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2025年5月9日 投稿:sako

TikTokは「買う場所」になる──ライブコマース本格始動と日本市場の行方

こんにちは、さこです!

今やZ世代を中心に爆発的な人気を誇るTikTokは、単なるエンタメ動画のプラットフォームを超え、「次世代の購買チャネル」へと進化を遂げています。

特に2023年以降、TikTokは中国や東南アジアを中心に「ショッピング機能」を本格化させ、その勢いは世界市場にも波及。

日本国内でも「TikTokで見て買った」という体験を持つユーザーが増加しています。

さらに2025年6月からは、日本でもライブコマース機能の本格導入が予定されており、TikTokが「売れるプラットフォーム」としての存在感を一層強める転換点になることが期待されています。

本記事では、TikTokショッピングの仕組みや世界的な展開、日本市場への影響、そして企業・ブランドがどう活用すべきかを深掘りしていきます。

TikTokショッピングとは?:SNSとECの融合形態

TikTokショッピングは、SNSの動画視聴体験とEC機能を掛け合わせた、「ソーシャルコマース」の先進的な形態です。

主な特徴は以下の通りです:

  • 動画やライブ配信に商品リンクを埋め込める

  • TikTokアプリ内で購入が完結(アプリ内決済 or 外部EC連携)

  • クリエイターとブランドが直接提携し、販売活動が可能

このように、視聴から購入までをワンストップで完結させる導線が整っており、従来のECとは異なる発見型の購買体験を提供しています。

中国での成功事例

TikTokの本国である中国では、2023年に5兆円規模の売上を記録しました。

とくにライブコマースとの相性が抜群で、インフルエンサーがリアルタイムで商品を紹介しながら販売するスタイルが主流となっています。

このライブ販売モデルは、ユーザーとの一体感や臨場感を生み、購買意欲を直接刺激する仕組みとして定着しました。

グローバル展開と日本への波及

東南アジアでの急拡大

インドネシア、タイ、フィリピンなどの東南アジア各国では、FacebookやInstagramのシェアを超える形でTikTokショッピングが広がっています。

スマホ1台で完結する購買スタイルは、若年層を中心に急速に浸透し、ECの新たなスタンダードとなりつつあります。

欧米では賛否両論

アメリカでもTikTok Shopがローンチされ、Amazon対抗の新興勢力として注目されています。

一方で、出品者の信頼性や広告の過剰表示といった課題も指摘されており、プラットフォームとしての品質管理が今後の鍵となりそうです。

とはいえ、Z世代を中心としたサクッと買える購買スタイルとの相性は良好であり、今後の普及はほぼ確実視されています。

日本市場の現状と新たな展開

日本では2023年後半から段階的に機能が拡充され、商品リンクの付与やライブ配信での商品紹介が可能になってきました。とはいえ、まだ「TikTok=エンタメ動画」という認識が強く、EC機能の浸透はこれからです。

しかし2025年6月から始まるTikTokライブコマースの本格展開を機に、日本でも「見て→買う→共有する」という一連の体験が急速に拡大することが予想されます。

特に以下のような動きが、市場成長のポテンシャルを示しています:

  • コスメやファッション分野を中心に、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が加速

  • TikTokでバズった商品が、楽天やAmazonでも爆売れする現象が常態化

  • 若年層を中心に「商品検索はまずTikTokで」が当たり前になりつつある

このように、TikTokショッピングは単なる新機能ではなく、ユーザーの購買行動そのものを塗り替える大きなうねりとなっています。

なぜTikTokで「モノが売れる」のか?

TikTokが他のECチャネルと一線を画す理由には、大きく3つのポイントがあります。

1)欲求喚起のスピードが圧倒的

TikTokでは、「これが必要」ではなく「これ、ほしい!」という感情を一瞬で刺激できます。

ユーザーは流し見している中で、ふとした瞬間に「自分でも使ってみたい」という欲求を抱き、そのまま購入へと進む。

こうした検索不要の発見型ショッピングは、従来のECでは実現しづらい体験です。

2)インフルエンサーの「信頼感」が購買の後押しに

フォロワーにとって、日頃から見慣れたクリエイターの紹介は、ただの広告以上の説得力を持ちます。

とくに、自分と距離の近い存在に感じられる等身大のインフルエンサーによる投稿は、「この人が使ってるなら間違いない」という安心感につながり、購入の決め手となるのです。

3)エンタメ性と購買体験の融合

TikTokの最大の魅力は、動画自体がエンタメである点です。

「おもしろい」「かわいい」「便利そう」──そんな感情が動いた直後に、そのまま買える導線が提示される構造は、ECにおけるコンバージョン率を劇的に高めます。

視聴と購買がシームレスにつながっていることが、TikTokならではの強みです。

日本のブランドはどう活用すべきか?

