運斤成風(うんきんせいふう)
→ 斧をふるって風をまきおこす意から、人間離れした技術、神業のこと。
なんやかんやで開催された東京オリンピックが閉幕した。
まあ、想定内だったがメディアでは連日、日本人選手たちのメダルラッシュ報道がされている。
しっかり盛り上がると思ったが、全くそのとおりで、人間離れしたアスリートたちが日々感動を届けてくれた。
ここに観客が少しでもいたら、もっと盛り上がっただろうと個人的には少々残念に思う。
というのも、私はこの舞台にかけてきた人たちを全面的に支持する側の人間だからだ。
東京オリンピック開始前にサッカーの吉田麻也選手が出した声明も、まさにそのとおりだと思った。
お時間のある方は、是非一読して欲しい。
東京2020オリンピック誘致までの振り返り
振り返れば、本当にいろいろなことがあった東京オリンピックだ。
誘致が決まったときの盛り上がりから一転、スタジアムの問題、ロゴ問題に始まり、極めつけは新型コロナウイルスと様々なことがあった。
せっかくなので、どんな問題があったのか振り返ってみようと思う。
本来であれば2020年に開催されるはずだった東京オリンピックの開催への道のりは、2011年に遡る。
2011年
7月16日 : 東日本大震災の復興を理念に掲げ、石原慎太郎元東京都知事が2020年大会オリンピックの招致を表明。
9月2日 : 国内立候補都市決定。
9月15日 : 東京オリンピック・パラリンピック誘致委員会を設立。
10月18日 : 東京都議会招致決議。
12月13日 : 閣議了解。
2012年
5月2日 : IOC理事会で立候補都市として東京、イスタンブール、マドリードの3都市による誘致レースがスタート。
11月16日 : 新国立競技場の改築に向けた最終審査が行われ、イラク出身の建築家ザハ・ハディドが最優秀賞を獲得。
2013年
3月4〜7日 : IOC評価委員会来日。
9月7日 : 東京オリンピック招致委員会がIOC総会に出席し「お・も・て・な・し」を披露して東京に決定。
思い起こせば、10年前から粛々と東京オリンピックの開催へ向けて準備が進んでいたことを改めて知ることができる。
東京2020オリンピック開催までの振り返り
2015年
5月29日 : デザイナー藤江珠希が手掛けた東京都観光ボランティアのユニフォームデザイン初披露。
7月17日 : 安倍晋三元首相がザハ・ハディドによる新国立競技場建設計画を白紙撤回。
7月24日 : 東京オリンピック・パラリンピック両大会の公式エンブレムを発表。
9月1日 : 佐野研二郎デザインのエンブレムが、ベルギーの劇場のロゴに酷似しているなど、盗作疑惑で使用中止決定。
12月22日 : 新国立競技場の整備事業について、隈研吾デザインを選定。
2016年
4月8日 : 新しいエンブレムデザインの最終候補4作品を発表。
4月25日 : 公式エンブレムの採用デザインをアーティストの野老朝雄が手掛けた組市松紋に決定。
8月21日 : リオオリンピック閉幕に小池百合子都知事、スーパーマリオに扮した安倍晋三元首相が登場。
11月25日 : 藤江珠希が手掛けた東京都観光ボランティアのユニフォームが再考決定。
2017年
1月17日 : 公式マスコットの選考について審議する第1回選考検討会議を実施。
9月15日 : 東京都観光ボランティアの新ユニフォームを発表。
12月21日 : 開閉会式の演出チーム8人を発表。
2018年
2月28日 : 公式マスコットが決定。
3月2日 : 東京2020大会入賞メダルデザインコンペティション審査会のメンバーを発表。
7月22日 : 公式マスコットの名前が「ミライトワ」(五輪)と「ソメイティ」(パラリンピック)に決定。
11月8日 : 東京オリンピックのユニフォームに関する新たな選考委員会が発足。
2019年
3月20日 : 吉岡徳仁がデザインした聖火リレートーチを発表。
3月26日 : 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和元会長が贈賄疑惑で辞任。
6月1日 : 聖火リレーのルートやランナーの募集概要、ランナーが着用するユニフォームなどを発表。
