データで見る刑法犯の侵入犯罪による脅威

2022-05-03 投稿: 植田 振一郎

銀杯羽化(ぎんぱいうか)
→ 銀の杯に羽が生えて飛び去る意から、泥棒に遭うたとえ。

泥棒に遭うことが世の中にはどのくらいあるのだろうか。

日本は世界の中でも安全な国だといわれているが、その実態はよくわからないのでデータを探してみることにした。

泥棒とは盗人のことで、泥棒を働き逮捕されると侵入犯罪となるわけだ。

そしていわゆる刑法犯となるわけだが、その中の侵入犯罪についてはどのように推移しているのか書いていこう。

侵入犯罪の情勢

刑法犯認知件数は、1996年(平成8年)から2002年(平成14年)にかけて増加し続け、約285万件に達した。

その後、2003年(平成15年)からは減少に転じ、2020年(令和2年)には61万4,231件と、戦後最少を更新している。

また、侵入窃盗の認知件数は、2003年(平成15年)から減少に転じ、2020年(令和2年)には、4万4,093件で前年比マイナス23.7%と18年連続で減少している。

このうち、住宅対象侵入窃盗は、2004年(平成16年)から減少しており、2020年(令和2年)には、2万1,030件で前年比マイナス27.3%と、同じく連続して減少している。

とはいえ、1日あたり約58件の住宅対象侵入窃盗が発生しており、未だ多くの住宅で被害が起きているというのが現状だ。

侵入窃盗の発生場所別認知件数

2020年(令和2年)の侵入窃盗の発生場所別認知件数データは下記のとおりとなっている。

  1. 一戸建て住宅:37.0%
  2. 一般事務所:11.7%
  3. 共同住宅(3階建以下):9.3%
  4. 生活環境営業:8.3%
  5. 商店:6.8%
  6. 共同住宅(4階建以上):4.3%
  7. 金融機関等:0.2%
  8. その他:22.4%

共同住宅とはマンションやアパートをイメージしてもらえるとわかりやすいだろう。

それから、生活環境営業とはホテル、旅館、深夜飲食店、パチンコ屋などのことを指している。

侵入窃盗の手口別認知件数

次に、2020年(令和2年)の侵入窃盗の手口別認知件数データは下記のとおりだ。

  1. 空き巣:31.5%
  2. 忍込み:13.5%
  3. 出店荒し:12.2%
  4. 事務所荒し:8.5%
  5. 居空き:2.7%
  6. その他:31.6%

