硝煙弾雨(しょうえんだんう)
→ 戦いが非常に激しいこと。
歴史はくり返すという言葉は多くの人が聞いたことがあるだろう。
悲しいかな、その中の1つに戦争や紛争がある。
戦争の歴史は非常に広範で複雑なものだが、一般的に戦争は国家や集団間の紛争が武力行使によって解決されることが多い。
ということで、戦争の一般的な原因、過程、結果について書いていくと同時に、史実に刻まれている戦争や紛争を紹介していこう。
戦争の原因
書く必要もないかもしれないが、戦争の原因は多岐に渡る。
一般的な要因をいくつか挙げていくと下記のとおりだ。
領土や国境の争い
国家間や民族間で領土や国境に関する紛争が発生し、解決が困難な場合、武力衝突に至ることがある。
資源と経済の競争
資源や経済的利益の獲得をめぐる争いが発生することがある。
例えば、石油や鉱物資源の支配権を巡る争いは戦争の原因となるといった具合いだ。
権力闘争やイデオロギーの対立
政治的な権力闘争やイデオロギーの対立が戦争の原因になることがある。
例えば、第二次世界大戦はナチス・ドイツの拡張主義とファシズムに対する連合国の抵抗から生じたものだ。
民族・宗教的対立
民族や宗教の違いによる対立が戦争の原因になることがある。
民族や宗教のアイデンティティに基づく争いはしばしば暴力的な衝突に繋がる。
戦争の過程
戦争の過程も戦争の原因と同様に、戦争の性質や時代によって異なるが、下記のようなパターンが見られる。
1)緊張と対立
戦争は、しばしば政治的、軍事的な緊張から始まる。
敵対する勢力は互いに圧力をかけ合い、緊張が高まる。
2)宣戦布告
交戦する国家が宣戦布告を行うことで、戦争が正式に始まる。
これは敵対関係の宣言であり、各国は軍事行動に移る準備を始める。
3)戦闘と戦略
戦争では戦闘行動と戦略の策定が重要な役割を果たす。
軍事力を行使し、敵国の領土を攻撃し、制圧しようとする。
戦争の戦闘は陸上、海上、空中で行われることがある。
両勢力は兵士や兵器を投入し、戦場での優位性を求める。
4)戦争経済と物資調達
戦争は大量の資源や物資が必要だ。
参戦国は戦争経済を確立し、兵器、弾薬、食料、医療などの供給を確保する必要があるので、経済の動員や物資の調達が行われる。
5)戦争の拡大と国際介入
戦争が長期化すると、他の国家や国際組織が介入することがある。
同盟関係や外交的な関係が結ばれ、戦争は地域紛争から国際紛争へと拡大することがあるというわけだ。
6)戦争疲弊と平和交渉
戦争は激しい戦闘と犠牲を伴うことから、長期の戦争では、参戦国の経済、人的資源、士気が疲弊し、平和への意思が生じることがある。
このような場合、平和交渉や停戦合意のための交渉が行われることがある。
7)戦争の終結
戦争は停戦合意、降伏、平和条約などによって終結する。
敗北した側は条件に基づき、領土の割譲、賠償金の支払い、軍備の制限などを受け入れることがある。
戦争の結果
戦争の始まりと過程が異なると、当然だが戦争の終わり、つまり結果も戦争の性質や目的によって異なる。
人的・物的損失
戦争は犠牲者を出し、都市やインフラの破壊を引き起こす。
戦争による人的・物的損失は非常に大きく、復興や回復には時間がかかることがある。
領土や国境の変更
戦争によって国境や領土の変更が生じることがある。
勝利した側は領土の拡大や併合を果たし、敗北した側は領土の割譲や喪失を強いられることがある。
政治・経済の変動
戦争の結果、政治体制や経済構造が変動することがある。
勝利した側が政治的な優位性を獲得し、経済的な利益を享受する一方で、敗北した側は政治的・経済的な影響力を喪失することがある。
社会・文化への影響
戦争は社会や文化にも深い影響を及ぼす。
戦争によって社会的な絆が崩れ、人々の生活や価値観が変化することがある。
また、文化的な遺産や文化財の破壊も戦争の結果として発生することがある。
国際関係の再編
戦争の結果、国際関係が再編されることがある。
同盟関係の変化や新たな国際秩序の形成が起こることがあるというわけだ。
また、戦争が他の地域や国家に波及する可能性もある。
史実に残っている戦争や紛争
一般的な戦争の原因と過程と結果について書いてきたが、実際にはどんな戦争が行われてきたのか、史実に残っている戦争や紛争を紹介していこう。
