祭政一致(さいせいいっち)
→ 神を祭ることと政治は一体であるという考え方。
圧倒的な経営者として、その名を知らない人も少なくなったのではないだろうか。
TESLA(テスラ)、スペースXのCEOでその名を世界中に知らしめた、イーロン・マスクだ。
かくいう私も、単純にファンの1人だと言っていい。
もちろん、全ての言動を肯定的に受け止めているわけではないが、やはりスゴいの一言に尽きる。
そんなイーロン・マスクを神と崇める人もいるし、彼は政治的な発言も多く密接に関わっているイメージがある。
そして、なによりも2022年11月現在、彼を中心に話題となっているのが、Twitterだ。
イーロン・マスクによるTwitter買収
2022年4月25日に世界中を賑わせるニュースが飛び込んだ。
イーロン・マスクが、約440億ドルでTwitter買収を発表したのである。
ところが、2022年7月にその買収提案を撤回した。
その後、2022年9月にTwitterの臨時株主総会で、イーロン・マスクの買収提案が可決されて、翌月の2022年10月にイーロン・マスクが再度の買収提案を行なった。
そして、2022年10月27日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で公開された文書によれば、同氏が保有するX Holdingsの100%子会社であるX Holdings IIはTwitterと合併した。
Twitterの株式は1株54.20ドルの現金と交換され、Twitterは同証券取引所から上場廃止となる。
ロイターやブルームバーグなど複数のアメリカメディアの報道によると、買収額は440億ドル(約6.4兆円)ということだ。
つまり、Twitterはイーロン・マスクによって、正式に買収完了した形となったわけだ。
かねてから、イーロン・マスクは、Twitterの言論の自由の確保や、認証の強化、スパムの撃退、アルゴリズムのオープンソース化に取り組む方針を示していた。
イーロン・マスクは、言論の自由の確保と共に、人類の助けになりたいと言及しており、Twitterはブランドを強化し、企業の成長を助ける最も尊敬される広告プラットフォームになると宣言した形だ。
2022年11月現在のTwitterについて
イーロン・マスクの買収により、Twitterのビジネスモデルの変革が急ピッチで進められている。
Twitter Blue
まず、Twitterの認証バッジ、いわゆる青バッジを有償サービスが話題になっている。
このTwitter Blueと呼ばれる機能を1つにして、月額8USドルにする計画を発表した。
2022年11月10日には、青バッジの発売がアメリカとカナダで開始されると、あっという間に14万人が新規加入し、一次受付を停止している。
日本国内でも月額900円で申請ができると話題になると同時に、青バッジのアカウントの名前の変更ができなくなるといった混乱も見られている。
また、これまで認証済みの意味で使われていた青バッジが、お金を払えば得られるようになったことで、偽アカウントの登場もどういった対応になるのか、注目を集めている状況だ。
Official(公式)マーク
2022年11月8日には、上述した認証バッジ(青バッジ)有償化後は、公式アカウントに青バッジとは別のOfficialラベルを付与することも明らかにしている。
実際、2022年11月10日には実際にOfficial(公式)ラベルが付与されたアカウントも見られるようになった。
ということで、企業を中心にOfficial(公式)ラベルの付与が始まった。
一方で、公式ラベルの混乱に乗じ、フィッシング詐欺が増えているという調査報告もあがり始めている。
このOfficial(公式)ラベルについては、その企業のアカウントが、自社の幹部のアカウントをOfficial(公式)として認証できるようなシステムが検討されているという。
ユーザの反応について
Twitter社内部の急速な変化にユーザの間でも混乱が広がっているという報道が目立つ。
アメリカでは、セレブの間でTwitter離れが進行しつつあるというし、言論の自由の捉え方は様々なので、ヘイトスピーチ(憎悪表現)が拡散しかねないとの懸念もある。
日本国内でも、Twitterが有料化を検討中という噂に反応し、Twitterが有料になればmixiに戻るしかないのかといった揶揄するような発信が話題になっている。
こういった声がある中で、イーロン・マスクは早速動いた。
TwitterのCEO、CFO、CLO、法務顧問など9人を解任し、自身が唯一の取締役になったという組織変革を行った。
その後、2022年11月4日からは従業員の大量解雇が始まり、Twitter社全体の約50%の人員を削減したという。
また、2022年11月12日には、全体の8割に当たる契約社員を大量解雇した。
イーロン・マスクは買収前の2022年10月の時点で、買収が完了したら従業員の75%を削減するという計画を発表しており、それを実行した形になったというわけだ。
イーロン・マスクのTwitter構想
上述した大量解雇の1週間後に、イーロン・マスクはスタッフに下記のことを伝達したという。
ユーザ数10億人を目指す
Twitterを本当の意味で世界的にインパクトをもたらすプラットフォームに成長させるには、そのくらいのユーザーベースが必要だと語った。
会社の破産宣告
ユーザが10億人いても赤字では意味がないので、優れたサービスによって課金を促すことを示唆した。
有償の認証制度
現状のTwitterの運用では無料で無数のBot(ボット)を作れてしまうことがサイバー犯罪を招いていることから、課金によって悪意のあるユーザーには割が合わない状況を作り出すと宣言した。
バンキングサービス
決済ビジネスは重要で、Twitter経由でのリアルタイム送金の全世界展開を実現したいということを主張した。
リモートワーク
特別優秀な人間以外、リモートワークは禁止する旨を発表した。
オフィス勤務の方がコミュニケーションが円滑になり、生産性も上がるという見解を明確にしている。
オンボーディングの実現
明確にTikTokを意識しており、アカウント登録なしでもユーザの興味をひくような情報が表示されることで、利用開始時のハードルを下げることを示唆した。
その結果から、ユーザの好みを分析し、それに合ったツイートが表示されるようにするというアルゴリズムを組むという。
動画サービス
Twitter内の動画の長さ制限をなくし、かつマネタイズできるようにするという。
TikTokとYouTubeを合わせたような動画サービスが理想だと掲げている。
機能告知
一般にはあまり知られていない、Twitterにおける動画のフルスクリーン再生機能などをしっかり告知していく。
広告の運用
有償サブスクリプションとなっているYouTubeプレミアムやYouTubeミュージックは、ビジネス的には成功していないことを例に挙げ、それを超えることを目指すと宣言している。
ちなみに、YouTubeの全ユーザの26億人に対して、YouTubeプレミアムやYouTubeミュージックの登録者は8,000万人のみに留まっている。
企業文化の重要性
エンジニア中心の企業文化を浸透させることが大切だと宣言。
まとめ
他にもイーロン・マスクは、投資家向けに下記のことを宣言している。
- 2028年までにサブスクリプションサービスから約100億ドルの収益を上げる
- 2028年までに収益を5倍の264億ドルにする
- 広告への依存度を収益の50%未満にする
- 2028年までに9億3,100万人のユーザーを獲得する(2021年末時点のmDAUは2億1,700万人)
- 新たなサブスクサービス「X」を立ち上げ、2028年にはそのサービスで1億400万人のユーザーを獲得する
- 数百人の従業員を削減した後、3,600人を雇用し、2025年までに従業員を1万1,072人にする(現在は約7,500人)
このあたりをイーロン・マスク以外のCEOが発言したとしたならば、話半分に聞いておけばいいかなという感じだが、イーロン・マスクにはとにかく実績がある。
早速いろいろと動き始めているところについては、否定的な部分の方が目立っているが、現時点での正解などわかるはずもない。
いずれにせよ、Twitterの今からについては、とにかく注目していくし、Twitterをしっかり味方につけていこうと思っている。
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