このデータから、手口の3分の1が空き巣被害だということが理解できる。

また、居空きという聞き慣れない言葉は、家の人がいるのに忍込んで金品などを盗むことをいう。

住宅対象侵入窃盗が2万1,030件あるということは、その2.7%なので567件は家の中に人がいるのに犯罪が行われているということになる。

これはなかなかの恐怖だろう。

侵入窃盗の検挙状況の推移

そして、2020年(令和2年)の侵入窃盗の検挙状況の推移にも注目しておこう。

侵入窃盗の検挙件数と検挙人員は、2003年(平成15年)以降、認知件数の減少に比例して減少傾向にある。

2020年(令和2年)の検挙件数は3万1,836件で前年比マイナス14.1%で、検挙人員は5,671人で前年比マイナス7.1%とそれぞれ減少している。

1998年(平成10年)には、検挙件数が16万件を優に超えており、検挙人数も15,000人を超えていたことを考えると圧倒的に減少傾向にあることが理解できる。

侵入強盗の認知状況の推移

窃盗と強盗の違いは少々わかりにくい。

例えば、2019年(令和元年)10月に徳島県で万引きをした女性が、事後強盗の容疑で逮捕される事件があった。

これを聞くと、万引なのに窃盗罪ではなく強盗罪で逮捕という違和感を覚える人もいるだろう。

なぜかというと、女性が万引きを目撃した保安員の手首をつかんで振り払うなどの暴行を加えてケガを負わせたからである。

こういった場合には、窃盗よりも重たい強盗として扱われる可能性が生じるというわけだ。

極端にいうと、泥棒に入った先に人がいるかどうか、またはその人が気がついた場合には強盗になる可能性があるということである。

そんな侵入窃盗よりも重たい侵入強盗の認知件数は、2003年(平成15年)をピークに、2004年(平成16年)からは減少傾向にある。

2020年(令和2年)には、401件と前年比マイナス13.0%となっている。

また、住宅を対象とした侵入強盗は、2004年(平成16年)をピークに、2005年(平成17年)からは減少傾向となっている。

2020年(令和2年)は、160件で前年比マイナス0.6%となっている。

侵入強盗の発生場所別認知件数

2020年(令和2年)の侵入強盗の発生場所別認知件数は、下記のとおりだ。

  1. 商店:43.1%
  2. 一戸建て住宅:23.9%
  3. 生活環境営業:9.2%
  4. 共同住宅(4階建以上):9.0%
  5. 共同住宅(3階建以下):7.0%
  6. 金融機関等:4.2%
  7. 一般事務所:2.5%
  8. その他:1.1%

侵入窃盗の場合と比較するとランキングが大きく入れ替わっていることがよくわかる。

圧倒的に商店が対象になっており、一戸建て住宅と併せると3分の2を占めている。

侵入強盗に伴う身体犯の認知件数の推移

侵入強盗に伴う身体犯の認知件数は、2004年(平成16年)からは減少傾向にあるものの、2020年(令和2年)は135件で前年比プラス0.7%となっている。

ピークは、2003年(平成15年)で700件を超えていたことを考えると随分減少傾向にはあるものの依然として100件を超えているのが現状だ。

ちなみに、侵入強盗に伴う身体犯とは、侵入強盗のうち、強盗殺人・致死、強盗傷人、強盗強姦(強盗・強制性交等)のことをいう。

侵入強盗の検挙状況の推移

侵入強盗の検挙件数、検挙人員は2004年(平成16年)をピークとして、全体として減少傾向にある。

ただし、2020年(令和2年)の検挙件数は405件で前年比プラス0.7%、検挙人員は543人で前年比プラス14.3%とそれぞれ増加している。

ちなみに、ピーク時の2004年(平成16年)の検挙件数は1,400件を超えており、検挙人数は1,300人を超えている。

刑法犯全体の認知件数

2021年(令和3年)に警察庁が発表した犯罪統計によると、刑法犯全体の認知件数が最も多かったのは東京都だ。

その件数は8万2,764件で、第2位は大阪府で6万8,351件、第3位が埼玉県で4万4,485件と続いている。

この結果は、2020年も同様の順位となってはいるものの、人口の多い都市部で犯罪の件数が多くなるのは当然で、これだけで治安の善し悪しを判断することはできない。

そこで指標になるのが、各都道府県の人口を考慮した犯罪遭遇率だ。

その字のとおり、犯罪に遭遇する確立を出したものになる。

その結果は、下記のとおりだ。

  1. 大阪府:129人に1人
  2. 兵庫県:162人に1人
  3. 埼玉県:166人に1人

また、住宅侵入盗の認知件数の第1位は千葉県で1,677件、第2位は埼玉県で1,659件、第3位は福岡県で1,457件となっている。

こちらも犯罪遭遇率と同様に住宅侵入盗遭遇率にすると下記のとおりとなる。

  1. 茨城県:1,121軒に1軒
  2. 福島県:1,170軒に1軒
  3. 岐阜県:1,579軒に1軒

まとめ

侵入窃盗と侵入強盗についてまとめてみたが、いかがだろうか。

あなたの住んでいるエリアがワースト3に入っていたらあまりいい気持ちはしないかもしれないが、これが現状である。

個人的に印象的だったのは、犯罪遭遇率のトップである大阪は129人に1人ということなのだが、これは結構な高確率であるということだ。

いずれにせよ、犯罪を犯すことはもってのほかだが、巻き込まれたくないとも改めて思った次第である。

 

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