売上収益は前年度比25%増の1,889億円となった。

その成長を牽引するのが、運用型広告商品のLINE広告だ。

LINE NEWSなどの広告枠に静止画や動画の広告を配信できるサービスで少額予算から出稿できるため、中小企業でも活用できる。

LINEの利用者数が9,200万人で、その8割が月に1回以上利用するという圧倒的なプラットフォームで広告を打つことは大きな意味を持つ。

そこで重要なのは、広告配信ターゲットをデモグラで絞らないということだ。

デモグラとは居住地、性別、年代などの人口統計学的な属性の総称のことを指す。

正確にいえば、出稿側で細かく設定をせず、LINEが提供するAIを活用した自動配信アルゴリズムに委ねるということをした方がいいということである。

5)若者以外にも効果的

LINEを活用した例として、健康食品を扱う企業の支援では、65歳以上の新規顧客をLINE広告でかなり獲得できている実態がある。

全国2万人の15~69歳を対象に22年2月に実施したSNS利用に関する調査結果がある。

それによると、スマートフォンで普段利用するSNSのうち、LINEしか利用していないと回答した層は41.6%だという。

それだけ幅広い世代に使われているプラットフォームを上手く活用してシニア層も取り込めることを意識すべきである。

まとめ

LINEを日々のコミュニケーションツールとしてだけでなく、企業のマーケティングツールとしての活用方法として参考になればいい。

新しい情報が追加され次第、随時情報を発信していこうと思う。

 

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