7月19日 : 大会スタッフおよび都市ボランティアが着用するユニフォームを公開。
7月24日 : オリンピックメダルのデザインを公開。
7月30日 : 公式アートポスターを制作するアーティストを発表。
11月1日 : マラソンと競歩の会場が札幌に変更。
11月20日 : AOKIが日本代表選手団が着用する公式服装の製作を手掛けると発表。
2020年
1月23日 : 本代表選手団公式服装の発表会で開会式および式典用のデザインをそれぞれ披露。
2月21日 : アシックスが日本代表選手団が着用するオフィシャルスポーツウェアを公開。
3月12日 : 聖火採火式がギリシャ・オリンピアで開催。
3月13日 : ギリシャオリンピック委員会(HOC)が東京オリンピックに向けた国内の聖火リレーの中止を発表。
3月19日 : ギリシャで東京オリンピックの聖火を東京に引き継ぐための聖火引き継ぎ式が開催された。
3月20日 : ギリシャ・オリンピアで採火された聖火が空輸され、宮城県の航空自衛隊松島基地に到着。
3月24日 : 新型コロナウイルスの感染症拡大の影響を受け、日本とIOCが1年程度の延期を検討することで一致。
3月30日 : 東京オリンピックは2021年7月23日〜8月8日、パラリンピックは8月24日〜9月5日までに開催時期を変更。
12月23日 : 2018年に選出した東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の演出企画チームの解散を発表。
12月24日 : スポンサーシップ契約を締結しているパートナー企業全68社との間で契約延長についての合意を発表。
2021年
2月4日 : 組織委員の森喜朗前会長がJOCの評議会での発言について謝罪会見を実施し、2月12日に辞任を表明。
2月18日 : 橋本聖子が東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の新会長に選任
3月18日 : 開閉会式で演出の総合統括を務めていた佐々木宏が、渡辺直美の容姿を侮辱する演出案を出して辞任。
3月25日 : 東京オリンピックの聖火リレーが福島県でスタート。
3月26日 : 排除されたと週刊文春が報じた問題を巡り、振付師のMIKIKOが自身のツイッターでコメントを発表。
6月3日 : 表彰式で使用する表彰台、楽曲、衣装、メダルトレイなどの各アイテムの詳細を発表。
6月29日 : 東京都が都内で行う聖火リレーについて7月9日〜16日まで、島を除く公道走行を見合わせると発表。
7月8日 : 政府が東京都に対して7月12日〜8月22日まで緊急事態宣言を発令し、無観客開催が決定。
7月14日 : 開閉会式にまつわるコンセプトと、制作および演出に関わるクリエイターの一部についての詳細を発表。
7月19日 : 開会式の作曲担当の小山田圭吾が、過去に雑誌のインタビューで明かしたイジメ加害に対する批判を受け辞任。
7月20日 : 絵本作家のぶみが不適切な言動をしたとして批判を受け出演を辞退。
7月21日 : 公式サイトにログインするIDとパスワードがインターネット上に流出したと複数のメディアが報道。
7月22日 : 開会式のショーディレクターを務める予定だった小林賢太郎が過去のお笑いネタが批判され解任。
7月23日 : 開会式が開催。
まとめ
10年に渡り、いろいろとあった東京2020オリンピック競技大会だが、日本チームは史上最多の58個のメダルを取るという結果に終わった。
開会式に4連休を持ってきたり、母国開催なので時差もなくステイホームの環境下で、様々な競技が見れたのも事実だろう。
総じてスポーツの力はやはり感動を届けることを証明してくれた。
これが、無観客でなければもっと盛り上がったのだろうが、開催できたことだけでも良しとするべきなのだろうか。
個人的には、半年後に冬季オリンピックを控えている北京がどういった内容で開催するのかに注目している。
いずれにせよ、多くの競技で久しぶりにテレビに釘付けにさせてくれたアスリートたちに心から敬意を払い、感謝の意を述べたいと思う。
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