質実剛健(しつじつごうけん)
→ 飾り気が無く真面目で、心身ともに健康であること。
年齢を重ねていくと、必ずといっていいほど話題に上がるのが健康をテーマにした話題だ。
過去ブログを見てもらってもわかると思うが、定期的に健康については話題にしている。
ということで、今回も過去に取り上げた話題と少々カブるところがあるかもしれないが、健康をテーマについて書いていこう。
今さら聞けない平均寿命と健康寿命ってなぁに?
健康をテーマにしたときに切り離せないのが、寿命という概念だろう。
そして、その寿命というのは一般的には平均寿命をイメージする人が多いだろう。
ただ、注目したいのは平均寿命よりも健康寿命だということを改めて主張しておきたい。
とはいえ、その違いがよくわからないという人も多いと思うので、簡単に紹介しておこう。
平均寿命
平均寿命は、ある時点でのある地域の、生まれたばかりの人々が平均的に生きる期間を表している。
すなわち、その地域の出生数と死亡数を比較して、生き残る期間の平均値を算出したものだ。
例えば、ある国の平均寿命が75歳であれば、その国で生まれた人々の平均寿命は75歳ということになる。
健康寿命
健康寿命とは、自立した日常生活を送り続けることができる期間を表している。
つまり、病気や障害などの健康上の問題が生じてから、普通の日常生活を送れなくなるまでの期間を示している。
例えば、ある国の健康寿命が70歳であれば、その国の人々は70歳までに病気や障害によって普通の日常生活が送れなくなることが多いということになる。
2つを比較すれば一目瞭然だが、要するに平均寿命は、ある地域の人々が平均的に生きる期間を表すのに対し、健康寿命は、人々が自立した日常生活を送り続けることができる期間を表している。
平均寿命は生きている期間なので、寝たきりの状態であってもカウントされるが、健康寿命は健康への配慮や健康増進の取り組みの重要性を示す指標なのでカウントされない。
とどのつまり、健康じゃないと生きていても意味ないよねということで、平均寿命よりも健康寿命を重視するという流れになっているというわけだ。
世界の平均寿命TOP10
せっかくなのでより深くデータで見るとわかりやすということで、世界の平均寿命の2023年3月時点でのTOP10は下記のとおりだ。
- 日本:85.9歳
- スイス:83.4歳
- オーストラリア:83.3歳
- シンガポール:83.1歳
- スペイン:82.9歳
- アイスランド:82.8歳
- イタリア:82.6歳
- カナダ:82.5歳
- ノルウェー:82.3歳
- フランス:82.2歳
ちなみに、世界平均寿命は約72歳となっている。
世界の健康寿命TOP10
一方で、世界の健康寿命の2023年3月時点でのTOP10は下記のとおりだ。
- 日本:74.2歳
- スイス:73.5歳
- オーストラリア:73.2歳
- イタリア:72.5歳
- スペイン:72.3歳
- シンガポール:72.2歳
- ノルウェー:72.0歳
- カナダ:71.8歳
- アイスランド:71.8歳
- スウェーデン:71.7歳
上述した平均寿命と比べてみても、ほとんどの国が重複しているのがわかると思うが、平均して10歳程度若くなっていることが理解できるだろう。
改めて、健康寿命について説明すると、人生の最後まで健康で自立した状態を維持できる期間のことで、WHO(世界保健機関)によって定義されている概念だ。
つまり、健康で生きていられる時間とただただ生かされている状態では10年の差があると思った方がいい。
80歳以上まで生きられるというのと、健康でいられるのは70歳代だと思うのでは、人生設計は大きく変わるはずだ。
人類の寿命の変化
それでは、少々視点を変えて、現代では平均寿命が80歳程度、健康寿命が70歳程度というのが一般的な認識だと思うが、その昔、人類はどのくらいの寿命だったのかについても書いておこう。
先史時代・古代
この時代の人類の平均寿命は、先史時代から古代までは20~30歳程度だったとされている。
原始社会では狩猟や採集が主な生業で、外敵や自然災害、感染症などのリスクが高かったからである。
