stakのあやなです。
残り2ヶ月ということで、「ふるさと納税」の返礼品選びを始めている方もいるのでは、ないでしょうか。
今回は、2024年10月から導入された「ふるさと納税の新ルール」について紹介していきます。
でも、そもそも「ふるさと納税」って結局なに?って思われている方もいると思いますので、まず「ふるさと納税」について簡単にご説明します。
ふるさと納税とは
ふるさと納税は、2008年に地域活性化と寄付者への感謝を両立する目的で始まりました。
地方自治体への寄付を通じて、自分が応援したい地域や特産品を選び、同時に税金の控除を受けられる制度です。
納税者が寄付をすることで、地元の特産品などを「返礼品」として受け取ることができるため、多くの方が利用しています。
また、以前、ふるさと納税について、手続き方法やおすすめの寄付先などを紹介していますので、よければこちらの記事もチェックしてください。
▼ブログ
まだ間に合う!ふるさと納税について
https://stak.tech/news/19687
ふるさと納税の新ルールについて
ふるさと納税の返礼品は、当初は地域の特産品や名産物を通して寄付者に地域の魅力を届けることが目的でした。
しかし、制度が広まると、寄付を集めたい自治体が豪華な返礼品を提供し、競争が過熱しました。
これにより、制度の本来の趣旨から逸脱する自治体も増えてきたため、総務省は2023年に「新ルール」を導入しました。
これにより、返礼品の提供には明確な基準が定められ、ふるさと納税が本来の趣旨に沿った運用に戻ることを目指しています。
新ルールの詳細
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返礼品の価値は寄付額の2割以下に制限
新しいルールでは、返礼品の価値が寄付額の2割以下に制限されました。たとえば、10,000円の寄付に対して、2,000円相当の返礼品が上限となります。
これにより、自治体が返礼品競争を通じて寄付を集めることが難しくなり、寄付者が「地域支援」を目的として寄付先を選ぶよう促されます。 -
返礼品は地元産品に限定
返礼品は必ず、寄付先の自治体で生産された品物に限られます。これにより、寄付金が地元経済に還元され、地域産業の振興に直接役立つ仕組みが整えられます。
例えば、都城市では宮崎牛や黒豚、焼酎といった地元の特産品が返礼品の中心です。こうした取り組みが地域ブランドの確立や農業振興に寄与します。 -
家電・高級品の返礼品提供の禁止
これまで一部の自治体では、地域外で生産された家電製品や高級品を返礼品として提供していましたが、2024年の新ルールではこうした品物の提供が禁止されました。
地域産業と無関係な商品を使って寄付金を集めることができなくなるため、制度本来の趣旨に沿った返礼品提供が進むことが期待されます。
新ルール導入の目的
- 地域経済の活性化
地元産品の返礼品化を促すことで、寄付金が地域の農業や商工業の振興に直結するようになります。
例えば、寄付を受けた自治体が地域特産品をアピールすることで、新たなビジネスや観光客誘致のきっかけとなります。 - 制度の公平性の向上
豪華返礼品を武器にした自治体間の競争を抑え、寄付が特定の自治体に偏らないようにすることが狙いです。
これにより、全国の自治体が公平に寄付金を活用できるようになります。 - 寄付者が「地域支援」を目的に寄付できる環境づくり
返礼品の豪華さではなく、地域の支援に重点を置いた寄付が増えることを目指しています。
これにより、自治体が返礼品に依存せず、地域の魅力をアピールする姿勢が促されます。
2023年(令和5年)の全国寄付金ランキング
2023年(令和5年)は、多くの自治体がふるさと納税によって寄付を集めました。
その中でも特に人気が高かった自治体のランキングが毎年発表されます。
上位の自治体には、返礼品が豪華であることや、地域の魅力を効果的にアピールできたことが挙げられます。さらに、災害復興や特定の目的に寄付を集めた自治体も上位にランクインしています。
(参考:NHK)
1位:宮崎県都城市
寄付金:193.84億円
返礼品:宮崎牛や黒豚、焼酎などの食品が充実。
高品質な肉製品が特に人気です。
2位:北海道紋別市
寄付金:192.13億円
返礼品:蟹やホタテなど、新鮮な海産物が豊富。
北海道ならではの特産品が全国の寄付者に喜ばれています。
3位:大阪・泉佐野市
寄付金:175.14億円
返礼品:牛肉やブランド米、高級タオルなど、多彩な品揃えが魅力。
泉佐野市は過去に一時、規制を巡るトラブルもありましたが、その後も工夫を凝らした返礼品で寄付を集めています。
寄付金の使い道
ふるさと納税で集められた寄付金は、自治体によってさまざまなプロジェクトや地域支援に活用されています。
具体的な使い道としては下記のようなものです。
- 地域のインフラ整備:道路や公共施設、災害対策の強化など、住民の生活環境を支えるインフラの整備に利用されます。
例えば、老朽化した橋の修繕や防災設備の設置などが行われています。 - 教育や子育て支援:学校や保育施設の充実、学習環境の向上、児童福祉に関する取り組みに寄付金が活用されます。
地域の未来を担う子どもたちの成長を支えるための大切な支援です。 - 観光振興と地域振興:観光地の整備や文化財の保護、地域の特色を生かしたイベントの開催など、地域活性化に直接的な影響を与えるプロジェクトに使われることもあります。
- 医療・福祉の充実:高齢化が進む中で、地域の医療・福祉サービスを充実させるための支援が必要です。
医療機器の購入、福祉施設の整備、介護支援などに寄付金が使われることで、住民の健康と福祉の向上が図られています。
上位にランクインした宮崎県都城市は、地域活性化と住民生活の向上に寄付金を活用しています。
具体的な事例をいくつかご紹介します。
宮崎県都城市の事例
(参考:宮崎県都城市サイト)
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農業の振興
宮崎牛や黒豚の生産地である都城市では、地元農業者支援やインフラ整備に寄付金を活用しています。
地元産品のブランド力を高めるためのプロモーション活動にも貢献し、地域経済の発展につながっています。 -
教育・子育て支援
保育施設の整備や学習支援プログラム、放課後の居場所づくりなど、次世代を支える子育て支援や教育環境の充実に寄付金が役立っています。
どのように寄付金が使われているのか特設サイトで確認することもできます。
宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト
https://furusato-miyakonojo.jp/
最後に
ふるさと納税の新ルールが導入されることに対して、色々な意見もあると思いますが、本来の「ふるさと納税」の意図を考えると、新しいルールの導入は良かったのではないかと思いました。
これまで、私もふるさと納税の申請をするとき、返礼品を見て自分自身がただ欲しいものを選んでいました。
(もちろん、欲しいものを選ぶのもいいと思います!)
ですが、実際自分が寄付したお金がどのように使われるのかを考えて、返礼品を選んでみるというのもいいのではないでしょうか。
昨年、自分が寄付した自治体でどのように活用されているのかチェックしてみてください!