こんにちは、stakのあやなです。
中小企業庁から令和7年度補正予算案(経済産業省関係)が公開され、その中で「IT導入補助金2026」が「デジタル化・AI導入補助金2026」という名称で記載されていました。
今回は、IT導入補助金について、
補正予算案という一次情報から読み取れる方向性と、
実務の現場で感じているリアルな課題を踏まえた予測を整理してお伝えします。
▼中小企業庁 補正予算案(公式)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/index.html
名称変更から読み取れる方向性|「デジタル化・AI導入補助金」へ

(参照:令和7年度補正予算(中小企業・小規模事業者等関連予算))
今回の補正予算案で注目されているのが、補助金の名称に「AI」という言葉が明確に加えられた点です。
もっとも、これまでのIT導入補助金でも、
書類を自動で読み取ってデータ化する仕組みや、需要予測、チャットボットなど、AI技術を活用したツールが対象になることはありました。
つまり、「これまでAIが対象外だった」というわけではありません。
では、なぜ今あらためて「AI」を前面に出した名称に変わったのでしょうか。
背景にあるのは、人手不足の深刻化や、従来のデジタル化だけでは業務改善が頭打ちになりつつある現状です。
会計ソフトや勤怠管理システムを導入しても、「業務そのものはあまり変わらなかった」という企業も少なくありません。
その次の一手として、業務そのものを効率化・省力化するためのAI活用を、
国としても中小企業に求め始めている流れが、今回の名称変更に表れていると感じています。
【予想】生成AIツールは補助対象になる可能性がある?
ここからは、あくまで現時点での私個人の予想になります。
補助金名称に「AI」が明記されたことで、
ChatGPT、Microsoft Copilot、Notion AI などの生成AIツールも、
業務利用を前提とした形であれば、補助対象になる可能性はあるのではないかと考えています。
ただし、仮に対象になるとしても、「とりあえず契約してみる」といった導入ではなく、
業務改善の文脈でどう使うのかを説明できることが前提になるはずです。
また、無料版ではなく、Business や Enterprise プランなどの有料版が想定される可能性も高いと思います。
個人利用ではなく、組織としての活用が問われる補助金である以上、この点はこれまでのIT導入補助金と大きく変わらないと感じています。
stakの現場感|AIリスキリング研修で見えている「本当の課題」
stakでは、ChatGPTやMicrosoft Copilot、Notionなどを活用したAIリスキリング研修を中小企業向けに行っています。
研修の中で、非常によく聞くのが次のような声です。
「無料版で試してみて便利なのは分かった。でも、有料版を全社導入するとなると予算がネックになる」
生成AIは、使い始めるハードルは低い一方で、業務で本格的に使おうとすると、どうしてもコストが発生します。
さらに、社内で使いこなすためには研修やルール整備も欠かせません。
結果として、「ツール自体は魅力的だが、費用対効果が見えず、無料版だけで有料版の導入に踏み切れない」という企業多いのが実情です。
また、ツールだけを先に導入してしまい、
「結局、一部の人しか使っていない」、「現場ではほとんど活用されていない」といったケースも、決して珍しくありません。
AI・DX研修
https://stak.tech/service/ai
デジタル化・AI補助金への変更で期待できること
もし今後、「デジタル化・AI導入補助金」として、
AIツールの導入費用そのものが補助対象になるのであれば、企業側の心理的・金銭的ハードルは大きく下がると感じています。
特に、有料版AIツールとリスキリング研修をセットで導入できるようになれば、「試して終わり」ではなく、
業務に定着させるところまで一気に進められる可能性が高まります。
補助金の目的は、ツールを入れることではなく、業務を改善することです。
AI導入と人材育成がセットで評価される流れになるのであれば、実務的にも非常に意味のある制度になると考えています。
IT導入補助金2025の申請
2026年の情報を待つ一方で、IT導入補助金2025の8次公募は現在も申請可能です。
IT導入補助金2025 8次公募スケジュール
https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/
「来年はAIが対象になりそうだから、それまで待とう」と考える企業も多いかもしれませんが、
補助金の名称が「デジタル化・AI導入補助金2026」へ変更される予定である一方で、
申請に関する基本的な考え方や枠組みについては、現行制度をおおむね引き継ぐ形になる可能性が高いと予想しています。
そのため、来年を待たずとも、状況によっては引き続き申請を検討できるケースもあると考えています。
ただし、現時点では公募要領などの詳細はまだ発表されておらず、
実際の申請可否については、今後の公式発表を待つ必要があります。
制度の詳細が固まる前段階ではありますが、
「自社の場合はどうなるのか」「今から何を準備しておくべきか」といった点については、
早めに整理しておくことで、後々の動きがスムーズになります。
現時点で検討されている方や、方向性だけでも相談したいという方は、
お気軽にお問い合わせください。
問い合わせフォーム
https://stak.tech/contact
まとめ
IT導入補助金2026は、まだ補正予算案の段階で、確定した情報は出ていません。
ただ、補助金の名称に「AI」という言葉が入ったこと自体は、個人的にはすごく前向きに受け止めています。
実際、ここ最近は企業としてChatGPTやCopilot、Notion AIなどを使い始めるケースもかなり増えてきました。
少し前までは、業務効率化をしようと思うと、オリジナルのシステムを作ったり、高額なツールを導入したりするのが当たり前でしたよね。
それが今は、AIを使うことで、「こんなに簡単に業務がラクになるんだ」と感じる場面が増えてきたように思います。
コスト面でも、以前と比べるとかなり現実的な選択肢になってきました。
一方で、「本当に効果あるの?」「結局コストが高いのでは?」といった不安の声が多いのも事実です。
もし今後、AIツールの導入が補助金の対象になるのであれば、
こうした不安を持っている企業にとっても、一歩踏み出しやすくなるきっかけになるのではないかと感じています。
とはいえ、募集要項などの詳細はまだ何も発表されていません。
stakでは、今後の公式発表を追いながら、引き続き情報を整理してお伝えしていく予定です。
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p data-start=”616″ data-end=”747″>「気にはなっているけど、まだ迷っている」という方も、今のうちから少しずつ考えてみてもいいかもしれません。