TikTokショッピングを活用して成果を出すには、従来のマーケティング手法とは異なるアプローチが求められます。

ポイントは、視聴者の感情を動かし、自然に購買へとつなげる“共感ベースの設計”です。

TikTok向けの動画設計がカギ

単なる商品紹介動画では、TikTokのタイムラインで埋もれてしまう可能性が高いです。

重要なのは、ユーザーが「最後まで見たくなる」構成になっていること。

たとえば以下のような要素を取り入れた縦型動画が効果的です:

  • ストーリー仕立て(Before/Afterや使用体験)

  • 驚きやユーモアを含んだ展開

  • 流行中の音源やトレンドフォーマットの活用

動画の目的は「伝えること」ではなく、「惹きつけること」。

TikTok独自の文脈に沿った動画設計が必要です。

マイクロインフルエンサーの活用

知名度の高いインフルエンサーよりも、フォロワー数1万~5万人程度のマイクロインフルエンサーの活用が効果的とされています。

なぜなら、彼らはフォロワーとの距離が近く、コメントへの返信やリアルな生活感を伴った発信が多いため、「信頼」と「親近感」を得やすいからです。

ブランドとしては、多数のマイクロインフルエンサーと協業し、多面的な露出を狙う戦略が有効です。

「売る」より「好きにさせる」

TikTokで売上につなげるには、「すぐ売る」ではなく「まず好きになってもらう」ことが出発点です。

商品の魅力を直接押しつけるのではなく、共感・面白さ・驚きといった感情のフックから入ることで、ユーザーの関心を自然に購買へと導くことができます。

従来の「関心→検討→購入」というファネル型から、TikTokでは「発見→共感→衝動購入」という流れが主流になりつつあります。

つまり「好き」になってもらえるコンテンツ設計こそが、TikTokショッピング成功のカギです。

5. 今後の展望と課題

日本でもライブコマースが本格始動へ

いよいよ2025年6月から、TikTokは日本市場においてライブコマースの本格展開を開始します。

リアルタイムでの商品紹介、視聴者とのインタラクション、そしてその場での即時購入という流れが一体化することで、エンタメと購買が完全に融合した新たな消費体験が生まれることになります。

これに伴い、TikTok側でも以下のような整備が進められています:

  • クリエイター向けのライブ販売支援体制の強化

  • ブランドと配信者を結びつけるマッチング機能の充実

  • 決済・配送システムの整備

企業・ブランドにとっては、ライブコマースへの参入障壁が大きく下がるタイミングであり、先行してノウハウを蓄積することで大きなアドバンテージを得られる可能性があります。

広告規制・出品ルールの整備

海外では、信頼性の低い出品者や過度な広告表示が問題視されており、TikTokプラットフォーム全体の信頼性維持が課題となっています。

日本市場においても、同様の課題が発生する可能性が高いため、ガイドラインの整備や認証制度の導入など、健全な取引環境の構築が急務です。

国内企業の「実店舗×TikTok」連携も加速?

今後注目されるのが、実店舗とTikTokの連携によるOMO(Online Merges with Offline)戦略の進化です。

たとえば以下のような活用が想定されます:

  • 店員がTikTokライブで商品を紹介

  • 配信中にオンラインで即時購入

  • 実店舗の在庫とリアルタイム連携

アパレル、コスメ、雑貨など「見せ方」が重要な商材においては、店頭スタッフの接客力とTikTokの拡散力を掛け合わせた新たな販売モデルとして期待されています。

AIとの連携による「パーソナライズド動画広告」時代へ

TikTokはもともとAIによるレコメンドアルゴリズムに強みを持っていますが、今後はその技術がショッピング分野にも応用されていくと予測されます。

たとえば:

  • ユーザーの視聴履歴や購買傾向に基づいて商品動画を自動生成

  • クリエイターや商品の組み合わせを最適化して配信

  • 時間帯や嗜好に応じて動画の構成を変える

こうした1人ひとりに最適化された動画広告の実現により、CVRの向上とユーザー体験の深化が同時に進む可能性があります。

まとめ:TikTokは“次の楽天”になり得るか?

TikTokショッピングは、エンタメと購買体験を融合させた、これまでにない新しい消費文化を築きつつあります。

特に2025年6月から本格化するライブコマースの波は、日本の購買スタイルやマーケティングの常識を根底から変える可能性を秘めています。

これからの時代、ブランドやマーケターにとっては「TikTokで売れるかどうか」が、新たなKPIとなるかもしれません。

エンタメから始まる購買行動に目を向けることは、単なる流行ではなく、新たな市場との向き合い方を見直す第一歩です。

今この瞬間こそ、時代の変化をチャンスに変える好機です。

ぜひみなさんも、TikTokで実際に商品検索をしてみたり、ライブ配信を覗いてみたりして、「いまの消費者がどんな体験をしているのか」を肌で感じてみてください。

その視点が、次の一手を導くヒントになるかもしれません!

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