トロイア戦争(紀元前1194年 – 紀元前1184年)
トロイア王国とギリシャ諸都市が争った戦争で、ホメロスの叙事詩のイリアスにも描かれている。
ペルシア戦争(紀元前499年 – 紀元前449年)
古代ギリシャの都市国家とアケメネス朝ペルシャ帝国との対立が原因で起きた戦争で、有名な戦闘としてマラトンの戦いやテルモピュライの戦いがある。
ポエニ戦争(紀元前264年 – 紀元前146年)
ローマとカルタゴとの間で行われた一連の戦争で、地中海世界の覇権を巡る争いだった。
最終的にローマが勝利し、カルタゴは完全に破壊された。
ローマ帝国とゲルマン民族との戦争(1世紀 – 5世紀)
ローマ帝国とゲルマン民族との間でくり広げられた一連の戦争で、テウトボルギウスの戦いやアリアス川の戦いなどが有名だ。
十字軍(11世紀 – 13世紀)
キリスト教徒が聖地エルサレムの奪還を目指して行った一連の遠征だ。
最も有名なのは第1回十字軍で、1099年にエルサレムを占拠した。
百年戦争(1337年 – 1453年)
フランスとイングランドとの間で起こった長期にわたる戦争で、領土争いや王位継承問題が争点となった。
独立戦争(1775年 – 1783年)
アメリカ植民地がイギリスからの独立を目指して行われた戦争だ。
アメリカ側は13植民地の軍勢で構成され、イギリス軍と対峙した。
戦争の結果、アメリカは独立を達成し、アメリカ合衆国が建国された。
ナポレオン戦争(1803年 – 1815年)
フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトが指導するフランス帝国と、その勢力拡大に対抗する連合軍との間で行われた一連の戦争だ。
戦争の結果、ナポレオンは1815年のワーテルローの戦いで敗北し、フランス帝国は崩壊した。
ゴリポリの戦い(1853年 – 1856年)
クリミア戦争とも呼ばれ、ロシア帝国とオスマン帝国などの連合軍との間で行われた。
ロシアが黒海の拡大を狙い、連合軍がこれに対抗した。
南北戦争(1861年 – 1865年)
アメリカ合衆国内で行われた戦争で、北部(連邦政府)と南部(連邦からの脱退を宣言した南部諸州)の間で争われた。
主な原因は奴隷制度や州の権利に関する対立だった。
北部の勝利により、アメリカ合衆国の統一が保たれた。
ボーア戦争(1899年 – 1902年)
イギリスとボーア人(南アフリカのオランダ系入植者)の間で行われた戦争だ。
イギリスがボーア人の領土を併合しようとしたことに対し、ボーア人が抵抗した。
戦争はゲリラ戦や包囲戦の特徴を持ち、最終的にイギリスが勝利した。
メキシコ革命(1910年 – 1920年)
メキシコで発生した一連の武力闘争で、フランシスコ・マデロ、ビクトリアーノ・ウエルタ、エミリアーノ・サパタ、パンチョ・ビリャなどの指導者が中心となった。
結果的に農地改革や労働者の権利拡大などの社会的変革がもたらされた。
第一次世界大戦(1914年 – 1918年)
主にヨーロッパを舞台にした大規模な戦争で、中央同盟国(ドイツ、オーストリア=ハンガリー、オスマン帝国など)と連合国(イギリス、フランス、ロシア、アメリカなど)との間で戦われた。
戦争の結果、多大な犠牲者を出し、世界の地政学的な秩序が変化した。
中国の内戦(1927年 – 1949年)
中華民国と中華人民共和国の間で行われた内戦だ。
国共内戦とも呼ばれ、中国国民党(中華民国)と中国共産党(中華人民共和国)の間で争われた。
最終的に共産党が勝利し、中華人民共和国が成立した。
第二次世界大戦(1939年 – 1945年)
ドイツ、イタリア、日本を中心とする枢軸国と、イギリス、アメリカ、ソビエト連邦などを中心とする連合国との間で行われた戦争だ。
戦争は世界中に広がり、数々の戦闘が行われた。
戦争の結果、枢軸国は敗北し、世界の地政学的な秩序が大きく変化した。
イスラエル・アラブ戦争(1948年、1956年、1967年、1973年)
イスラエルとその周辺のアラブ諸国との間で数回にわたって戦われた一連の戦争だ。
イスラエルの独立宣言後、周辺のアラブ諸国との間で領土争いや国家の存続を巡る対立があった。
