この上なく倹約することのたとえ。
倹約することと貯金することをイコールだと考えている人が世の中の大半だ。
老後に備えてとか、急に病気になったときに備えてとか、一見すると理にかなっているような見解を並べるが、これはお金の本質を理解していない。
そもそも、日本人は投資が上手な民族である。
世界で初めて先物取引を行ったのは、江戸時代の大阪の米商人だったという事実をご存知だろうか。
他にも証人は様々な細かい取引を生み出してお金を回そうとする仕掛けをしてきたのだが、いつの間にか倹約というか貯金をする民族になってしまった。
そのきっかけは第二次世界大戦が大きく影響しているのだが、別の機会に書くことにする。
もっと身近な貯金についてのデータを取り上げてみよう。
「1人暮らしで貯金すべき金額はいくら?平均貯蓄額や貯金・節約方法」
貯金が好きな民族なので、同級生や同世代の人がどのくらいの貯金をしているのか、気になってる人は多いだろう。
2019年のこの記事のデータによると、1人暮らしの人の貯蓄額の平均値は645万円ということだ。
この金額を聞いて、そんなに多いと感じた人は要注意だ。
あくまで、平均値というデータで中央値ではないことがポイントだ。
世の中には、こういったデータを見極められない人が多く、平均という言葉を使えばそれ以下だと自分自身を卑下してしまう人が出てくる。
5人中4人が貯蓄0円で、1人だけ1,000万円の貯蓄があったとする。
その際の平均値は1,000万円/5人なので、200万円/人となる。
一方で、5人の貯蓄がそれぞれ、30万円、80万円、100万円、150万円、220万円としよう。
平均値は(30+80+100+150+220)万円/5人なので、116万円となる。
中央値とはその名のとおり、真ん中に来る数値なので、100万円である。
つまり、上記の5人中4人が貯蓄0円で、1人だけ1,000万円の貯蓄の場合だと、中央値は0円である。
当然、1人暮らしというカテゴリでも、年収に差が生じるので、値にも差がが生じることをしっかり把握することだ。
余談だが、統計学には最頻値(さいひんち)という値もある。
言葉のとおり、最も多く出てくる数字を値として取るというものだ。
統計学としての数字を取る際には、この手順を踏めばいい。
まずは、平均と中央値を出して、この2つが乖離していなければ平均を見る。
そして、乖離していれば中央値を見る。
中央値が大きく乖離していれば最頻値を見る。
この情報を意識して、もう一度データを見ると、世間で最も多いであろう300万円以上500万円未満の年収の人の中央値は130万円となっている。
つまり、純粋な貯金額の目安をここに置くというのがセオリーだ。
ただ、本質はそこではない。
1,000万円以上1,200万円未満と1,200万円以上の部分の違いに気づいた人はいるだろうか。
本来であれば、年収が上がれば上がるほど、増えていくはずの平均値と中央値がガツンと下がっている。
この理由が説明できる人は、金融リテラシーがかなり高い人だろう。
300万円以上500万円未満を抜け出したい人は、是非、その理由を考えてみて欲しい。
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