雲煙過眼(うんえんかがん)
→ 物事に執着しないこと。
過去のことに執着しない方がいい。
あのとき、あぁしておけば良かったなどと考えるのは時間の無駄でしかない。
結局、過去を変えることなどできないのだから、それであれば未来へ向かった方が建設的だ。
私は10〜20代のときは物欲があり、それを手に入れるためというのが原動力だったお思うが、今はほとんどない。
そういったところでの執着はゼロに近いと思ってもいい。
なにもそれは身につけるものだけに限らず、住む場所だってここじゃないとダメという概念もない。
なので、毎年発表される住みたい都市ランキングや住みやすい街ランキングのようなアンケートの本質が理解できない。
とはいえ、一般的な感覚や指標も知っておくことは重要だと思っている。
九州・沖縄および中四国地方の住みよさランキング2021
(出典:東洋経済オンライン)
南から、沖縄、九州、中四国地方の住みよさランキングが発表の記事を見つけたので紐解いてみよう。
大前提として、stak社の拠点のある広島を含んだ近場のエリアなので、興味深く見させてもらった。
ちなみに、住みよさランキングは安心度、利便度、快適度、富裕度の4視点を20の指標から数値化し順位を算出しているそうだ。
九州・沖縄ブロック編
肝心の結果だが、九州・沖縄ブロックの1位と2位は熊本勢が独占している。
映えある第1位に輝いたのは、熊本県の人吉市だ。
人吉温泉を筆頭に、球磨川下りやラフティングなどの豊富な観光資源を活用した観光産業が柱になっている。
安心度は全国16位、利便度は全国25位と評価が高く、安心度の指標のうち人口当たり病院・一般診療所病床数と利便度の指標人口当たり飲食店数が偏差値70を獲得して1位となった。
そして、第2位は同じく熊本県の合志市。
熊本市のベッドタウンとして発展を遂げ、2020年の人口は3年前比で3.19%増と、人口の増加が続く希少な自治体の1つとなっている。
人口増加だけでなく15歳未満の年少人口比率についても全国トップクラスにある。
安心度の全国39位と快適度が全国35位と評価が高く、安心度の指標のうち20~39歳女性人口当たり0~4歳児数では偏差値70を獲得して全国1位となっている。
快適度については、都市計画区域人口当たり都市公園面積を除くすべての指標で平均以上の高スコアとなっているのが特徴的だ。
ベスト3の最後に食い込んだのは、大分県の由布市である。
温泉湧出量、源泉数が共に国内有数の由布院温泉は全国区の知名度があるので、知っている人も多いだろう。
安心度は全国4位と評価が他の視点と比べ極端に高く、安心度を構成するすべての指標で高スコアを獲得している。
人口当たり病院・一般診療所病床数が熊本県人吉市と同じく全国1位。
子ども医療費助成は外来・入院ともに18歳の年度末まで所得制限なしで利用できるため全国3位。
人口当たり刑法犯認知件数は全国4位とそれぞれ1桁の順位を獲得している。
惜しくもベスト3を逃しで第4位にだったのが、佐賀県の鳥栖市だ。
九州を縦横断する高速道路の鳥栖JCT(ジャンクション)や九州新幹線が通る新鳥栖駅があり、九州の陸路交通の要衝となっている。
近年は人口が増加傾向にあり、2020年の人口は3年前比で1.47%増。
富裕度が81位と評価が高く、指標のうち人口当たり法人市民税は偏差値70を獲得して全国1位となっている。
その他の各県のトップを見てみよう。
沖縄県内は那覇市が1位でブロック順位は8位となっている。
人口は32万人弱で、古くは琉球王国の文化が花開いた街で観光地としても大人気だ。
沖縄県の政治、経済、文化の中心を担っていて、利便度は全国36位と評価が高く、その指標では可住地面積当たり飲食料品小売事業所数と人口当たり飲食店数は共に全国1位となっている。
鹿児島県内は出水市が1位でブロックでは5位という結果だ。
養鶏や食肉牛などの畜産が盛んで、全国有数の農業産出額を誇る。
安心度は全国55位で評価が高く、その指標のうち20~39歳女性人口当たり0~4歳児数が全国55位と子ども医療費助成が全国3位という高スコアになっている。
宮崎県内は日向市が1位でブロック順位は19位。
古くから天然の良港である細島港があり、港湾工業都市として発展した。
利便度が全国69位と評価が高く、指標では人口当たり飲食店数が全国38位という高スコアだ。