朝鮮戦争(1950年 – 1953年)
朝鮮半島を舞台にした戦争で、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と南朝鮮(大韓民国)の間で争われた。
北朝鮮が南朝鮮に侵攻したことから始まり、国連軍が南朝鮮を支援した。
最終的に休戦協定が結ばれ、停戦状態が続いている。
ベトナム戦争(1955年 – 1975年)
北ベトナム(ベトナム民主共和国)と南ベトナム(ベトナム共和国)の間で行われた戦争で、アメリカを中心とする連合軍が南ベトナムを支援し、北ベトナムの共産主義勢力に対抗した。
最終的に北ベトナムの勝利となり、ベトナムは統一された。
イラン・イラク戦争(1980年 – 1988年)
イランとイラクの間で行われた戦争で、イラクがイランに侵攻したことから始まった。
宗教的・政治的対立や領土争いが背景にあった。
戦争は長期化し、多くの犠牲者を出したが、結果的に休戦協定が結ばれた。
フォークランド紛争(1982年)
イギリスとアルゼンチンとの間で行われた戦争で、フォークランド諸島(マルビナス諸島)を巡る領土争いが原因で発生した。
イギリスが軍事行動を起こし、アルゼンチンを撃退した。
湾岸戦争(1990年 – 1991年)
イラクがクウェートに侵攻したことから始まった戦争で、多国籍軍がクウェートの解放を目指してイラクと戦った。
イラクは撃退され、クウェートは解放された。
ルワンダ虐殺(1994年)
ルワンダで発生したエスニック紛争で、ツチ族とフツ族の間で大規模な虐殺が行われた。
国際社会の介入が遅れたことや内外の複雑な政治情勢が悪化を招き、紛争は数ヶ月間続いた。
イラク戦争(2003年 – 2011年)
アメリカ合衆国を中心とした多国籍軍がイラクに侵攻し、サッダーム・フセイン政権を倒すことを目指した戦争だ。
戦争後のイラクは内部紛争やテロ活動が続き、長期にわたって不安定な状態が続いている。
2023年5月現在も続いている戦争や紛争
ザッと挙げただけでも上述した戦争や紛争があるということは、現在進行系の戦争や紛争も当然あるというわけだ。
メディアでも報じられることが多いので、知っている戦争や紛争も多いと思うが、一部を挙げてみると下記のとおりだ。
アフガニスタン紛争(1978年 – 現在)
ソビエト連邦がアフガニスタンに軍事介入し、アフガニスタン民主共和国を支援した。
これに対してアフガニスタンの反政府勢力(ムジャーヒディーン)がソ連に対する抵抗を行った。
この紛争は現在でも続いており、多くの国々が関与している。
シリア内戦(2011年 – 現在)
シリアで始まった内戦で、反政府勢力と政府軍の対立が中心となっている。
この内戦は地域および国際的な干渉も受け、数百万人が犠牲となり、大規模な人道危機が生じている。
ウクライナ紛争(2014年 – 現在)
ウクライナのクリミア半島併合を巡る対立から始まり、ロシアとウクライナの間での紛争が拡大した。
東部のドンバス地域では親ロシア派勢力とウクライナ政府軍との間で激しい戦闘が続いている。
イエメン内戦(2015年 – 現在)
イエメンで勃発した内戦で、イエメン政府とフーシ派(反政府勢力)との間で戦闘が続いている。
地域の覇権争いや宗派間の対立が内戦の背景となっており、国民の生活環境や人道状況が悪化している。
まとめ
2023年5月19日 – 5月21日にかけて、stak, Inc. が拠点としている広島で、G7が行われた。
G7開催中の広島の街中の様子は日常とは異なり、どこか独特の空気感はあった。
規制がかなり厳しかった影響から、会社やお店を休業とするところも多く、G7開催中は休日のような感じだった。
そして、そのG7では原子爆弾が落とされた場所として、世界に向けてのアピールも行われていた。
広島で生まれ育った私としては、個人的には平和教育に対していろいろと言いたいことはあるが、岸田政権としては支持率向上に貢献する絶好のイベントだったに違いない。
いずれにせよ、いかなる理由があったとしても、戦争や紛争を行うことは善ではないことは明言しておこう。
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