お互いの気持ちや考えなどがぴったりと合うこと。
いまだに日本では企業買収という言葉が出ると、ネガティブなイメージを持たれることが多い。
業績の悪くなった企業が業績のいい会社、あるいは大手企業に買われたという印象を持つ人が多い。
企業買収、いわゆるM&Aは必ずしもそうではないことを書いておこう。
企業が成長していくためには、当然利益を上げていかなければならない。
でも、利益を上げることはそんなに簡単なことではない。
新規事業を始めたとしても、そのほとんどが上手くいかずに途中で終わるのが現状だ。
そんなとき、M&Aはとても有効な手段になる。
例えば、100億円の売上、10億円の利益を出している企業があったとする。
その企業が、50億円、5億円の利益を出している会社をM&A(買収)したとしよう。
売上は150億円、利益は15億円の企業が誕生する。
ただ、単純に売上と利益をプラスさせるためだけにM&Aをするわけではない。
企業同士が一緒になることで、シナジーが生まれなければ意味がない。
例えば、同じ分野の製品を作っているのであれば、共通した部品を使うことでコスト削減ができたり、部品の仕入れコストを下げていくことが期待される。
つまり、売上150億円、利益は20億円といった企業が誕生するということだ。
あるいは、売上が200億円になったりとただ単に合算したものにならくなる可能性も十分にある。
もっと大切なことは、時間を買えるということだ。
ゼロから新規事業を立ち上げ、組織化して利益を出すまでには時間がかかるが、M&Aの場合には数年で成果が出ることも多い。
M&Aは企業価値を高めていく上で、とても有効な手段の1つなのだ。
実際、アメリカではM&Aされた企業を作ったことはステタースを得たことになる。
要するに、拍手を送られる対象になるのだ。
そして、そこで得た資本を元手に新たな企業を設立したり、投資家になったり、そのままM&Aされた企業に残って成長に携わったりと実に多様性がある。
この新陳代謝が非常によく行われている背景には、日本のように終身雇用制度ではないため、起業する文化が何倍も定着しているということがあると理解している。
豪腕で知られるイーロン・マスクという起業家がいる。
宇宙開発企業スペースX、電気自動車企業テスラのCEOで知っている人も多いだろう。
彼に携わる話はとても興味深いものが多いのだが、その1つ紹介しておこう。
彼のアシスタントが激務なので、役員と同じ報酬にして欲しいと懇願してきたそうだ。
それを聞いたイーロン・マスクは、2週間の休暇を彼女に与えた。
2週間後、戻ってきた彼女に彼はこう伝えた。
君がいなくても業務に全く支障がなかったので、アシスタントのポジションをなくして他の部署に異動するようにと。
結局、彼女は辞めていったらしいが、これがアメリカの雇用だ。
いつどのタイミングで職を失うかわからない危機感が常にあるということである。
もちろん、アメリカの雇用のやり方をしなければいけないという主張をしているわけではない。
日本のM&A市場も少しずつだが盛り上がってきている。
このデータはとてもわかりやすく最新のものが反映されているので、是非参考にして欲しい。
その後、アメリカや他国でのデータがどうなっているのか、調べて比較してみるとより理解が深まる。
今回主張したいことは、人や企業の流動性がもっとあった方がいいということだ。
それは、多様性をもたらし人や企業の成長に繋がる側面が増えるからである。
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