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2021年9月5日 投稿:swing16o

Amazonのマーケットプレイスを支える世界最速の黒字ユニコーンとは?

英雄豪傑(えいゆうごうけつ)
→ 文武に優れ、度胸のすわった人。

いつの時代にも文武に優れ、度胸のすわった人が現れる。

今回、とりあげたいのは、この記事で紹介されている企業と人物である。

【独占】誰も知らない「史上最速ユニコーン」の正体

(出典:NewsPicks)

少々長い記事なのだが、非常に興味深いジャンルで読み応えのあるものだったので一気に読めた。

こういう記事が読めるのが、NewsPicksの魅力だ。

ということで、この記事からの学びを今回は書いてみよう。

Amazonのマーケットプレイスとは?

とりあげた記事は、Thrasio(セラシオ)という企業が、2018年の創業以来、2年半という世界最速で黒字のユニコーンになったというものだ。

ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業のことで、下記の条件を兼ね揃えた企業のことである。

  • 創業10年以内
  • 評価額10億ドル(約1,100億円)以上
  • 未上場
  • テクノロジー企業

つまりは、短期間で超イケイケになったスタートアップということだ。

Thrasio(セラシオ)もその1社なのだが、多くのユニコーンは赤字が続く中、創業からわずか2年半で黒字化したという。

ただ、なぜセラシオ社がここまで急成長しているのかを知るには、Amazonのマーケットプレイスを理解しなければいけない。

 

2020年、Amazon(アマゾン)全体のGMV(流通取引総額)は4兆7,500億ドル(約500兆円)まで伸びた。

その中でもサードパーティーがアマゾン上で販売できるマーケットプレイスは、実に62%を占めるまでになっている。

といっても、ピンとこないかもしれないので、このAmazonの販売の仕組みをしっかり理解する必要がある。

まず、Amazonに出品されている商品を買う側は全く意識していないと思うが、売り手側が2パターンあることを知らななければならない。

Amazonが直接売っているファーストパーティとAmazonとは全く関係のないサードパーティが売っている場合だ。

この2つを合わせたインターネット上で商品を売る場所をマーケットプレイスと呼ぶ。

そして、2020年は新型コロナウイルスのパンデミックにより、マーケットプレイスの利用が大幅に伸びた結果、先に述べた現象が起きている。

特に、ファーストパーティではなく、サードパーティの参入の伸びが大きいことに注目したい。

2020年に発表されているだけでも、10億ドル(約1,100億円)もの資金が投入されて様々なブランドが立ち上がっている。

つまり、Amazonが作り上げた巨大なマーケットプレイスの中で勝負することを決めたブランドが多いということだ。

Amazonのマーケットプレイスで勝負するブランドたち

Anker(アンカー)というブランドをご存知だろうか。

Amazonで買い物をしたことがある人なら、スマホバッテリーなどを買ったことがある人も多いのではないだろうか。

実はこのAnkerがアマゾン・ネイティブ・ブランドのはしりとされている。

Amazonでモノを買うときに、ブランド名で検索する人は少数だ。

仮にブランド名で検索したとしても、そのモノの商品の評価が低くて他社から同じような商品が高評価で出ていたとしたら、そちらを買ってしまう。

この現象が、サードパーティにとってはとても魅力的なのである。

要するに、全く無名のブランドであってもAmazonのマーケットプレイス内であれば、勝機があるのだ。

このことにいち早く気づいたのが、Ankerなのだ。

創業の2011年当初からAmazonこそが、米国や海外市場を攻略するためのチャネルでそこに全精力をつぎ込むということを徹底して行った。

このことには、Amazonですら気づいていなかったとされ、Amazonのマーケットプレイスの成長と共にAnkerもその地位を盤石にしていったという流れだ。

次のAnkerになろうと、多くのサードパーティがAmazon内で勝負をしているのが現状というわけだ。

サードパーティを後押しする世界最速の黒字ユニコーン

サードパーティの参入を後押ししているもう1つの大きな理由が、Thrasio(セラシオ)の登場である。

くり返しになるが、2018年の創業以来、2年半という世界最速で黒字のユニコーンになったことでも注目されているが、肝心なのはなにをやっている企業なのかということだ。

Amazonでサードパーティが出品しているマーケットプレイスの優良ブランドを買収するRollup(ロールアップ)ビジネスを展開している企業だ。

Amazonのマーケットプレイスの中で、第三者(サードパーティ)が出品する経済圏が数十兆円になっている。

ここで生まれた出品者(サードパーティ = セラー)たちは、億単位を稼ぐ人たちも珍しくないにも関わらず、手つかずのまさに金のなる原石だったことに、Thrasio(セラシオ)社は目をつけた。

こうした優良なサードパーティ = セラーたちをRollup(買収事業)のビジネスモデルで急成長しているのである。

買収したブランドを統合し、オペレーションを最適化することで数倍に成長させることから、爆発的な評価を得て世界最速のユニコーンとなった。

 

そもそも、サードパーティ = セラーたちは2〜3人という少ない人数で、アジアからアメリカやヨーロッパに製品を出荷するという変動が起きている。

そのプラットフォームはAmazonを使えばいいという発想だ。

大手ブランドはAmazonはあくまで販売ツールの1つという捉え方で、Amazon内の広告の最適化されていない。

商品ページの見せ方や、画像、説明文の作り方にいたるまで、大手ブランドより、アマゾンネイティブブランドの方が優れているという現象が起きている。

大手ブランドはAmazonに依存する意味がないのだが、無名のブランドにとってはAmazonのマーケットプレイスは絶好の売り込む場なのである。

そこを攻略しているサードパーティ = セラーたちはそもそも利益は少なくても黒字化しているところも多く、そういった優良無名ブランドを買収していくという。

買収した無名に近いブランドたちにさらに最適化を加えることで、一気に知名度のあるブランドに加速して成長させていく。

Thrasio(セラシオ)社はすでに200近い製品群を抱えるほどになっている。

Amazonに依存しているという見方もできるが、Amazonにとってもこの流れはありがたい限りなので協力的だ。

実に面白いビジネルモデルで、結果が出ていることが素晴らしい。

まとめ

いつの時代にも文武に優れ、度胸のすわった人が現れる。

ちょっとした発想の転換でまだまだユニコーンとなれる企業も生まれるということだ。

このThrasio(セラシオ)社の特徴として、流行り廃りが激しいファッションには手を出さないという方針がある。

一方で日用品は定番化を狙えという方針だ。

ハードウェアや定期的に消費される商品については積極的に優良ブランドを探しているということである。

この戦略はstakのようなハードウェアを販売するスタートアップにとっては、シナジーの高いものかも知れない。

せっかく作った製品も売れていかなければ意味がない。

販売戦略についてもいろいろと考えさせられる、いいきっかけとなったことは間違いない。

 

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植田 振一郎 Twitter

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