長崎県内は大村市が1位でブロックは順位14位。
海上空港である長崎空港を擁しており、全国順位は201位で、最も順位の高い視点は安心度が全国194位だった。
福岡県内は福岡市が1位でブロック順位は12位。
人口155万人を擁す九州最大の都市で、九州エリアの政治、経済、交通の中心地として発展を遂げてきた。
利便度の全国32位と富裕度の全国55位の評価が高く、指標では利便度の人口当たり小売販売額が全国37位と富裕度の人口当たり法人市民税が全国1位と目立って高い。
中四国編
中国・四国ブロックの第1位は、鳥取県の倉吉市だ。
前回の調査でも第1位に輝いており、2冠を達成している。
江戸時代には陣屋町として栄え、街の一角には当時の商家の家屋や土蔵が多く残るエリアだ。
安心度が全国7位と評価が高く、安心度の指標全て偏差値は平均の50を超えていた。
中でも、老年人口当たり介護老人福祉・保健施設定員数(介護施設定員数)が全国1位と子ども医療費助成が全国3位のスコアとなっているのが特徴的だ。
第2位は山口県の下松市。
瀬戸内海に面する下松港を擁し、古くは製塩業で栄え、近年は臨海工業都市として発展を遂げている。
前回調査と比べると、総合偏差値では1ポイント以上、全国順位では23上昇して、初の全国トップ10入りと過去最高位の全国10位を獲得した。
快適度が全国3位と特に高く、快適度の指標のうち都市計画区域人口当たり都市公園面積を除くすべてで偏差値50を上回っている。
中でも水道料金は偏差値70を獲得して全国1位、転出入人口比率が全国63位と高いスコアとなっている。
ベスト3に入った第3位は高知県の四万十市。
2005年に中村市と西土佐村が合併して発足してできた自治体である。
市面積の8割以上を森林や原野が占めるため、太平洋側沿岸地域と四万十川下流域に市街が広がっている。
利便度が全国17位で安心度は全国45位と評価が高く、利便度の人口当たり飲食店数が全国1位と安心度の20~39歳女性人口当たり0~4歳児数が全国60位と高スコアとなっている。
その他の各県のトップを見てみよう。
島根県内は出雲市が1位でブロック順位は6位。
神話の国”として知られ、毎年大勢の観光客が出雲大社をはじめ多くの歴史的文化遺産を訪れる。
快適度を除くすべての視点で平均を上回っていた。
岡山県内は瀬戸内市が1位でブロック順位は8位と、前回調査の全国順位334位から今回83位と中四国ブロック内で最もランクアップした。
安心度が全国17位の評価が特に高く、その指標の人口当たり病院・一般診療所病床数は偏差値70を獲得して1位となっている。
徳島県内は県庁所在地の徳島市が1位でブロック順位10位。
ところが、全国順位は前回80位から今回108位の3桁台に後退している。
とはいえ、視点のスコアは安心度を除くすべての視点で平均を上回っている。
広島県内は三次市が1位でブロック順位は11位。
全国順位は前回調査よりやや順位を上げ109位とトップ100までもう一歩のところだ。
安心度が全国8位の評価がとくに高く、指標のうちこども医療費助成が全国3位とスコアが高い。
愛媛県内は四国屈指の臨海工業都市である新居浜市が1位でブロック順位は14位。
評価が最も高い視点は、利便度が全国145位で、残り3視点についても平均を上回っている。
香川県内は前回調査に続いて善通寺市が1位でブロック順位20位。
弘法大師や智証大師ご誕生の地として知られ、市内には四国八十八ヶ所霊場のうち5つの四国霊場札所がある。
安心度の全国149位と利便度が全国171位の評価が高い。
まとめ
こうやって見ていくと、広島県の第1位が三次(みよし)市となっていたのが意外だ。
三次市といえば、広島市内からも1時間30分くらいかかる、はっきりいって田舎だ。
私の母親の故郷も三次市の近くだったこともあり、比較的訪れているエリアだが、ずっと住むには寂しい感じもする。
同様に他県も比較的都心部よりも田舎と呼ばれるエリアが高評価を受けているように思う。
幸福度というのが人によって大きく異ることを意味しているのかもしれない。
どの指標でなにを見るか、今回も勉強になった。
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