こんにちは。
なでしこリーグ2部・ディアヴォロッソ広島でプレーしながら、株式会社stakで勤務している秋庭未奈です。
前回は「視点を変えれば、可能性は広がる」について書かせていただきましたが、今回は「少し立ち止まってみる時間が、次の一歩をつくる」というテーマで、リーグ戦を通して感じたことや、自分自身の中に生まれた気づきを綴ってみたいと思います。

立ち止まることの意味を見つめ直す
いつも前を向いて、次の目標に向かって走り続けてきました。
サッカーをしていると、「止まること」よりも「進み続けること」が大切だと感じる瞬間が多くあります。
リーグ戦は毎週末にあり、負けても勝っても、すぐに次の試合に向けて切り替えなければならない。
振り返る時間も、気持ちを整える時間もほとんどなく、約7か月のシーズンを駆け抜けてきました。
そんな日々の中で、私は「少し立ち止まること」の大切さを改めて考えるようになりました。
立ち止まるというのは、何もしないことではなく、むしろ、自分の心やプレーを整えるための時間。
次に進むための準備であり、自分を見つめ直すための貴重な時間です。
以前、ある記事でこんな言葉を読んだことがあります。
「立ち止まることで、違う視点から自分を見つめ直すことができる。」
その言葉がずっと心に残っています。
忙しい毎日の中では、どうしても視野が狭くなってしまいがちです。
だからこそ、意識的に立ち止まり、自分を客観的に見つめる時間が必要なのだと思います。
立ち止まることがもたらす4つの気づき
① 視野が広がる
行き詰まったり、悩んだりしているときこそ、一度立ち止まることで、
それまで見えていなかった解決策や新たな可能性に気づけることがあります。
② 感情を客観視できる
落ち込んだり焦ったりしても、少し距離を置いて自分を見つめることで、
感情に振り回されずに、冷静に判断できるようになります。
③ 思い込みに気づく
自分の考え方や行動パターンには、無意識の思い込みが存在します。
立ち止まって内省することで、それらに気づき、より柔軟に考えられるようになります。
④ 他者への理解が深まる
自分を見つめ直すことは、他者を理解する力にもつながります。
相手の立場を想像できるようになり、人との関わり方も変わっていきます。
立ち止まることは決して弱さではなく、自分を整え、周りを感じ取るための知的な行動なのだと思います。
立ち止まることで見えてくるもの
私は、毎試合のあとに自分と向き合う時間を大切にしてきました。
「なぜあの場面でうまくいかなかったのか」
「どうしてあのプレーは成功したのか」
そんなふうに、一つひとつのプレーを自分の言葉で整理していく。
ただ反省するのではなく、「理解する」ための時間をつくることで、少しずつ自分の中に変化が生まれました。
試合中の判断や心の動きの裏側に、自分なりのパターンや癖があることに気づき、「なぜ?」を繰り返すたびに、プレーの質も少しずつ変わっていきました。
立ち止まって見つめ直すことで、自分の中の無意識に気づくことが、私にとって、成長を積み重ねる上で欠かせない習慣になっています。
不安の中でも気づけたこと
ホーム最終節やファン感謝祭を迎えるまでの期間は、毎日が不安との向き合いでした。
残留がかかった試合の重圧、2,025人プロジェクトのプレッシャー、そしてファン感謝祭を成功させたいという思い。
結果として、試合には敗れ、残留は最終節へと持ち越されました。
それでも、YouTube配信を含めて1,766人の方々が応援してくださいました。
ピッチから見たスタンドは、たくさんの人の笑顔と声援であふれていて、その光景を目にした瞬間、胸の奥がじんわりと熱くなりました。
このクラブを応援してくれる人がこんなにもいるんだ——そう感じたあの瞬間は、今でも心に残っています。
試合前後に届いたたくさんの応援メッセージ、そしてファン感謝祭での笑顔や拍手。
そのひとつひとつが、「私たちは本当に多くの人に支えられている」という実感につながりました。
立ち止まる時間の中で、感謝とつながりこそが、次に進む原動力になるということに私は気づきました。

立ち止まることは、前に進む力になる
人はつい、「動き続けなければ」と焦ってしまいます。
でも、立ち止まることは決して後退ではありません。
むしろ、それは自分を整え、次に踏み出すための力を育てる時間です。
心をリセットし、周りの声に耳を傾け、自分の内側にある声をもう一度確かめる。
その小さな時間が、思っている以上に大きなエネルギーを生み出してくれます。
私は今、この少し立ち止まってみる時間を大切にしながら、また次の挑戦に向かって歩き出しています。
立ち止まることを恐れず、自分を見つめ直すことで、きっと未来への一歩は、より確かなものになると信じています。
ディアヴォロッソ広島について
2025年3月15日に開幕した「プレナスなでしこリーグ2部」は、10月18日(土)の最終節をもって全日程を終了しました。
今シーズンの成績は、5勝10敗7分、全12チーム中10位。
厳しい戦いが続く中で迎えた最終節では、最後の最後に劇的な勝利を掴み取り、自力で2部残留を果たすことができました。
最終節は、まさに運命の一戦でした。
「勝てば自力残留」という状況の中、チーム一丸となって準備を重ね、試合に臨みました。
立ち上がりに失点を許し、苦しい展開となりましたが、誰ひとりとして諦めることはありませんでした。
ピッチの中でも、ベンチでも、全員が最後まで走り抜き、ボールを追い続けました。
そして、ラストワンプレーで獲得したコーナーキックがネットを揺らし、逆転。
全員で喜び合ったあの瞬間は、どんなに苦しくても挑戦をやめなかった1年間があったからこそ迎えられたものだと思います。
笛が鳴った瞬間、ピッチもベンチもスタンドも一体となり、歓喜に包まれました。
長いようで、あっという間に過ぎていったリーグ戦が終わり、今シーズンのメンバーで挑む最後の大会「皇后杯」が目前に迫っています。
これまで積み重ねてきたすべてをピッチで出し切り、一つでも上のステージを目指して、チーム一丸となって戦います。
少し時間がある今、自分自身の課題にも改めて向き合い、より高いレベルを目指して努力を重ねていきたいと思います。
【皇后杯JFA第47回全日本女子サッカー選手権大会】
日にち:11月8日(土)
会場:みやぎ生協めぐみ野フットボール場 Aグラウンド(宮城県)
対戦相手:FCふじざくら山梨
キックオフ:10:30
どうか引き続き、ディアヴォロッソ広島への温かいご声援をよろしくお願いいたします。
ディアヴォロッソ広島の公式SNSのフォロー・いいね・拡散もよろしくお願いいたします。
Instagram:https://www.instagram.com/diavorosso2023