また、農耕社会が始まっても、栄養不良や感染症が蔓延し、子供の死亡率が高かったため、平均寿命は40歳程度までしか伸びなかった。
中世・近世
中世から近世にかけて、平均寿命は40~50歳程度にまで上昇したとされている。
農業生産技術の向上によって食糧供給が安定し、感染症の発生率が下がったからである。
また、ヨーロッパにおいては、18世紀になると衛生状態が改善され、平均寿命は50歳を超えた。
近代・現代
近代以降、平均寿命は急速に伸びている。
医療技術の進歩によって疾患の治療が可能になり、感染症の予防や治療が行われるようになったからだ。
また、栄養状態の改善や労働環境の改善、教育の普及などによって、健康寿命も延びている。
人類の寿命が伸びた理由
より具体的に人類の寿命が伸びた理由について列挙すると下記のとおりだ。
医療技術の発展
人類の寿命が伸びた最大の要因は、医療技術の発展が最大の理由だろう。
近代医療技術の進歩により、疾患の予防や治療が可能になり、生命を脅かす病気から身を守ることができるようになった。
また、衛生状態の改善によって感染症の発生率が減少し、健康寿命が延びたことも大きな要因だ。
栄養状態の改善
近代以前は、飢餓や栄養不良が広く見られ、子供や若年層の死亡率が高かった。
ところが、農業生産技術の発展や交通網の発展によって食糧の供給が安定し、栄養状態が改善された。
これによって、成長期における身体の発育が促進され、疾患への抵抗力が強化されたことも寿命延長の要因だ。
社会的環境の改善
社会的環境の改善によって、人々のストレスレベルが下がり、精神的な健康状態が改善された。
例えば、労働時間の短縮、休暇の増加、教育水準の向上、都市化による文化・エンターテインメントの充実などが挙げられる。
世界一長生きした人
ここまでくると、世界一長生きした人というのは気にならないだろうか。
世界一長生きした人として認められているのは、フランスのJeanne Calment(ジャンヌ・カルマン)という女性だ。
彼女は1875年2月21日に生まれ、1997年8月4日に亡くなるまで122歳164日を生きたという記録が残っている。
ジャンヌ・カルマン氏は、ごくごく普通の生活を送っていたとされており、夫は長生きしなかったため、晩年は単身で生活していた。
そして、彼女は運動をせず、タバコも吸わず、毎日1杯のポートワインを飲んでいたことが知られている。
ジャンヌ・カルマン氏が長生きできた理由については、遺伝的な要素や健康的な生活習慣、そしてストレスをためずに楽観的な考え方をしていたことなどが挙げられる。
彼女はまた、フランス革命の時代に生まれ、ビクトリア朝時代、第一次世界大戦、第二次世界大戦など、世界を揺るがす多くの出来事を経験している。
そんな彼女の生涯は現代の医療や生活習慣の改善が進むことによって、今後は他の人でも長寿が普通のことになる可能性がある。
とはいえ、この人物が生きた時代は、長寿の秘訣がよく知られていなかったり、医療技術が限られていたりしたため、この人物が長生きしたことは驚異的な出来事だったということも否定できない。
ジャンヌ・カルマン氏が生きた時代は、現代と比べて長寿になることが非常に難しかった中で特殊中の特殊だった可能性も否定できないというわけだ。
まとめ
私は手塚治虫という漫画家が大好きだ。
初めて彼の作品に出会ったときには、いまいち理解できない作品も多かったが、大人になるにつれてそのスゴさを痛感した。
というのも、彼の作品には不老不死をテーマにしたものも多く、難しいと感じる一方で共感できる部分が大きいからである。
興味がある人は、是非下記の作品を見てもらえると嬉しい限りだ。
- 火の鳥
- 鉄腕アトム
- 不死身の仁
- 新竹取物語 1000年女王
このあたりの作品を通じて、生命の大切さがわかると同時に人間にとって本当の幸福とはなにかといったところまでも考えさせられる。
あなたにとっての健康寿命は、あと何年だろうか。
それを常に頭の片隅に置いておくことで、生き方に変化が起きないようであれば、幸福を手に入れることはできないだろう。
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